よく京都の街を、ふらりと歩きます。そんな時は、だいたい目と頭が疲れています。
まえば歯科、、、、えっ?
まえだ歯科、ははは。
毎月15日の百万遍の知恩寺の「手作り市」、気が滅入っている時には、おすすめです。けっこう、ほぐれます。
野菜をモチーフにした小物を売っているお店。「わたし、きゅうり、死ぬほど嫌いやねん」といってキュウリの作品をにぎっているおばちゃん。これやったら匂いがせえへんし、ええわ」と。
すぐ横で聞いて、思わず、ははは、と声を出して笑ってしまうと、私の腕をぱんぱんとはたいて、ははは、の連呼。その後も、それほどのネタじゃないのに、なんだかおかしくって、笑い続け、涙まで出てきました。そうやって、2人のおばちゃん(私を含む)は、同じような作品を、連鎖反応的に買ってしまいました。
私をさらに、元気にしてくれたのは、このブースです。
毎回、ほぼ同じ場所に、この優しきゴリラと、シュールな模様を彫ったガラスの器たちと、70年代にはアングラなお兄さんだったのかもしれないアーティストが座っています。なにか、その独特の雰囲気のため、混み合った手作り市のなかにあって、ここだけは、少し空気が違う。
「為」@知恩寺手作り市, September15,2012
さっきの笑いのおがけで、気持ちが楽になって、近づいて、気になっていた作品を手にとってみました。円形のガラスに、幻想のセカイを泳ぐ鯉。黒い布の上に、きれい。これは、オブジェ?「お皿だよ。食べ終わったら魚が浮かびあがってくるの、いいでしょ。裏から、手彫り。値段より、手間がかかってるよ」。鯉といっしょに、「為」と小さく彫ってあります。他の作品たちにも、どこかに小さく、「為」と。
「為って?」
作品の後ろにいる月夜のシャイなゴリラだと、小さな繊細なグラスを、ひそかに恋した彼女に、「あなたの為に」と。
アングラ青年だった頃の彼だと、「存在の為に」と。
勝手な想像をめぐらす私に、爽やかな笑顔とともに、返ってきた言葉は、
「アッと驚く為五郎」
思わず、
「大丈夫、わたし、分かります」とサポートに入ってしまいました。
手作りだから、そこにいる人たちが、少し近くに感じて、話してしまうのかな。毎回、トラブル続きだけれど、Harukana Showも、そんな場になったらいいなと思います。