U-Cのイベントは誰が運営しているのだろう
それぞれの場所でいかがお過ごしですか。Kyoto各地を会場にした1ヶ月にわたる国際写真祭が5月17日に閉幕しました。ボランティアスタッフのTateishiにHSでお話を伺ううちに、U-Cの様々なイベントは誰が運営しているのか気になってきました。今週はそんな話題にもふれながらトークをしました。収録は日本時間の5月20日(水)午後、RyutaさんはTokyoから、MugikoはKyotoから参加しました。
Part1では、初夏の「衣替え」やU-CのFarmers Marketついて、Part2ではTateishiさんから届いた今年のKGふりかえりメッセージを紹介し、またKGが意図する「国際」の意味について考えます。そしてPart3では、Champaign Countyでアートフェスなどを主催する40 Northの「地元」をつなぐ活動に注目しています。
Part1, 「衣替え」、U-Cの2つのFarmers Market、Memorial Day
Memorial Dayが終わると、そろそろ夏休み
今週は日本各地、気温の高低差が大きく体が慣れません。U-Cも今年の5月は、日によっては最高気温が30℃近くまで上がりました。Mugikoは今週は冬服を洗濯し、夏服と入れ替えました。英語でもspring cleaningというように、春に家の大掃除をして不要な冬服を処分することはあるようです。今週は、そんな「衣替え」の話題から始まりました*。アメリカでは5月最後の月曜日はMemorial Day (戦没将兵追悼記念日) 、子どもたちの学校ももうすぐ夏休みですね。
*白洋舎「衣替えはいつする?手順やポイントを解説」2026/03/16公開
U-CのFarmers Marketの組み合わせとそれぞれの運営組織
U-Cのダウンタウンでは大小のFarmers Marketがうまく組み合わされています。土曜日の午前中(7am-noon)に開催されるUrbana Market at the Squareは歴史が古く(1979年から)*、現在はCity of Urbanaが運営しています。
一方、Champaign Farmers Marketは、火曜日の午後(3pm-6pm)に開催され、NPOのThe Land Connection(TLC)**が運営しています。TLCは2001年にEvanston(IL)に設立され、農地保全と農家育成のプログラムなどを展開し、 拠点をSidney、Bloomingtonと移し、2013年にChampaignに移転しました。その後、ダウンタウンChampaignでFarmers Marketが始まりました。TLCはUrbanaのLincoln Square MallのWinter Farmers Marketも運営しています。
*Community Development Services Department “Market at the Square” City of Urbana Illinois. ** The Land Connection ” WHAT WE DO“.
WIC & Senior FMNP、SNAP/LINKー国や州の栄養補助プログラム
この2つのFarmers Marketは、生産者と消費者の顔が見える場であるだけでなく、国や州の栄養補助プログラムとも有機的にリンクしています。先週のHS(No. 791)で話題にしたように、LINKカードを利用した低所得者層の栄養補助プログラム(SNAP)が実施され、またWIC (Women, Infant, and Children)& Senior FMNP(Famers Market Nutrition Program)も利用できます*。-Mugi
*TLC “WIC & SENIOR FMNP MATCH INCENTIVE PROGRAM“, Market at the Square ” LINK & WIC.“
Part2, TateishiさんとKG2026. 東日本大震災と原発事故とKGの始まり
洗練された非日常空間に佇み作品と向き合う人々を見守る-Tateishi
今年もKYOTOGRAPHIE(4月18日-5月17日)が無事に閉幕し、この一ヶ月があっという間に過ぎていきました。結果的に私は合計9日間、7つの会場でサポートスタッフを担当させていただき、今年も心から楽しんでボランティアをさせてもらいました。その立場で知り得たことを細かくお話することができないのでもどかしいですが、展示会場そのものの洗練された非日常の空間に身を置いて、作品と向き合うさまざまな人々の様子を見守り、彼らが行き交う場所にたたずむことの面白さをかみしめていました。
空き時間に近所のKG+へ、作家さんとの会話
休みの日はどうしてもボランティア活動を優先したくなるので、空いた時間に近所のKG+の展示を探して観に行くことになるのですが、会場にいる作家さんと話すときには、KGのボランティアスタッフであることを伝えると話しやすくなるので、気後れしやすい私には都合がいいです。
ボランティアスタッフカードへスタンプ、特典でトートバック
KGではボランティアに入るたびにスタッフカードへスタンプが押されて、その数に応じていろんなプレゼントがもらえます。毎年メイン展示の作品をあしらった、いろんな種類のトートバッグが制作されて物販コーナーで販売されているのですが、スタンプが貯まったスタッフはそのうち好きな1つを特典でもらえることになっています。なのでお客さんが買って持ち歩いている今年のデザインのトートバッグをいろいろ活動中に眺めつつ、自分は何をもらおうかあれこれ思い巡らすのも楽しみのひとつです。(今年は京都文化博物館が会場だった、リンダー・スターリングのトートバッグを選びました)
展示会場でスタッフとのコミュニケーション、日本人と欧米人の違い?
