春の気に呑み込まれそう
Kyotoでは桜が散り、春の花たちが次々と勢いよく咲いています。4月は例年より気温も高く雨も降ったせいか、新緑もきゅっきゅっと伸びていきます。今週はそんな季節のおしゃべりから始まっています。収録は日本時間の4月15日(水)午後、RyutaさんはOsakaから、MugikoはKyotoから参加しました。
LLMやAIの話題へ
今週のPart1は、植物の話や来週開催されるイリノイマラソンについて、Part2では、Satomiさんのお便りから「LLM(大規模言語モデル)」や「AI(人工知能)」について話題にしています。つづいてPart3では、Tateishiさんの教育現場におけるAIの扱いについての悩みを共有します。今週も盛りだくさん、お楽しみください。
Part1, 春の訪れと花たち、多肉植物、来週はイリノイマラソン
冷蔵庫のお話、中東情勢の生活への影響
先週は家電やトイレの話をしましたが(No. 785)、不安定な中東情勢により、石油由来の製品や原材料の調達がこれからさらに困難になり、温水便座や、ユニットバス、塗料、冷凍用の保存袋など品薄や値上がりするのではないかと懸念されています。
そんななかMugiko宅に新しい冷蔵庫が到着、ついつい、いろいろな食材を買い込んでしまいます。Ryutaさん宅では、冷凍室にはこれまで離乳食をたくさん入れていましたが、最近は大人と同じようなものを食べれるようになったので、作り置きは減りました。冷蔵庫は、そこの家に住まう人の暮らしを直接にうつしだしますね。
春の花たち、多肉植物、鳥が運んだ植物たち
それぞれの場所で、4月はどんな花がを見かけますか。Kyotoでは少し前まで桜、木蓮(マグノリア)、ツバキ、ヤマブキ、最近は、ハナミズキ、フジ、そしてツツジも咲き始めています。若い葉がぐんぐんのびてMugiko宅の小さな庭も、冬に沈黙していた木々から新緑がぐんぐん(音が聞こえそうな勢いで)伸びていきます。
さらにMugikoは、友人から素敵な多肉植物をもらいました。数年前にもいただいたものを屋外に置いていたら、周囲の植木鉢に飛び移り(?)、いつの間にか道端でにまで進出。近所では、鳥が実を運んだのかナンテンやビワの木が育っています。RyutaさんがUrbanaに住んでいた時に、家の前にマルベリーが育って実がなっていたそうです。その植物に、どうしてそこに生えているのかそれぞれの小さな物語を聞くことができたら、面白いだろうなあ。-Mugi

