Mugi-chan blog
PACAのSalvage活動
Harukana Showで”Creative Reuse”(Podcast No.10-3)の活動の一例として紹介したPACA(Preservation and Conservation Association)のSalvageの活動に2011年7月3日〔日)に参加してきました。PACAは歴史建造物の保存運動だけでなく、Salvage(取り壊される建物から再利用できる資材、家具、ランプ、部品などを回収し、倉庫に保管、市民に提供する)活動を展開しています。
PACA does believe that materials from these structures should be recycled whenever possible. Recycled materials reduce landfill waste and allow pieces of old buildings to serve a useful purpose. Many of the architectural items in these buildings are difficult to reproduce, even at a high cost, and can very safely and easily be removed before demolition.( Salvage)
取り壊す建物の資材を回収、再利用!?
古い建築物の使えるものは何でもリサイクルする!? といわれても想像ができません。ぜひ、参加したいと、ラジオ放送のあと、PACAの会長であるトムさんにお願いしていました。それから1ヶ月、日曜日の朝10時すぎに、「今、Salvageの現場に向かうところですが、参加しますか。汚れてもよい服装で」と突然に連絡があり、20分後には、一行のトラックに便乗。7月4日の建国記念日前の連休の日曜日、参加者が不足していたのでしょう。 4人乗りで1つ座席があいていました。
この日のSalvageの対象となったのは、Champaignから車で30分ほど走ったところにある、Tuscoloaのダウンタウンにある19世紀末建築の3階建てのビルディングです。天井がとても高く、商店、オフィス、住宅といろいろな目的に利用されていたようです。老朽化し保存が難しくなり取り壊しが決定し、建物の所有者が長年のPACAの利用者であったため、利用できるものがあるならPACAで回収してくださいと声がかかったそうです。
朽ちても活きてる細部の美しさ
取り壊す前の古い建物の内部が、朽ち果てているものの、それが、こんなに美しくみえるものなのか、と私は最初、動揺しました。必要なものは持ち去られ、天井はところどころ、やけどのようにただれ、床に穴が空き、壁は落ち、血管のような電気やガスの管やコードや栓がだらりと落ち、どこかの穴から間違って入ってしまった鳥の死骸が、あちらこちらに、ほこりだらけで、、、、
それでも、古い建物の細部は、壁に埋め込まれた木材やドアもノブも金具の細工も、ランプも、丁寧に作り込まれて、 ところどころ残っている古い壁紙細かな模様の哀れで深い色あい、天井の花柄のピンクのランプは、1950年代のものか、建物より新しく。 1つ1つは、今だに活きていて迫力があります。まだ使える、もったいない、というよりも、美しいなあ〜、こんなものを組合わせて新たな空間を創ることができたら楽しいだろうなあ、と思うとどきどきしてきます。言葉でうまく形容できません。Harukana Albumsに写真をアップしました(Salavage@Tuscola, IL)。ご覧ください。
モノと暮らしと時代にふれる
今日のPACAの3人の参加者〔男性2人、女性1人)は、手際よく、今日は、2部屋から壁に組み入れられた木材やドアを剥がす作業をしていました。隙間に金具を入れ、こつがあるのだと思いますが、意外と簡単(そうに)、木の板が剥がれていきます。1つ1つの板には5センチくらいの長さの釘が、何本も打ち込まれています。初心者の私は、釘抜き作業。きゅっと木目がしまった硬い木に打ち込まされた釘は、どうしても抜けません。皮の手袋を借りましたが、数時間、作業しているうちに、手のひらが少しむけました。
汗はダラダラ落ち、水分を補給しないと、エアコンのない30度を超す部屋での作業は、なかなかハードです。それでも、回収した建物の一部が、それが自分が使うことは永久にないとしても、100年以上前に、その1つ1つをつくった人たちと、それを使ってきた人たちから、何かをもらったような、そんな不思議な充実感がありました。
大学こそリユースの宝庫
4,5メールもある長い木材もトラックに積み込んで、シャンペンのダウンタウンにあるPACAの倉庫まで運びました。全ての作業が終了したのは、夕方の5時になっていました。6月3日のHarukana Showでタテイシさんが、大学には、再利用できるのに処分してしまうモノがたくさんあるのでは、という話をされていました。PACAがしばしばSalvage活動に赴く場所が、まさにイリノイ大学です。PACAの倉庫には、これはきっと大学にあったに違いない、というドアや、小さな机付きの椅子などがあります。 PACAの倉庫には、またゆっくりと訪ねて、レポートします。
1930年代初めの”今週のヒットソング”は、ニューススタンドで販売されていた?
私は、壁と木材のあいだにはさまっていた、HIT OF THE WEEK, Swingin' In A Hammock (Phil Spitalny's Music) という、表がプラスティック、裏が厚紙でできたひび割れたレコードを見つました。ネットで検索すると、1930年代初期にニューススタンドで、毎週15セントで販売されていた今週のヒットソングシリーズの1枚のようです。お土産にともたされました。
They sold on newsstands during the Great Depression for 15 cents and quickly became the best-selling records of the early 1930s: the laminated flexible cardboard records known as "Hit of the Week." Featuring the top songs of the day, performed by some of the most noted jazz and dance musicians (often under pseudonyms), Hit of the Week records provided just that--one hit, once a week--to an American public with hardly a dime to spare but hungry for great music by great artists.
2011/07/03
老朽化した建物から資材を回収・リサイクル、PACAのSalvage活動
Mugiko Nishikawa
Salvage by PACA@Tuscola, IL,
July2, 2011,