No.450, November8, 2019,「歴史」の学び方 with Koji

ライブ配信は日本時間の土曜日9時から

11月3日(日))早朝に、今年のDaylight Saving Timeが終わり、日本とアメリカ中部時間(Central Standard Time)と日本の時差は15時間となりました。wrfu.netからのHarukana Showのライブ配信は、日本時間では毎週土曜日午前9時始まりとなります。

Kyotoはにぎやかな秋

先週、Satomiさんから、アーバナ・シャンペーンからの初雪のハロウィーンの様子をレポートしていただきました( No.449)。日本の関西は、11月に入り、日中と夜の寒暖差の大きくなって、ようやく紅葉が始まりました。Kyotoは、この季節、観光客が増えて大混雑します。Mugikoは、早朝に、近所のお寺の境内を通って、木々の葉の色が変わるのを楽しんでいます。

U-Cイベント情報

AsiaLENS, Drokpa : Nomads of Tibet, directed by Yan Chun Su, 2016, 79minutes: 11/12 (火) 7pm- @ Spurlock Museum

GIS Day @ Illini Union Rooms B&C:11/12(火)9:15am-4pm

GIS Dayとは?イリノイ大学地理学専攻博士課程に在籍するWataruさんに解説をお願いしました。「GIS:Geographic Information Science 」の詳細は、No.429-2,へ。

GIS Day とは?

GIS Day とは、「地理情報科学」 に関するイベントで、大学をはじめとした教育・研究機関にて、地理情報科学に関する教育・研究成果を講演会や講習会の形で社会に還元し、GISの普及・啓発を図ろうというものです。1999年に、アメリカで民間会社がソフトウェアの販促を目的に始めて、今では全世界に広まりました。アメリカでは毎年11月頃に開催されています。イリノイ大学も毎年GIS Dayに合わせてゲスト講演、ポスター発表、スーパーコンピューターの見学会などのイベントを催しています。詳細はWebで確認ください。参加無料でお昼にはランチが出ます。

ポスターセッションに、Wataruさんも参加

私(Wataru Morioka)も参加予定で、午前10時から11時のポスターセッションでは、web地図とそれを紹介するポスターを発表予定です。Virtual Cemetery Walk(一部公開中、ご覧ください)という題名で大学敷地内の墓地に眠る先駆者たちの話をweb地図で紹介しています。他にも面白いポスターが並びます。ポスターはコンペになっており、当日の来場者による投票も行われます。ぜひ、ご参加ください。by Wataru

録音ポッドキャスト

録音ポッドキャストは2部構成です。(接続の関係で、今回、生放送時も含め、若干、音声の乱れているところがあります。すみません。)

Part 1. 季節の話題&イベント情報

Part 2は、このすぐ下です。

「歴史」の学び方 with Koji

先週は、イリノイ大学歴史学部博士課程に在籍するKojiさんをWRFUのスタジオにお迎えして、秋学期から担当されているグローバルヒストリーの授業についてお話を伺いました(No.449, Part3,WWⅡをテーマに「ヨーロッパ中心主義史観」批判 の授業with Koji, 14m17s)。本日は、トーク後半をお届けします。

「日本人のKojiさんが講師として、大学の授業でアメリカ人の受講生に第2次世界大戦の歴史を教える」。こうした授業を、学生たちはどのように受けとめていますか。後半のトークは、そんな質問から始まりました。

Part 2. 「歴史」の学び方 with Koji & お便り&コメント

日本で「歴史」を学びアメリカで「グローバルヒストリー」を専攻

アメリカ人の学生にとってKojiさんは、歴史の学び方を、共有している部分と異なる部分があって、質問をしやすいようです。Kojiさんも、大学まで日本の文脈の中で「世界史」を学んできました。それは、アメリカ人の学生が、高校まで、アメリカの視点から歴史を学んできたことと共通しています。その一方で、Kojiさんは、アメリカの大学でグローバルヒストリーを専攻し、「アメリカ帝国史」を研究しています。そこで、アメリカで教えられている歴史がヨーロッパ中心主義史観によって構成されているのではないか、という視点も持っています。

Kojiさんを通して、「歴史」の構成され方の違いに気づく

そんなKojiさんだからこそ、受講生たちは、第2次世界大戦について日本ではどのように教えられているのかに関心を持ち、授業でも、様々な質問がでてきます。例えば、第2次世界大戦の原爆投下の問題ついても、「それが戦争を早期に終わらせ、米軍兵士の死傷者を減らすことになった」と教えられてきたアメリカ出身の学生にとって、これを批判する意見があることを知り当惑することもあります。

歴史に何が入り込み、忘れ去られているか

Kojiさんは、歴史を学ぶための素材も様々に工夫しています。様々な写真、戦時中のプロパガンダのポスター、受講生が子供の頃から親しんできたようなアニメや、流行りの映画など、自分たちのなかにいつの間にか入り込んでいる映像を通して、歴史の出来事が、いかに社会的に構成されたものかを考え始めます。また、視点を変えてみると、歴史として扱われていないことが何なのか、「忘却」について知ることにもなります。例えば、Kojiさんが授業をしていて驚くのは、学生たちが「大西洋」よりも、「太平洋」への認識が薄いことです。授業では、受講生どうしが様々な「気づき」を議論をすることによって、歴史には1つの正解があるわけではなく、ある問題に対する解釈も1つに収束しないことに気づきます。(まとめ by Mugi)

「グローバル・サウス」「グローバル・ノース」とは?

番組を聞いて、リスナーからこの用語が新鮮だったというメッセージをいただきました。Kojiさんにもう少し説明していただきました。

「グローバル・ノース」と「グローバル・サウス」は文字通り「世界の北」と「世界の南」ということで、それぞれ経済的な先進地域(ヨーロッパ・北米・日本)と発展途上地域(アフリカ・中南米・アラブ・アジア)の集合体を指していると言えるかと思います。ただ経済的な意味だけではなく、「グローバル・ノース」は歴史的に植民地を持つ帝国だったのに対し、「グローバル・サウス」は植民地化(あるいは何らかの支配)を経験した地域なので、僕は「グローバル・ノース=政治的支配(抑圧)者、グローバル・サウス=政治的被支配(被抑圧)者」というような意味合いでも使っています。第二次大戦の記録・記憶をめぐるポリティクスの中でも抑圧され抹消されてしまっているグローバル・サウスの貢献や存在や役割を再検討しようとするのが僕の授業の最大の目的の一つです。by Koji

先週のPodcastを聞いたYoshiさんから、メッセージが届きました。

「『世界』史」のメインプレーヤー   by Yoshi

Kojiさんの「ヨーロッパ中心史観」批判の講義は、とても興味深いです。私も朝鮮史を教えながら、アンドレ・グンダー・フランク『リオリエント』等を参考に、世界史の中心は長らくアジアであり、ヨーロッパが世界史のメインプレーヤーになるのは早くても18世紀、本格的には19世紀からと考えています。ヨーロッパ中心で世界史を理解するととらえきれないことが多いものです。by Yoshi

語られるもの、語られないもの

「ヨーロッパ中心史観」のほかにも、「歴史」のストーリーが「(現在存在している)各国の、国としての歴史」に回収されてしまうことで語られなくなってしまう場所や人々もあり、そういう意味でもグローバルヒストリー (と、その中に置かれた「エリアヒストリー」みたいなもの) を考えていくことは大事なんだろうなと思いました。(Ryuta)

■Tune 「秋のメドレー 『小さい秋見つけた』『村祭り』『虫のこえ』」■Official髭男dism 「宿命」■Kishi Bashi 「Angeline

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