No.519, March5, 2021, コロナ禍で帰国、ランドスケープデザイナーとしての再出発with Yuta

ChampaignのCOVID-19陽性者数、減少

3月4日に開催されたUIUC JPN COVID-19 Town Hallの資料(Tatsuyaさん作成、データソース)を見ると、2週間前と比べてChampaign CountyのCOVID-19の陽性者数が半減しています(2月18日現在648人→3月4日現在294人、資料一部は本日のPodcastの最後に掲載)。2月の大寒波の影響で外出が制限されたためでしょうか。本日のトークの中でのWataruさんのお話では、U-Cでは最高気温が10℃をこえる日もあり、だいぶ暖くなってきました。

Mugikoが住む関西では、2月28日緊急事態宣言が解除されました。仕事帰りに「デパ地下」に立ち寄ると、3月に入って人出が多くなっている印象受けます。ひな祭り限定のスイーツがいろいろ売り出されていました。イリノイ大学のJapan Houseが、今年は雛壇の詳しい解説をYoutubeに掲載しています。「Japan House Shares Hina Dolls」(2021/03/01)。

Part1, Japan  Houseの 雛壇動画、UIUC JPN COVID-19 Town Hall 

日本でランドスケープデザイナーとして活動開始

with Yuta

本日のゲストトークは、ランドスケープデザイナーのYutaさんです。Harukana Showには3回めの出演です。2020年2月(HS No.465 & No.466)と5月(HS No.478 & No. 479)の番組収録時には、Yutaさんはテキサス州Houstonで、ランドスケープデザイナーとしてお仕事をされていました。今回は、日本に戻られた経緯、Houstonに比べて、コロナ禍の日本の暮らしの印象、日本でのお仕事についてお話を伺っています。日本時間の2021年2月28日に、Yutaさん(Yokohama)、Wataruさん(U-C)、Ryutaさん(Shizuoka)、Mugiko(Kyoto)をオンラインでつないでお収録しました。トークは来週の番組へ続きます。

Part2, 日本に戻って、HoustonもYokohamaも公園人気

Par3, 公園で凧揚げ、通勤電車、東京都多摩市の緑化事業の会社に就職

トークの内容をYutaさんに文章でもまとめていただきました。

日本に帰ってきて by Yuta

テキサスから帰国して2週間の自主隔離を経た後、久々に外へ出ました。高校時代を過ごした鎌倉に行くと、普段の観光地ほどの賑わいはないもののそれなりに人が多いのに驚きました。ヒューストンで生活していた時は、極端に外に出る人の数が減ったので、日本は電車も観光地もそれなりに人がいて驚いたのだと思います。しかし、SNSやニュースを見るとヒューストンでも騒いでいる人はいるし、日本もアメリカも“人による”のは同じだと感じました。

新横浜公園に来ていたキッチンカー。奥をよく見ると多くの来園者がいることがうかがえる。Jan.16, 2021, Yuta撮影

コロナ禍で公園人気

屋外空間の利用についても、ヒューストンでも日本でも人が増えた印象です。ヒューストンで生活していた時は、仕事に向かう様子の人は減ったけど、休日やアフター5を公園や河川敷で過ごす人はよく見かけるようになりました。帰国後、私も近所の公園へ出かけるととても賑わっていて、駐車場は満車でした。最近キッチンカーの需要が高まっているということもよく聞きますが、この公園でも実際にキッチンカーが来ていました。とあるウェビナーで聞いた話ですが、都立武蔵国分寺公園では、年間イベント数は13回から1回に減ったにもかかわらず、来場者数が前年よりも増えたそうです*。公園やオープンスペースの見られ方はCOVID-19によって大きく変わったものの一つだと思います。*参考: NPO法人GREEN CONNECTION TOKYO 代表 佐藤留美「都市のレジリエンスを強化するグリーンインフラの活用手法」

Green Wiseでの仕事

帰国してしばらく経ってから東京都多摩市にあるGreen Wiseという会社でお世話になるようになりました。Green Wiseは環境共生をミッションにする緑化事業の会社で緑に関する事業を幅広く行っています。私は、その中でも設計の仕事をしていて、緑地の計画や外構設計をしています。具体的には言えませんが、最近のプロジェクトでとある企業の新本社屋の外構計画、設計をしています。ここでは周辺の環境に馴染むよう、林の中にある様なランドスケーププランを考えたりしています。市街化調整区域の里山風景が残る地域なので、そこに自生する植物を中心に、そこで働く社員の方が一緒に育てていく自然といった外部空間を想定しています。単に植物を使った景観を作るだけではなく周辺環境やその後の利用する人たちの関わり方までストーリーを想定して提案していくのも我々の仕事のひとつです。