Illinois Race Weekend: April 23 (Thu)-25 (Sat)
3日の日程の詳細はこちらへ。交通規制なども事前にご確認ください。それにしても、レースの種類も様々、1マイルからフルマラソンまで、年齢や希望に応じて、その人に合った走り方を選んで楽しめそう、応援も賑やかなんだろうなあ。
Part2, LLM, AIって何?生活の中でどのように利用していますか?
LLM(大規模言語モデル)を生活の中で利用していますか?-Satomi
U-CのSatomiさんから、こんなメッセージをいただきました。
MugikoさんはLLM(大規模言語モデル)を生活の中で利用されていますか?この学年度も、イリノイ大学ではさまざまなワークショップやレクチャーが開かれたのですが、一年前に比べてLLM、AIについての講義は、確実に増えました。それだけ、多くの人にとって関心のある話題だと思われます。
ふと思いついた質問があれば、最近私は、まずChat GPTやGeminiに聞いています。どんな些細な事、他の人にとってはどうでもいいことでも、いつでも嫌がらずに教えてくれて、ホント大助かりです。それから、時々、(英文の)メール作成時に文法など添削してもらって、ある意味、私の英文編集者になっています。プライバシー情報などの点で、問題はあるのですが、あまりにも便利なので重宝しています。-Satomi
AIは、コミュニケーションツールになる?-Mugi
Mugikoは、日々の暮らしの中で頻繁にはAIは使っていませんが、日本語の文章を英語に抄訳するときに使ってみました。昨年、UCIMC25周年イベントの準備ために、WRFUに関して日本語レポートをAIを使って英語で要点をまとめメンバーと共有、それがきっかけとなって、コミュニケーションがとりやすくなりました。
Kyotoでも、海外からの観光客の様子を見ていると、歩いている時も、飲食店での注文やスーパーの買い物も、まずはスマホで確認。インターネットでの検索やAIを利用した情報収集が、言語の壁を超えて観光を後押ししていると思います。ただ、ルートから外れた道を歩く人は少なく、誘導されたままはもったいないなあとも思います。-Mugi
トークでは、RyutaさんがLLM(大規模言語モデル)とは何かや、AIを利用するときに注意点などについて話しています。
LLMと「生成AI」-Ryuta
いま、私たちが「AI(生成AI)」と呼んで使っているものは、人間の脳のはたらきを参考にした計算方法を使って、機械学習と呼ばれる手法で大量のテキストを学習した統計モデル(なのでLLM/大規模言語モデルと呼びます)をベースに、人間が自然言語で入力した質問やプロンプトを解釈して、それに対する回答を生み出してくれるコンピュータプログラムです。人間のあらゆる知的活動をシミュレートできる「汎用AI」というわけではなく、ある特定の作業を得意とする、特化型の人工知能であると言われます。(使う側としては、なんでも聞いちゃう、ということが多いかもしれないですが……。)
LLMの「知らないこと」
LLMを作成して提供する企業や研究機関は、まず学習対象となる「大量のテキスト」を用意して、学習を行わせる必要があります。その性質上、「素」のLLMには、「大量のテキスト」の収集を切り上げた時点に応じた「最新情報のカットオフポイント」が存在します。
最近は、そのような弱点を補うために、最新情報が求められた場合は「自発的に」サーチエンジンを使って、その結果を要約して回答にする、というような工夫が追加されていることもありますが、いずれにしても、そういう追加機能に対応した生成AIを使っているのか、それとも「素」のLLMを使っているのかは、意識しておいたほうがいいことのひとつかもしれません。(たとえば、「あの博物館、今日は開館してる?」というような質問に対して、正しい答えが返ってこないかもしれない、というようなことなので。) –Ryuta
Part3, 教育とAI、今ある知識の継承にはなるけれど、、、
Satomiさんからのメッセージには、イリノイ大学でもLLMやAIについてたくさんのワークショップやレクチャーが開催されていると記されていました。昨年10月にMugikoが渡米した際も、UIUC図書館では、「AIはZineを作れるか?」といったトークイベントも行われていました(HS No. 770-2)。そこで大学に勤務するTateishiさんにも、AIをどのように使っているのか尋ねてみました。
文字通り悩んでいます-Tateishi
AIですが、まさにこれが最近の悩みの種みたいになっています。文字通り悩んでいます。あまりにも展開が早く、結局どのツールの何を習得すればいいのか考えあぐねているうちに、どんどんと激流のように物事が進んでいく感じです。なので自分はまだほとんどその世界には不勉強なままでいます。
何のために学ぶのか、学ぶ目的って何だったけ?
教育現場にいる以上「何のために学ぶのか」という地点で考え込んでしまいます。そもそも学ぶ目的ってなんだっけ、その学びのプロセスがAIの補助によって、あるいは代替されて、どうなるのか、そしてどうしてもAIにはお金やら資本の論理がどこまでもセットでくっついてくるものなので、本来の学びの目的や意義はどう変わるのか、あれこれと悩みが深まります。-Tateishi

今ある知識の継承の時短にはなるけれど-Ryuta
現在のLLMをベースにした生成AIは、自身が学習したテキストの中にある情報や、学習成果である「言語モデル」を使った既存の文書の要約は得意とする分野です。そのため、企業などでは、これまで内部で蓄積されたさまざまな文書に生成AIを使ってアクセスすることで、知識継承の時短を図ることが可能です。ただ、それらの継承された知識を使って、人間が新しい文書を何も生み出さなかったら、その組織の中で継承される知識は「生成AI以前の時代までに作られた知識」で止まってしまうことになるかもしれません。また、LLMが学習している「大量のテキスト」は、そもそも、これまでの人類史の中で人間が生み出してきたものです。生成AIが生み出したテキストをLLMが学習すると、学習の質が落ちるのではないか、というような懸念も指摘されています。
さらに、現在の生成AIは、プロンプトや質問といった、人間からのはたらきかけに答えるかたちで何かを「生成」します。まったく何も知らない分野のことについて、「生成AIがあるから聞いておいてね」とだけ言われて、必要な知識や情報を引き出すことができる人、というのは、あまりいないのではないでしょうか。これは企業内などでの知識継承にも、大学などでの学びにも共通することなのではないかと思います。– Ryuta

要領悪く学ぶ楽しみ、人と話す偶然-Mugi
LLMやAIについて話をする中で、AIによる知識の継承が情報の「ひきこもり」になったり、ハルシネーションの再生産が新たなリアリティが生みだしたりしているのかもしれない、と想像して空恐ろしくなりました。どんな学びも、紙の本から学ぶのも過去の知識の継承ですが、AIに依存することで学びのプロセスが奪われたり、「学び方」や思考まで「誘導」されそう。そんな時代だからこそ、要領悪く学習するプロセスを楽しみ、人と話す偶然を大切にしたいなと思います。-Mugi
◼️Hayley Westenra 「ハナミズキ」◼️ Claude François「Magnolias for ever」
