No.585, June 10, 2022, 「VR美術館でリアルタイムに国際文化交流」with Tomoya Uemura

甲南大学「メディア文化論」×ひがしなだコミュニティメディア×Harukana Show

第585回のHarukana Showは、2022年6月8日に、Kobeの甲南大学文学部の「メディア文化論」Webinar、「VR美術館でリアルタイムに国際文化交流」の 一部をお届けします。今回は、美術作家の植村友哉(Tomoya)さんをお招きして、授業の共同担当者である西川(Mugiko)、松本(Matsumoto)、辻野(Tsujino, 機材、配信担当)が座談会に参加しました。受講生はZOOMでWebinarに出席しました。ひがしなだコミュニティメディアからの技術協力をえて、YouTubeで同時配信しました。国内外からの参加、ありがとうございます。

コミュニケーションの場としてのVR美術館

Tomoyaさんは、2021年冬(HS No.516, No.517, No.518)と秋(No.549-2, No.550-2)にHSに出演し、画家となった経緯、VR美術館開設についてお話されています。それから半年、WESON MUSUEMがどのように展開してきたのか、コミュニケーションの場としてのVR美術館について、さらに詳しくお話を伺いました。Podcastの内容を、Mugikoが文章にまとめました(植村友哉さんのお名前は、HSではTomoyaさんと記します)。WESON MUSEUのスライド画像は、Tomoyaさんからの提供です。

Part1, WESON MUSEUM紹介、VRでのリアルなコミュニケーション

Part2, 作品制作とVR、何を大切にするか。「自分にとって必要な失敗」

Part3, WebinarへのHSコメント

独学で絵を描き続ける

Tomoyaさんは、香川県出身、小学校では、毎日、自由帳に漫画を描いては周囲に見せて、楽しんでいました。小学校では柔道、それからは大学時代までレスリングを続け、高校の国体では2位になりました。大学卒業後は兵庫県の民間企業に就職しました。スポーツをしているときも、仕事をしているときも、独学で、絵は描き続けてきました。

パラオ訪問を転機に画家の道へ、大阪でアトリエ&ギャラリー

2016年に友人を訪ねてパラオへゆき、その風景、世界に感動して、絵を描き続けたいという思いが強くなりました。画家になることを決意し退職、新しい道を歩むことになりました。大学やスポーツ、仕事をとおしてえた経験と人とのつながりは、美術作家となってからもTomoyaさんにとって大きな支えとなっています。大学時代の先輩から声をかけてもらい、大阪の十三にある現在利用していない倉庫を、ギャラリーを兼ねたアトリエとして使っています。

なぜ、VR美術館なのか

2018年にパラオで展示会を開催しましたが、絵を運ぶ費用が高いという課題がのこりました。2019年の展示会では、パラオの高校生たちの作品も展示しました。その絵の質の高さや日本の学生とはまた違う特徴に感動し、パラオという場所や文化、そして作品をより多くの人に知ってもらい、日本とパラオをつないだ継続的な文化交流ができないかと考えるようになりました。そこでTomoyaさんが思いついたのが、VR美術館でした。

斉藤さんとの出会い、WESON MUSEUM誕生

Tomoyaさんには、バーチャルな空間を作るスキルや経験はありません。それでも、VR美術館を作りたいという思いを伝えていくなかで、VRエンジニアの斉藤大将さんと出会うことができ、VR美術館の制作を担当していただきました。こうして2021年2月にWESON MUSEUMが誕生しました。WESONとは、Uemura Tomoya さんの学生時代のニックネームです。

現在は3つのワールド、来館者、1年で8000人超え

WESON MUSEUMには、天空美術館、森林美術館、PALAU WORLDがあります。そして、現在はシステム上の問題で見ることができませんが、雨ふる美術館もあります。毎日、24時間、開いています。来館者は、VRゴーグルを使い、オンラインでVR美術館にアクセスしWESON MUSUEMに入ります。アバターとなっているので、参加者の年齢やジェンダー、国籍や立場などは、外見からは分かりません。現実世界で、一人ひとりが何をみているかが違うように、一人称視点でV R美術館を楽しむことができます。また、毎週、日本時間の土曜日には1時間、Tomoyaさんがアバターとなって在廊し絵の解説をしています。来館者は、8000人をこえました。

