No.542, Aug.13, 2021, 2021年女子会(後半)Yutaくんの学ランと「部活」と縄跳び、小4Naomiさんの夢with Kyoko & Sayaka

WRFUからの配信、一時、音声中断

本日のHarukana Showの配信が、途中で音声が聞こえなくなりました。申し訳ありません。現在原因を調査中です。今日の番組全体(音楽入り)は、WRFUがWebsiteから聞くことができます。こちらです(音楽入り)。

Harukana ShowのPodcastでは、収録トークの音声とKyokoさんにまとめていただいた文章を掲載します。トークの収録は、2021年7月30日です。トーク前半と南仏Albiに戻ったSayakaさんからのフランスのワクチン接種義務化などの最新レポートは、HS No.541-2に掲載しています。Sayakaさんの息子のYutaくんの、日本の初中学校生活、そしてKyokoさんの娘のNaomiさん(小学校4年生)の将来の夢など、多彩なトークが展開します。日本の現在の学校文化が垣間見えて、また「家族」関係の文化・社会による違いなど、かなり面白く深いお話しです。

2021年女子会トークwith Kyoko & Sayaka

Part1, Yutaくん、中学校の部活にハマる、小4Naomiさんの女子付き合い

Yutaくん、日本の中学校に入学、初めて「学ラン」

0歳の時からSayakaさんと一緒に毎年日本に帰ってきているYutaくんですが、今年、中学生になりました。大きなステップということでSayakaさんは心配していましたが、保育所、小学校の時からの友達が同じ中学校に行くということもあり、問題なく進学できました。日本の中学校の多くに制服があります。制服に加え、シャツ、体操服、学校指定のカバン、上履きなどを購入すると、合計で10万円弱になりました。Yutaくんの通う中学校の制服は、いわゆる詰襟の「学ラン」です。お金をかけて制服を揃えたのに、コロナの感染防止対策で、体育や部活動のために狭い更衣室で着替える必要がないよう、朝から体操服で登校する日が多くありました。

全員が「部活」に参加

小学校と比べて、中学校で大きく変わったのは、全員が部活動に参加するということです。Yutaくんの中学校では、文化系の部活動は美術、吹奏楽、コンピューターの3つで、大半はバレー、バドミントン、サッカー、野球などのスポーツ系です。Yutaくんは、バドミントン部に入部しました。強い部の活動には授業が始まる前に1時間の朝練(朝の練習)がありますが、バドミントン部にはありません。Sayakaさんの中学校時代には、夕方に毎日3時間ほどの練習がありましたが、今は水曜日・日曜日に部活動はなく、それ以外の日も上限2時間と時間が決められています。体育館にはクーラーが入っているなど、時代を経て随分部活動にも変化がみられます。

筋肉から鍛える、「根性!」の世界にハマる

フランスではスポーツなどの活動は個人でレッスンに通う必要があり、テニスだとすぐにボールを打ち始めます。それに対して日本の部活動で最初にやるのは筋トレ(筋肉トレーニング)です。1学期の間にYutaくんがバドミントンのラケットを握ったのは2回だけでした。1分間に縄跳びの二重飛びが100回できた人から打たせてもらえるとの話です(それでも女の子で二人できた人がいた!)。Yutaくんはこれまで触れたことのない日本の「根性!」の世界がおもしろく、筋肉がついてくる、縄跳びができるようになる(フランスではあまり縄跳びはしない)という身体の変化が楽しいようで、帰国が近づいているのに毎日部活動に通っています。友達同士で遊びに行く機会も増え、親に友達関係の詳しいことを話さなくなるといった変化もあります。

女の子同士の付き合いが難しい年頃のNaomiさん

Kyokoさんの娘のNaomiさんは、今年小学校4年生になりました。Yutaくんと比べると、まだ色々と毎日の出来事をKyokoさんに話してくれます。小学校3年生の時から友達の家の固定電話に電話をして約束をし、お昼ご飯をもって近くの公園に子供たちだけでピクニックに行くということをしています。そのような女の子同士の付き合いの中で喧嘩をすることが増えるという難しい年頃になりました。Kyokoさんが7月初めのクラス担任の先生との個人懇談では、クラスの中で女の子の仲良しグループができていて、人間関係が大変そうだという話になりました。Naomiさんの髪の毛は茶色で、日本では黒髪が必須の校則を持つ中学校もあります。茶色の髪の毛を持つ生徒の髪を黒く染めさせるという事例があったことから、Kyokoさんは中学校にNaomiさんが進学したらどうなるのか、少々心配しています。

コロナ下での小中学校の変化

コロナ下で小学校にも色々と変化がありました。運動会の無観客開催、ノートPCの一人一台配布などです。重いノートPCを毎週月曜日にもっていくのは大変ですが、そのPCを使って長期の休みに宿題がでるなど、ICT教育が小学校にも導入されています。Yutaくんの中学校ではiPadが一人一台配布され、教室にもバッテリーをチャージできる場所が作られました。昨年は緊急事態宣言の時に先生が一生懸命プリントを印刷して各家庭に配布していましたが、1年で随分状況が変わりました。Naomiさんの小学校のクラス懇談もGoogle Meetを活用してリモートで実施されました。

Part2, 「卒業証書」、Naomiさんの将来の夢、日本の家族の会話の希薄さ

Yutaくんの日本の小学校の「卒業証書」

今年の3月にYutaくんは、日本の小学校を卒業しました。ずっと日本の小学校に通っていたわけではありませんが、小学校から卒業証書をもらうことができました。日本の小学校を正式に卒業したという証明書です。さらに、卒業写真と文集ももらいました。フランスには、そのような卒業証書はありませんし、そもそも、入学式も卒業式もありません。Sayakaさんのパートナーは、「すごい!フランスの中学校の先生に言おう!みんなのモチベーションを上げることができるかも!」とコメントしたそうです。

