Blog:Zine in the Classroom(1)「Zineを使った授業の作り方」Sept. & Oct., 2018

Zineつながりの友人

渡米して3ヶ月があっという間に過ぎました。St. LouisやNYへのZineをめぐる旅[ Blog: St.Louis (1)(2), NY(1)(2) ]だけでなく、U-Cでもいろいろな展開がありました。9月には、UCIMCのZine Libraryを担当しているKathrynが連絡をくれました。彼女は、UIUCの情報科学部の教員でもあります。私が、2016年にUCIMC LibraryのZine寄付ポスト(写真右下)にGMZシリーズを投函したら、Kathrynからメールが届き、それ以来の友人(Yu-Zine)です(Blog:Aug.21&23, 2016)。

UCIMC Zine LibrarySept.28, 2018

「Zineを使った授業の作り方」についてのZine

9月28日、UCIMC2階にできたArchiveでドキュメントの整理をしているKathrynに会いにゆきました。再会が嬉しくて、Zineの話が弾みました。私が担当している甲南大学のフィールドワークの授業では、受講生は各自の取材をもとにZineを作成し、教室を会場にして「ZINE大会」を開催しています。Zine制作と大会を行うようになって、学生たちは「伝える」ことを意識して調査と制作に取り組むようになりました。そんな話をしながらKathrynに、「Zineの作り方」についてのZineはあるけれど、授業などでの「Zineの使い方」についてのZineはあまりないよね、と話しました。

UCIMC Archive@Urbana, Sept.28, 2018

アメリカでの“Teaching with Zines”

この時、Kathrynは私の話にコメントはしませんでしたが、後から、いくつかの資料を送ってくれました。学校の授業や図書館のワークショップなどでZineをどのように使うかについては、アメリカでは、フェミニズムやオルタナティブメディア、新しいライブラリアンの活動の中でいろいろな取り組みが行われてきました。Zineを使った授業やワークショップの方法についてのZineもあると、Kathrynは私に伝えながら、日本での私の授業の作り方にも関心を持ってくれました。

Teaching with Zines”by June 2018 by Kathleen Aragon, Deanie Adams, Jolie Braun, Emma Fernhout, Juli Huddleston, Kelly McElroy, Sarah G. Wenzel, and Kelly Wooten.

イリノイ大学のZineを使った授業に参加

こうしてKathrynは、2018年秋学期のイリノイ大学で、Zineを取り入れた授業を紹介してくれるようになりました。その1つが、都市・地域計画学部(Urban and Regional Planning:UP)のEfadが担当する都市問題に関する授業です。2018年10月14日に、この授業のZine Workshopに参加した話は、Blog: Nov.24, 2018に掲載しました。

Zine Work-shop, 甲南大学の学生によるZine も展示@UP260Fall, UIUC, Urbana, Oct.14, 2018

そこにあなたのどんな「思い入れ」があるのか

この授業の前に、学生たちの都市問題に関する中間レポートを読んでいました。どのレポートも、よく調べて(インターネットで検索して得た情報を組み合わせて)作成されていました。でも、それをZineにする意味がどこにあるのだろう?行政の都市計画のパンフレットのようになりそうだなあ、と思いました。10月14日のZine Workshopで突然、ゲストから話してください、と言われた時に、参加者に問いかけたくなりました。どうしてZineを作るのか。誰に何を伝えたいのか。そこにあなたのどんな「思い入れ」があるのか。

パーソナルな思いと、他者に伝えるという行為のあいだ

Zineには、決まった形がありません。どんなふうに作ろうかなあ、誰か読んでくれるかなあ、と手を動かしながら考えていると、自分の気持ちや隠れていた思いが、どこからか出てきます。それがポジティブな感情の時もあれば、思い出したくない出来事かもしれません。だからZineなんてわざわざ作らなくてもいい。自分と付き合うのは面倒くさいし、人にわざわざ伝える必要もない。それでも、雑誌の言葉や写真を切り貼りしたり、絵を描いたり、断片的な言葉を紙に呟くと、いろいろなものが形になってゆくと、気持ちが落ち着いたり、意外と面白くなってきます。

自分と向き合い、パーソナルな思いと人に伝えるという行為のあいだを調整しながらZineが形になってゆくのではないかと思います。12月に、学生たちのどんなZineができあがってゆくのか、Zine in the Classroom[3]に続きます。

Zine Work-shop@UP260Fall, UIUC, Urbana, Oct.14, 2018

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