Mugi-chan blog
John Borcellinoさんは、1968年生まれ、シカゴ在住の作家です。
JOHN PORCELLINO was born in Chicago, in 1968, and has been writing, drawing, and publishing minicomics, comics, and graphic novels for over twenty-five years. His celebrated self-published series King-Cat Comics, begun in 1989, has inspired a generation of cartoonists.
Small World Funnies
Small Wolrd Funnies(WAHCHA MEAN, WHAT’S A ZINE? THE ART OF MKING ZINES AND MINI-COMICS, by Mark Todd & Esther Pearl Watson,2006, GRAPHIA,pp.14-15)には、PorcellinoさんのZineの出会いのエピソードのマンガ描かれています。その舞台となるのが、ここ、イリノイ州のUrbana-Champaignです。こんな内容です。
シカゴ在住のジョンさんは、高校生のときに、科学クラブに入っていました。そこでU-Cのイリノイ大学のScience Fairへバスで行くのを楽しみにしていました。でも、ランチには、会場を抜け出して、Green Streetのレコード屋さんを歩き回り、そこに置いてある変わった音楽雑誌を眺めたりしていました。その時、音楽関係の白黒コピーのZine、AHISTIC CHAINSAW GAZETTEを見つけます。これが、 Porcellinoさんにとって、初めてのZinesとの出会いでした。それから、U-Cのイリノイ大学に来るたびに、このZineを買っては、シカゴへの帰りのバスのなかで読んでいました。
数年後、Porcellinoさんが自分のZineを作り始めたときに、コピーしていたPrint Shopで働くJohn Rさんと友人になりました。ある日、John Rさんのお宅にいき、彼のガールフレンドに会いました。彼女に「どこでZineに関わるようになったの?」と尋ねられ、高校時代に好きだった、U-Cで見つけたmusic zineの話をすると、彼女は、ハハハと笑い出しました。
「何がそんなにおかしいの?」
「だって、そのAHISTIC CHAINSAW GAZETTEは私のZINEよ、私が作っていたのよ」と。
このSmall World Funniesというエピソードは、最後は、イラストではなく文章でこうまとめられています。
これは、私が好きなZineの世界をよくあらわした話です。つまり、Zinesをとおして、人々とコミュニケーションをとることができたり、ときにはそれが深い友人関係まで展開したり、コピーするだけのシンプルにできたモノが、誰かの人生を永遠に変えてしまうことだってある、ということです。
もう1つのエピソード
私がタテイシさんをとおして、Porcellinoさんのプロフィールを知ることになるのも、このSmall World Funniesのその後の展開の1つじゃないかな、と思います。
実は、私は、2011年4月30日にU-C IMCで開催されたMid West Zines FestでJohn Porcellinoさん本人と出会っています。Porcellinoさんが、ChicagoからIMCこのZine Festにブースを出し、King Catや、他の著者のZineを販売していました。その時は、このKing Catが、アメリカのZine、あるいはmini-comicsの世界では、知る人ぞ知るComicsだとは知りませんでした。ただ、ブースに置いてあるZineにいろいろな形があって面白く、15分くらい、Porcellinoさんとあれこれおしゃべりをしていました。彼は、国内外のZineを収集、販売しており、オンラインで注文を受け付け、日本への発送もできる、という話でした。 そこで、出版物で はなく、壁にかかっていたKing CatのTシャツを買いました。 KING-CAT COMICS CATALOG
Harukana Showの打ち合わせの際に、Mid-west Zine Festについて話しスカイプでTシャツを見せると、そのJohn Porcellinoさんは、米国のZineの世界ではよく知られた人で、タテイシさんも、King Cat Classix: The Best of King-Cat Comics and Stories, D&Q, 2007を日本から注文して、手元にあるというのです。
タテイシさんにしてみれば、私がいるアメリカのUrbana-Champaignが、自分が好きなZineの著者であるJohn Porcellinoさんと縁が深い場所で、私が、その本人に会っているとは、思ってもいなかったことです。
Harukana Showの機材を担当しているTomは、Champaign出身なので、このSmall World Funniesに出てくるChampaignのGreen Streetのレコード屋を覚えていまいた。イリノイ大学のキャンパスの近くに有名な2つのレコード屋さんがあって、店内に、いろいろなジャンルのレコードのセクションがあったこと、音楽関係の雑誌も売られていた。レコードの時代が去るとともに、個人営業のレコード屋さんも姿を消してしまった、そうです。
番組のなかでTomの話を聞きながら、タテイシさんは、こんなふうに語っていました。その時々の、時代や社会や、それぞれの生活や思い出が、紙に記され、モノとして残っていく。そこには、電子媒体とはまた違う、紙とイラストと文字の組み合わせがかもしだす感触があり、日本の現在の若い人たちのあいだでも、Zine Cultureが、ある種の広がりをみせている、と。
Harukana Showも、John PorcellinoさんのいうZine Worldのような、人と人とをゆるやかにつなぎ、そこから、さらなる関係や、あるいは刺激をしあったり、何かを生み出す創造的なスペースになるといいなと思います。
2011/07/02
Zineな関係ー小さな世界から始まる愉快な広がり
Mugiko Nishikawa
Mid-West Zine Fest @IMC,April30,2011
John Porcellino, Map of My Heart: The Best of King-Cat Comics & Stories 1996-2002,
D&G, 2009