Blog: LondonからZine レポート(4) bookartbookshop, Sept.18, 2015

ブックアートブックショップという名前の本屋さん

ロンドンからZine レポート(1)(2)(3)に続いて4回め、最終回です。ロンドン滞在の最後に訪れたのは、「bookartbookshop」。(2)で述べたLCCのLeilaさんに、ロンドンのどこにZineが置いてあるのかを尋ねたときに、いくつかの本屋さんを教えてもらいました。その時に耳に残ったのが、このお店、ブックアートブックショップです。

9月18日(金)、午前中にその日のインタビューを終え、午後、取材記録の整理をすると、夜中零時からのHarukana Showの生放送とその準備を始めるまでの、夕方の数時間が空きました。ホテルでひと休みしたいという誘惑にかられつつも、HPに記されていた短いフレーズ、「artists books and small press publications」が気になりました。アーティストたちの本と小さな出版物、どちらも見てみたい。

bookartbookshop@17 Pitfield Street, London N1 6HB, Sept.18, 2015

bookartbookshop@17 Pitfield Street, London N1 6HB, Sept.18, 2015

手作り、表現、伝えることへ想い

Hammersmithから地下鉄Hammersmith & City Lineに乗り、Moorgate駅でNorthern Lineに乗り換え一駅、Old Street 駅下車、徒歩5分、bookartbookshopは、East Londonの都心にある赤くて小さなお店です。道路から眺めていると、お店の角の前を、自転車が幾度も通り過ぎ、歩行者がふとお店の窓を覗き込みます。立派な装丁の重い美術本ではなく、本を含む紙の「小さな手作りアート」を扱っている、という印象です。お店に入るとそにある本やZineや紙に引き寄せられ、手にとりたくなります。

Bookartなショップ@bookartbookshop, Sept.18, 2015

artなbook shop@bookartbookshop, Sept.18, 2015

背表紙がないさまざまなZineたち

背表紙がないZineたちは、本棚に入ると薄い背中がずらっと並び、タイトルがないので、何がそにあるのか分からない。どのような順で並んでいるのか、オーナーのTanyaさんに尋ねたところ、「とくに分類して並べてはいないわ。この店で何を扱うか、ドグマみたいなものはないけれど、基本はアートかな。でも、アナーキストのZineもこの棚に入っているし、いろいろだけど」と言いながら、いくつかのZineを棚からとりだし、説明してくれました。

「最近のZineでも、昔からのやり方で作っているものもあるわ。これ(『ANGRY VIOLIST]』)なんかもそうね。プリントアウトした文字を切って、紙に貼って、それをコピーする。けっこくな手間がかかる。」「こちらは、現代的なArt Zineの作り方かな。」「これなんかは、挿絵はゴム印を自分で彫っている、味があるでしょ。」そして「背表紙があるのはbook、ホッチキスで止めて綴じているのがZine」とTanyaさんは話していました。

Zines@bookartbookshop, London, Sept.18, 2015

Zines @bookartbookshop, London, Sept.18, 2015

Zineを置くということ

話しを聞きながら、普通の本屋さんにとって、Zineは扱いにくいなあ、と思いました。本棚に入れても背表紙がないのでお客さんが手にとりにくい。かといって、表紙が見えるように並べることができるスペースは限られている。Zineを販売する場合、このお店では、売り上げは制作者と折半ですが、安価なZineがどれほど売れても、多くの利益にはなりません。また、定期刊行物の雑誌のように、随時、新しい号へと入れ替えるわけでもない。そう考えると、Zineを置くということは、収益を得ること以上に、Zineに関心をもつ人々がこのお店にやってくる、あるいは、たまたま来た人が、ふっと手にとってみる、そこでZineと人と人が出会う、そんな場面や関係をつないでいくことを大事にしているのかなと思います。

これからイベント@Bookartbookshop, Sept.18, 2015

これからイベント@Bookartbookshop, Sept.18, 2015

作り手を育て、触発する

Tanyaさんは、「こんな素敵な作品があるのよ」と本棚の上にある箱から、日本のアーティスト、Yasushi Choさんの作品を取り出し、見せてくれました。Yasushiさんの作品のように、個人のアーティストの作品(本)も展示、販売されています。安価なZineから、数百ドルのアート作品とのあいだに、このお店でははっきりとした境界はなく、混在しています。さまざまなレベルの、広い意味での作り手の作品をおき育てようとする場所なのだろう。そんな場所にいるのが楽しくて、作品をあれこれ手にとって見ているうちに、2時間がすぎました。

その間、いろいろな人がお店に来きました。なかには、自分が作ったZineをこの店に置いてほしいという若い人もいました。Tanyaさんは、作品をみて率直な意見を述べ(もう少し安い素材を使い価格を下げることができないか、など)、その言葉は厳しくもあるけれど、作品に込められた思い、こだわりが何なのかを読み取り、そのため何ができるのかを考える姿勢がありました。

bookartbookshop @London, Sept.18, 2015

bookartbookshop @London, Sept.18, 2015

あなたにとってZineとは?

私も、TanyaさんにGrassroots Media Zine#1、2をお渡ししました。彼女は、「このZineどうしたいですか。この店に置くには、これはテキスト中心のZineだから難しいけれど」と私に尋ねました。私は、自分がなぜZineを作るのか、説明をしました。「フィールドワークでさまざまな人から話を伺い学んだことを、誰にでも分かるかたちにして伝えたい、そこからまたいろいろな人と対話をしていきたい、そういうコミュニケーションツールとしてZineを作っています。あなにこのZineを受け取ってもらえればうれしい。」

次のGMZは、これまでよりアートな(?)装丁になるはずです。bookartbookshopに置いてもらえるようなZineを作ってみたいな、そんな楽しみができました。

Tanyaさんと愉快な仲間たち

最後に、Harukana Showのフライヤーも渡したら、即座にお店のボードに貼ってくれました。「番組で、bookartbookshopを紹介し、サイトに写真を掲載してもよいですか」とお願いすると、「もちろん」と言って、イベントにやってきた友人たちとともに撮影にも楽しく応じてくれました。たった数分のあいだも、けっこう関西的なのりでした。

Tanyaと仲間たち「何で写真に写るんだよ」「いいから、ラジオだって」「?」@bookartbookshop, Sept.18, 2015

Tanyaと愉快な仲間たち「何で写真に写るんだよ、いやだよ〜ん」「いいから、ラジオだって」「?」@bookartbookshop, Sept.18, 2015

Tanyaと愉快な仲間たち「すみません、そんなに怒らないでください」(Mugi) @bookartbookshop, Sept.18, 2015

Tanyaと愉快な仲間たち「すみません、そんなに怒らないでください」(Mugi) @bookartbookshop, Sept.18, 2015

Tanyaと仲間たち「Hahaha、怒ってないから、冗談よ」@bookartbookshop, Sept.18, 2015

Tanyaと仲間たち「Hahaha、怒ってないから、冗談よ」@bookartbookshop, Sept.18, 2015

最後まで楽しい時間でした。ありがとうございます。GMZ#3、できたら送ろう、どんな反応が返ってくるだろうか。来た人をわくわくさせる、そんな素敵なスペースでした。Mugi

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