小学校と違い中学校は、勉強が難しくなり、また、学期の途中と最後にまとまった期間で実施される「中間試験」と「期末試験」があります。Yutaくんは、日本にいる間はフランスの学校から籍を抜いて、日本の学校の勉強に集中しました。「テス勉」も頑張り、好成績をあげ、来年も日本に来たいと思っています。そのためにも、「筋肉」を引き続き鍛えなくてはなりません。

Naomiさんの将来の夢

Naomiさんの将来の夢は、カフェオーナーになることです。料理を頑張っていて、今年の母の日にはKyokoさんのためにミートソースパスタや野菜炒めを作りました。Kyokoさんは「カフェオーナーになるためには、算数を頑張ろう、野菜の仕入れのために(教科の)社会も勉強しよう」とNaomiさんに話しています。カフェオーナーになるためには、実際に喫茶店やカフェを見る必要があるということで、KyokoさんはNaomiさんと一緒に喫茶店・カフェ巡りを始めました。かき氷をメニューの中心にしているカフェに行った時、Naomiさんは「ソファはここに置いて…」とプロデューサー感覚で店を観察していました。

フィンランド人の父親からのプレッシャーも

Naomiさんが独立心旺盛なのは、フィンランド人のパートナーがNaomiさんに早く独立するようにプレッシャーをかけているからだとKyokoさんは考えています。「私たちの生きている目的は何?」という話をすることもあります。「ヨーロッパの人は小さい時からそういった話を聞きながら育っているのではないか」というのがKyokoさんの意見です。

フランスとスイスの進路決め事情

Sayakaさんによれば、フランスでも子どもたちは早くに自分の進路を決めます。中学校の最終学年の子どもたちは、インターンシップに行きます。Yutaくんの知り合いのフランス人の女の子は理系の科目に興味があり、将来のことを考えるためにアルビの工学系の大学にしばらく行くそうです。日本の中学生は、自分の勉強のレベルで入れる高校に行くぐらいの感覚で、中学校3年生で将来どうするかというところまで考えていないケースが多いようにみえます。Sayakaさんの知り合いに、スイスで育った孫を持つ方がいます。スイスで子どもたちは、とても早い段階に現実的な選択をする必要に迫られるようです。

フランスを基準にすると意外と薄い?日本の親子関係

日本では子どもたちは勝手に友だちと約束をして遊びに行ってしまいます。中学生になると、週末に友だち同士で連れ立ってモールに行くこともあります。フランスでは、週末を子どもだけで過ごすなんて考えられません。日曜日は家族で過ごす日になっているからです。お昼ご飯を食べてゆっくりと過ごし、時には祖父母の家を一緒に訪問することもあります。「家族を放って子どもだけで出かけるなんて!」という感覚があるということです。Yutaくんは中学生になって毎日忙しくしています。平日はSayakaさんとゆっくり話す暇がありません。日曜日も友だちと出かけてしまうYutaくんの姿にショックを受けたものの、「家族で日曜日に過ごすフランスのやり方に慣れきっていたからで、子離れできていないなぁ」と反省したSayakaさんでした。でも、フランスに戻ったら普通に日曜日は家族で過ごすことになりそうです。フランスでは高校生になっても家族とバカンスに行きます。

意外と日本の子どもの方が自立している面も?

意外と日本は子どもが自由で、フランスを基準にすると親子関係が薄いといえるかもしれません。家族関係について、Kyokoさんのフィンランド人のパートナーは、「日本の家族は軽い話しかしない、意外とお互いのことをわかっていない」と語ったことがあるそうです。確かにフィンランドに帰ると、家族同士で政治的な話もしています。Kyokoさんが大学で担当する授業でその話をすると、「とても腑に落ちました。日本では芸能人の髪型が変わったというような、しょうもない(くだらない)話はするけれど、政治の話は全然しないですね」というコメントが学生の一人から返ってきました。フランスの赤ちゃんは一人でベッドに寝かされ、日本の赤ちゃんは両親と川の字で寝ると聞くと、フランスの子どもの方が自立していそうですが、小学生になると実は日本の子どもたちの方が自立しているというのは面白いとSayakaさんは考えています。

さあ、来年、YutaくんとNaomiさんはどのように変わっているでしょうか?1年後の女子会が楽しみです。-Kyoko

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西日本各地大雨

日本は8月14日現在、各地で大雨が降っています。Mugikoが住むKyotoでも、スマホから頻繁に各地の避難指示・命令の緊急情報がけたましく鳴り響きいています。一方、COVID-19感染は爆発的に拡大を続けています。医療体制のひっ迫が報道されています。

UIUCのコロナ対策

Champaignでもデルタ株の感染拡大が続いています。UIUC JPN COVID-19 TOWN HALLが8月12日オンラインで開催されました。最新の情報は、TH Twitterにも随時に掲載されています。主催者のTatsuyaさんには、来週のHarukana Showで出演していただく予定です。UIUCの秋学期開始に向けての指針は、こちらでも説明されています。COVID-19 Briefing Series: Fall 2021 Return for Students

広島の「原爆の日」のNPR番組

WRFUスタッフのStuartさんからは今週は、広島原爆の日に、アメリカでもこんな番組がラジオ放送されたと教えてもらいました。 Aug.6, 2021, NPR   “Fallout” tells the story of the journalist who exposed the Hiroshima Cover-Up

*NHK SPECIAL 「原爆初動調査 隠された真実(前半)」「後半」2021年8月9日放送

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