Harukana Show Podcast
タテイシさんの夏休みの宿題
Co-hostのタテイシさんは、久しぶりの出演です。7月29日(podcast No.18-2)では、タテイシさんの夏休みの宿題、でした。タテイシさんとは、DIY(Do It Yourself)やZine(フリーペーパー、ミニコミ、リトルプレスなど)に関する話題をトークしてきました。そのタテイシさんが、長年あたためてきた企画のZineを制作し、きょうと小冊子セッションに応募する、締切は8月末、とのこと。果たして、この1ヶ月で作品は出来上がったのでしょうか。
『DIY TRIP SEATTLE & PORTLAND:
手作り印刷物とDIY精神をめぐる旅~シアトル・ポートランド編』
2007年にタテイシさんが、アメリカのDIYをめぐる活動をこの目で見て触ってみようと、SeattleとPortlandをめぐったときの探訪記です。お世話になったアメリカのDIYの組織や関係者の皆さんに、出来上がった小冊子を送って、手に取ったときに分かりやすいように、タイトルの最初が英語になっています。どのページにも、タテイシさんの手による独特のイラストがたっぷり、Skypeで見せてもらっても、楽しさが伝わってきます。
プリントアウトから500部製本までの作業工程
A6版で本文が72頁とカラー頁が8頁、全体で80頁、これに表紙がつき、製本、500部作成します。タテイシさんのお話を伺った範囲で、冊子ができるまで作業工程を簡単にまとめると
①デスクトップ・パブリッシングの編集ソフトを用いて、多数のイラスト入りの原稿をパソコンで作成、A4用紙に4頁分をレイアウト、プリントアウト、本文は18枚の版を作成。
②原稿をコピー屋に持ち込み、リソクラフ印刷、本文は、9枚のA4用紙の原稿を両面印刷、500部つくるために、リソクラフ(昔でいう輪転機)を9000回転させることになります(1回、低価格のお店では2円)。A4用紙4500枚を表裏に印刷し、これをトランクに詰めて、持ち帰ります。
③別の店舗の裁断サービスを利用して、A4用紙(500枚の束が9つ)を半分に裁断し、A5用紙18枚の本文とカラー頁用2枚をページを合わせて20枚、これに印刷を依頼した表紙をつけて、中央を中綴じ製本ができるホッチキスで留めます。
④製本したあと、紙が不揃いにはみ出ていたりしないように、冊子の端を切りそろえます(化粧断ち)。
⑤そして、500部の1〜500のナンバリングをします。
想定外のトラブル続き
パソコンのなかで原稿を作成しプリントアウトしたあとに、500部の冊子を一人で製本するのは、なかなかたいへんな作業です。用意していた中綴じができるホッチキス(90度回転する!)が、表紙の紙が分厚すぎて、内側に20枚の紙を入れた全体を留めることができなかったり、最後の仕上げの化粧断ちのために、滑りどめ付きの金属のものさしを用意したり、1つ1つのプロセスは、想定外のトラブルがついてきます。でも、そこで初めて気づくこと、学ぶこともたくさん。
1つ1つ、ナンバリングされた冊子を、読者に手にとってもらえるのは、インターネットをとおしたデジタルな通信とは、違う味わいです。
①②の行程は終了し、そこからとりあえずは、3部、サンプルを作成し、その1つを、きょうと小冊子セッションの主催者の1つ、ガケ書房に無事に提出(おめでとうございます!)。あと497部は、③〜⑤の作業が残っています。それでも、4年間、少しずつ制作をすすめてきた原稿を、夏の1週間の仕事のお休みを利用して、ようやく作品の形になった冊子を手に、タテイシさんもまた、(まだたくさんの作業が残っているけれど)、じわっとした喜びを噛みしめつつのトークでした。
想定外の学び
タテイシさんのお話を聞きながら、WRFUのラジオ番組制作も、同じだなあ〜と思いました。限られた機材と道具と時間、ない予算、参加者全員ボランティア、トラブルに出会うたびにぐったり疲れ、それでも、そこで、いろいろな人の知恵と技術と思いやりに触れることがあります。ハプニングには想定外の学びがあります。
2011/08/26
No.22-2 August26, 2011タテイシさんの夏の作品、DIY TRIP SEATTLE & PORTLAND
2011年8月26日放送②
23分32秒