日本各地で梅雨明け
今週のHSの収録は、日本時間の2026年7月8日(水)午後2時頃です。RyutaさんはTokyoから、MugikoはKyotoから参加しました。この日、関西では梅雨明け宣言、Kyotoでは最高気温が35℃に達し、祇園祭もこれから賑やか、いよいよ、本格的な夏です。

第14回GISシリーズ後半 with Wataru-san
Part1 & 2では、先週に続き、GISシリーズ No.14の後半をお届けします。MarylandからWataruさんとのトークは、現地の6月28日夜に収録しました。GISシリーズNo. 14-1は、先週のHS No. 797をご覧ください。
Wataruさんは、メリーランド州、ソールズベリー大学に就職して2年が過ぎようとしています。教育においても、研究においても生成AIが急速に展開するなかで、Wataruさんは学生の問題意識と社会とのつながりを大切にした実践的な教育を行っています。では、学生たちは実際にどんな研究、学会等の発表を行なっているのでしょうか。GISシリーズNo. 14の後半の内容について、Wataruさんに文章にもまとめていただきました。
Part1, GISを活用した多様な学生の研究と異分野・地域連携 with Wataru
Part2, 学生への支援体制とネットワーク構築 with Wataru
学生を連れて4つの学会へ
個人的に、2年目は指導学生の研究発表サポートに注力し、4つの学会で奮闘しました。昨年11月にメリーランド州内でおこなわれたアメリカ地理学会の地方支部大会(中大西洋支部:Middle Atlantic Division)、 今年3月のサンフランシスコでおこなわれたアメリカ地理学会の全国大会 、4月に学内でおこなわれた学生研究発表会、6月に行われたGIS向け大学連盟の年次大会でのべ8件の学生発表をサポートしました。
多様な研究テーマ、社会問題と空間的思考の掛け合わせ
学生の研究テーマは、実に多種多様で、大学図書館収蔵の歴史資料活用、地中レーダーによる無標墓地の探知マッピング、ジェントリフィケーション進行状況の可視化、ドローンや360度カメラを用いたデジタルツイン製作、フードバンクへの空間アクセス分析、などです。多岐にわたりますが、どれも前回話した(HS No. 755参照)私が授業で重視している「空間的思考」を意識した取り組みで、各学生が自身の興味や身近な社会問題と空間的思考を掛け合わせて、面白い研究に仕上げて発表していました。うち何件かは、優秀賞として表彰もされ、教員として嬉しい限りです。

UCGIS Symposium, June 15-18, 2026, University of Maryland, Collage Park, MD
周囲と交わりながら興味の赴くままに
これまでも何度か話していますが、GISの面白さのひとつは、その応用の多様性にあります。学生も、普段から感じている身近な疑問や解決したい課題に対して、地理学・GISを専攻する者ならどういうアプローチを取りうるのか、という視点で勉強するとやる気が出るようです。現に私の授業のいくつかは、応用先を意識して教えています。
大学と地方自治体、企業との地域連携機関
また、ソールズベリー大学は、Eastern Shore Regional GIS Cooperativeというデルマーバ半島の地方自治体や零細企業に対してGIS技術支援をおこなう地域連携機関を有していて、多くの学生がインターンとして働く機会があります。そこでの実際のGISの利活用経験から、私のGISの授業での期末プロジェクトのアイデアを思いつく人もいれば、異分野の他の授業で教わったこととGISを組み合わせる人もいて、私も勉強になります。
学内での他学部の教員との交流、共同研究
また、ソールズベリー大学は、少人数教育を売りにした中規模大学なこともあって他学部の教員との交流も盛んで、先に挙げた図書館の所蔵資料活用研究は、歴史学科の先生との共同研究だったりします。引き続き周囲と交流しながら学生が活躍できる場を提供し、私自身も成長していきたいなと思っています。-Wataru

UCGIS Symposium, June 15-18, 2026, University of Maryland, Collage Park, MD
学会支部運営側としても、今後もGIS研究を展開
WataruさんとのGISシリーズNo.14、いかがでしたか。学生たちはオフィスアワーなども大いに活用して、独自の地図作りの発想を得ていくのだろうなあ。なお、Wataruさんは、今年7月からアメリカ地理学会の中大西洋支部の副理事として学会の運営に携わっていく予定です。GISシリーズトーク、これからも広く展開しそうです。続くPart3では、WataruさんとのGISトークを聴いて、RyutaさんとMugikoがこんな地図ができるだろうかとおしゃべりしています。-Mugi
Part3, GISトークから多様な地図作りを想像してみる-Ryuta, Mugiko
例えば、ツキノワグマ出没案件の地図
例えば、現在の日本各地でツキノワグマが住宅地にも出没しています。Ryutaさんは、自治体が注意喚起のために作る目撃情報だけでなく(ex. 京都府「ツキノワグマ出没マップ」)、熊の行動範囲を知るために「同じ熊かどうか」という情報や、鉄道や主要道路など人間の生活圏(Living space)との位置関係を落とし込む必要がありますね、と話しています。人間の視点だけでなく、熊の視点から見た生息域や植物、気候や時間軸などを重ね合わせることで、「見えないことが見える化」するかもしれませんね。-Mugi
例えば、W杯の諸問題の地図
例えば、サッカーのW杯、トランプ大統領の前代未聞の介入問題が注目されましたが、FIFAやW杯についてどんな地図作りが可能だろうか。そんな話をし始めたところで、今週はお時間となりました。皆さんからのGIS地図のアイディア、ぜひお寄せください。-Mugi
◼️小沢健二「ぼくらが旅に出る理由」◼️ハンバートハンバート「笑ったり転んだり」