話がそれますが、たまたま会期中に、Twitter(X)で、日本人と欧米人の意識の違いについての投稿を目にしました。日本人は海外旅行先で商店などを利用するときに無言で入ってきて、それが実は現地の人にとっては違和感を覚えるという旨の内容で、そこは自分にも思い当たる部分があったので、今回のKGでの活動ではそこを意識するようになりました。たしかに外国人のお客さんの多くは、展示会場の片隅で座っているだけのサポートスタッフである私にたいしても、積極的に目をあわせて会釈や軽い挨拶などをすることに改めて気付かされ、でもそれでも自分の場合は普段ここまでしっかり会釈したりはしないなぁと逡巡し、この感覚の違いは面白いなと思った次第です。-Tateishi
緊張を和ます立ち位置、コミュニケーションスキル
例えばU-Cでは商店や展示会で人と目が合った時など、どうするのだろう。Ryutaさん曰く、「年齢やジェンダーだけでなく肌の色や体格によって気の使い方が違いますが、目をそらしたり黙り込んでしまうのではなく、時には鼻歌(ヒップホップというよりあえてクラッシックを選んだり)を歌ったりして気をつかうこともあるようです。」
アートと場と人をつなぐスタッフたち-「EDGE」が示唆するもの
Mugikoはこの1ヶ月、外出の際、常にKGのMapを持ち歩き、さまざまな展示を楽しみました。それぞれの会場におられるボランティアスタッフさんたちは、年齢もジェンダーも立ち位置も違うけれど、同じ場所にいることのふわっとした安心感があり、アートを身近に繋いでくれるような気がします。KG+の会場はこぢんまりしていて、関係者の方と直接にいろいろなお話ができ楽しかったです。今年のKGのテーマは「EDGE」、それは相入れない断絶だけではなく、そこから何かが繋がる可能性を、この写真祭全体が示唆しているのかなと思いました。-Mugi
KYOTOGRAHIEの「国際」の意味、なぜ写真で京都なのか
さまざな会場に足を運ぶなかで、KYOTOGRAHIEの「国際」にはどんな意味が込められているのか、なぜ「京都」なのか気になってきました。KG2017のサイトに、KGを発案・創設されたルシール・レイボーズさん(写真家)と仲西祐介さん(照明家)へのインタビューが掲載されていました。「SPECIAL INTERVIEW ルシール・レイボーズ&仲西祐介」KYOTOGRAPHIE2017概要内。
東日本大震災・原発事故、東京一極集中、情報操作への危機感
そこでYusukeさんが、「2011年に東日本大震災が発生し、原発事故が起きたときに、東京の一極集中化の危うさを実感しました」と語られていました。「情報操作が行われ隠されていることを決定的に自覚し、現状をなんとかしなくちゃいけないと思い、自分たちのメディアを持とう」と思い、「写真は起きていることをダイレクトに伝える力がある」から写真祭を立ち上げようと考えたと記されていました。
Kyotoから日本の文化、建築、伝統・最先端技術を直接海外に発信
また、「東京を経由せず、京都から直接海外に発信すること」にも重きをおいたと記されています。Kyotoはもともと海外からも注目される場所であり、「写真だけじゃなく、日本の文化や建築の素晴らしさ、伝統工芸の技術や美意識、最先端技術を、フェスティバルを通していろんなものを同時に海外に発信できる」と。
Harukana Showの始まりと「声とことば」とKGの「写真」
このインタビュー記事を読みながらMugikoは、Harukana Showの始まりもそうやったなあ、と思いました。2011年3月にMugikoはU-Cにいて、特に原発事故について情報が国内では操作されているのではないかという不安を感じていました(HS No. 781-1, 「東日本大震災から15年、あの時U-Cで」)。
語りに刻まれる風景とプラットフォーム
2011年4月1日に、U-Cのコミュニティラジオ局で日米をオンラインでつないだ日本語番組を開始したのも、それぞれ場所での人々の暮らし、人生の中で語られることばの中に、その時、起きていることの風景が刻まれていくのではないかと思ったからです。そのアーカイブが、いつか振り返ってみれば、たくさんの足跡と記録のプラットフォームとなるだろうと考えました。HSの第1回の出演者のTateishiさんが、その15年後のHSでKGの面白さを伝えてくれる。「有難い」ことだなあ。-Mugi
Part3, 40 North- Champaign County Art Council
40 North(NPO):Champaign 郡の多様なアート活動をプロデュース
Champaign Countyにも、様々なアート活動を支援する40 Northという団体があります。2001年に地域住民が集まり、Champaignのアートや育て守る包括的な組織が必要だと考え議論を重ね、2002年に「地元のアートコミュニティに関する情報を発信し、アートや文化、教育を支援するアーツカウンシル」を発足させました。
Boneyard Arts Festival:地域に90を超す会場で多彩なアート展示
毎年、春に開催されるBoneyard Arts Festivalは、U-Cを中心にしたCounty内での90を超える場所を会場に、アート展示が行われます。劇場やミュージアム、図書館に限らず、カフェや小売店など様々な場所が会場になります。アートの種類も、絵画、写真、彫刻、陶芸、テキスタイル(織物)、ガラス、廃材を組み合わせたユニークな作品など様々です。アートと人と場所とビジネスもつなぎます。
Friday Night Live:Champaignのダウンタウンで毎週、屋外音楽ライブ
また40 Northのイベントでは、見る、触るアートだけでなく、音楽、演劇、ダンスなどのパフォーマンスを行うアーティストも数多く活動しています。5月末から8月にはダウンタウン Champaignで、「Friday Night Live」が毎金曜日に行われます(6pm-9pm)。2026年は5月29日が初回です。昨年整備されたDown Town Plazaを含む4つの場所でライブが行われます。Urbanaでも毎年、8月の初めに「Crystal Lake Park Art Fair」が開催されています。
Champaign Countyの地元の「にぎわいの創出」
40 Northは、行政や企業と連携し、様々なイベントを企画・運営し、KYOTOGRAHIEと共通点が多くありますが、「地元」のアートを包括的に育てるという方針は、国際的な発信を意図するKGとは方向性が異なります。KGの話題を通して、改めて40Northの活動の特性に気づかされました。Ryutaさんが、40 Northの活動を、日本語でいうところの「町おこし」や「にぎわいの創出」と表現されていました。まさに、そうですね。-Mugi
◼️平井堅「写真」◼️Kiroro 「フォトグラフ」◼️Marcel Amont「La photographie」