Tomoyaさんとパラオの作家の作品展示、VRならではの仕掛け

V R美術館にはTomoyaさんの絵画が展示されていますが、その他にもパラオの作家の作品も展示されています。VRのなかでのデジタルな絵からは、絵の具の厚みや匂いといった質感は失われますが、VR美術館だからできる展示方法や楽しみ方もあります。元の絵がサイズが幅70センチほどの風景画であっても、VR美術館では10m程のサイズ感のある絵として展示する場合もあります。また、その絵が出来上がるまでの過程の絵を見せることもできます。美術館の中に大きなエイ(マンタ)が泳ぎ、波の音が聞こえたり、ある絵を通り抜けると別の部屋があるなどという仕掛けもあります。

参加者どうしのコミュニケーション

VR美術館への来訪者どうしのコミュニケーションがとれることも大きな魅力です。絵をみながら感想を述べ合い、会話を楽しむことができます。また一人で好きな時間に絵とむきあうこともできます。生の感想をその場で聴くことができる機会は、作家にとってもとても貴重です。VR美術館で友人となったり、VR美術館だけでなく、実際の絵の展示会に来てくれるという人もいます。仮想空間と現実社会は、断絶した世界ではなくつながることも可能なのです。

作品制作へのこだわりと、VR美術館展示

Webinarでは、MatsumotoさんからVR美術館と絵の制作との関係について、こんなご指摘、質問がありました。「自分がドキュメンタリー作品を制作する時には、テレビの画面で見ることを前提に、最適なサイズ感、質感を考えて制作、編集する。その作品がスマホの小さな画面やYouTubeで、作品の意図とは異なるかたちで見られることには、かなりの違和感を覚える。植村さんの場合は、VR美術館展示用の作品をつくることもあるのか」。Tomoyaさんは、作品制作とVR美術館の展示は分けて考えています。VR美術館への展示に合わせた制作はしていません。WESON MUSEUMは、さまざまな意味でのコミュニケーションの場であり、絵をとおして参加者と出会う一つのきっかけになればと考えています。

VR美術館への展開の夢、翻訳、検索、アーカイブとしての機能

WESON MUSEUMをきっかけに、今後は、世界の現代作家の鮮度の高い作品を一挙に展示できる規模の大きな美術館として展開ができればといいなあと思います。参加者が自由に会話できるような翻訳機能や、自分がみたい絵や多様な作品を知ることができる検索機能、そしてさまざまな絵とそれをめぐる情報をどうアーカイブしていく。そんなことを夢みています。

「自分に必要な失敗もある」

このWebinarに参加している学生さんから、これまでのHarukana Showでのトークを視聴、閲覧して多数の感想や質問をいただきました。VR美術館についてだけでなく、独学でも美術を学び、民間企業での仕事もやめて、絵描きとしての道を選んだことについての驚きや質問も多くありました。Tomoyaさんんは、これからの道を模索している学生たちへ、「自分に必要な失敗もあります。失敗を恐れず、しんどいことばかりを考えず楽しみながら、自信をもって自分の道をすすんでください。私もたくさんの人に支えられて自分の道を歩いています。かげながら応援しています」と語りかけていました。(まとめby Mugi)

Webinarを終えて、Tomoyaさんからのメッセージ

この度は貴重な機会をいただきありがとうございました。絵画を制作している私が、なぜVRを活用するのか。またはこの取り組みが皆様の目にはどう映るのか。私自身はそういった疑問が今回の興味深いテーマになっておりました。さて、先日コトラー氏のマーケティングについて友人と話す機会があり、テクノロジーの活用によって、あらゆる顧客のニーズに対応する技術を得る一方で、従来の人間らしさの重要性も忘れてはならないと改めて考え直したところです。皆様からの疑問点やご質問を参考にさせていただき、バーチャルとフィジカル双方の視点から美術の魅力を最大限発信していく事に努めたいと気を引き締めております。-Tomoya

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Champaign CountyのCOVID-19感染確認のべ数、7万人超え

6月10日時点ではCUPHDからは、感染拡大は高い注意が必要だと警告が出ています。場所や状況を見て、それぞれが感染防止対策をしてください。

Confirmed Champaign County COVID-19 Cases, 9.42AM, June 10, 2022, CUPHD

カテゴリー: Harukana Show-Podcast パーマリンク

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