Green Wise本社屋上庭園。季節によって様々な表情を見せてくれる。Aug.27, 2020, Yuta撮影

Green Wiseは、ミッションである「環境共生」の実現を具体化する実践の場をいくつかつくっていますが、そのうちの一つが本社の屋上庭園です。これは四季の移ろいを感じることができるように設計され、ガーデナーの念入りな日々のメンテナンスによって気持ちの良い空間に維持されています。仕事をしながら、ちょっとした休憩やお昼休みにこの気持ちの良い屋上で一休みできるのは、この会社に入って良かったと思うことの一つです。

多摩市の可能性

本社がある東京都多摩市多摩センター駅周辺は「多摩ニュータウン」という大規模開発が起きた地域の中心的な位置にあります。多摩市は緑豊かな多摩丘陵に囲まれて、その中に団地が多く点在するまちです。ニュータウン開業時は多くの20-40代の家族が入居し、活気に溢れたまちだったと言われています。しかしながら、多摩ニュータウン初期入居から50年が経ち、建物やインフラは更新の時期が迫り、高齢化や生産年齢人口の減少など、抱える社会問題が多い地域になっています。

多摩市の「ニュータウン再生プロジェクト」

この複合的で複雑な社会問題を背景に多摩市は「ニュータウン再生プロジェクト」として2040年代の都市の将来像をどうしていくのかというプランを策定し、現在進行形で検討を行っています。そこへパンデミックの影響もあり、郊外での自然豊かな生活への需要の高まりもあります。多摩丘陵が本来持つ自然と、ニュータウン計画が残した緑地計画や歩車分離などの遺産をうまく組み合わせれば、アフターコロナの社会で求められる都市のあり方のある種のモデルになれると期待をしています。再生計画とは無関係ではないプロジェクトとして、多摩センターにある文化施設「パルテノン多摩」、「多摩中央図書館」、「多摩中央公園」などの大規模改修が現在行われており、今後多摩市に身を置く企業として何かしら関わっていきたいと考えています。Yuta

通勤路に通る緑道。安全に歩きやすく景観的にも美しい緑道が充実している。12.07.2020, Yuta撮影

多摩センター駅周辺 – Wataru

Wataruさんから、こんな写真と説明が届きました。「参考までに想像しやすそうな写真を添付します。Yutaさんの職場は模型でいう左手前側(北西)方向ですね。中央の茶色い歩行者デッキがパルテノン大通り(駅前のクスノキの話の場所)、右の池があるのが多摩中央公園、奥の一つ高い建物が私のかつてのバイト先ベネッセ東京支社です」by Wataru *参考:パルテノン多摩歴史ミュージアム

パルテノン大通りとクスノキ- Wataru

下の写真は、ベネッセに出勤途中に撮影しました。雪が降ったから珍しいとたまたま撮りました。結構歩くのが危なかったです。本日のトークで触れたクスノキが歩行者デッキに沿って並んでいます。つきあたりがパルテノン多摩(パルテノン神殿を模してる)、右の三越・ユニクロと書いてある建物が旧そごう。例のからくり時計がこの歩行者十字路に向かって設置されていました。by Wataru

「地元」を再発見-Mugiko

Mugikoにとっても、この一年は「地元」を再発見する時間でした。観光客が激減しひっそりしたKyotoを気ままに散歩。子供の頃、探検ごっこして遊んだ薮に遊歩道が通っていたり、歩きやすい街になっている気がします。このあたりは、蛙がやたらに鳴いているとか、この水路は白黒の猫がよく歩いているとか、サギを一羽だけ見かける場所だとか、街路樹がたくさん切られてしまったなあとか、心の中のMapのスポット情報が少しずつ増えていきます。ランドスケープデザイナーは、その場所に関わる人々の日々の暮らしと記憶と共に、街を育ててゆくお仕事なのかなと思います。Mugiko

UIUC JPN COVID-19 Town Hallの資料

日々の情報は、UIUC JPN COVID-19 Town Hall Twitterをご覧ください。

イリノイ州全体のCOVID-19患者によるベッドの使用率も減少しています。(IDPH)

■yama「春を告げる」■We Love Disney Artist「 It’s A Small World」■苫米地サトロ「GREEN

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