No. 802-2, Aug. 7, 2026, WataruさんとKyotoで「初対面」、HSのGISシリーズの軌跡、UCIMCでデータセンターに抗うワークショップ

Part2, 不思議な「初対面」、UCIMCでアートワークショップ

8月の最初の月曜日、日本に一時帰国しているWataruさんが、KyotoのMugiko宅を訪問、京都大学の修士課程で学ぶRen(佐々木蓮)さんも一緒です。そしてOsakaからRyutaさんも駆けつけてくれました。

WataruさんとRyutaさんの感動の(?)初対面

WataruさんのHS初出演は、イリノイ大学地理学専攻の博士課程1年目でした(No. 429-1 & No. 429-2, July 7, 2019)。当時はラジオ局スタジオからの生放送で、Tomさんが機材を担当し、Mugikoがホストを務めました。これが現在の「GIS( Geographic Information Science)シリーズ」の始まりです。その後、Wataruさんがゲストを紹介する回を含め、最新のNo. 14(No. 798, June 10, 2026)まで7年も続いています。コロナ禍の2020年以降、HSはオンラインでの事前収録へと移行し、Ryutaさんが毎回、機材も担当しています。つまり、WataruさんとRyutaさんは番組を通じて10数回は、「画面越し」にお互いの顔を見ながら話をしてきたわけです。ところが驚くことに、対面で(全身を見ながら)出会うのは、この日が初めてだったのです。

今週の番組でRyutaさんに感想を聞くと、「いや〜別に」といつものように静かなお返事。それでも、Wataruさんに会うためにわざわざOsakaからKyotoまで来てくれたのです。Wataruさんが、RenさんとRyutaさん、そしてMugikoをさりげなく繋いでくれたおかげで、4人は数時間、途切れることなくしゃべり、本当に楽しいひとときでした。この続きのお話は、いつかHSでRenさんからも聞かせてもらえたらいいなと思います。

リモートコミュニケーション、オンライン授業ー日米の普及の時間差

日本でオンライン会議や対話が一般に定着したのは、コロナ禍を経験してからです。一方、国土の広いアメリカではそれ以前からリモートによるやりとりが行われていました。イリノイ大学の博士課程に在籍していたRyutaさんが、2011〜2012年頃にワシントン大学セントルイス校の図書館の就職面接を受けた際、第1回の面接はSkypeで行われたそうです。Ryutaさんのお話では、それ以前にも、イリノイ大学ではインディアナ大学と接続したオンライン授業があり、早くから専用の部屋が用意されていました。

現在の日本の大学では、オンラインの活用は以前よりは定着しています。例えばRyutaさんが勤務する大学では、教員が事前に授業を録画しておき、学生がそれを都合のよい時間に視聴できる「オンデマンド授業 (On-demand classes)」が一つの形態として行われています。

「想像のリスナー」という「メディア」

HSは2011年4月に始まりましたが、初回からSkypeを用いて日本とアメリカを繋ぐ形でラジオトークをしていました。HSにとっては、オンラインであろうが、スタジオからの生放送であろうが、生み出される「出会い」のプロセスそのものに大きな違いはないのかもしれません。会えてよかった、じっくり話ができてよかった、何かを伝えられてよかった。そして、またいつか出会えますように、と願う気持ちは、画面越しでも対面でも同じです。また、収録でも生放送でも、リスナーに向かって番組を制作しアーカイブを残し続けているという意味では、そこでは見えない「想像のリスナー」の存在こそが、800回を超えるHSを繋いできた「メディア」なのかもしれません。-Mugi

「GIS EVERYWHERE(どこでもGIS)」ー「研究」「就職」「教育」

8月3日の午後には、京都大学の人間・環境学研究科にて、森岡渉先生(ソールズベリー大学)「GIS EVERYWHERE(どこでもGIS)」という講演会が行われました。Mugikoにも声をかけていただき参加したのですが、大学の授業は夏休みにもかかわらず大学院生を中心に20人あまり集まっていました。Wataruさんは、自身のGISとの出会い、日本での研究活動から、あえて海外へ飛び出しイリノイ大学への留学、そしてアメリカで就職活動や、現在教鞭をとる大学での教育に至るまで、その歩みを一気に語りました。GISをキーワードに「研究」「就活」「教育」についての一連のキャリアの軌跡を学べる貴重な機会となりました。

一般のリスナーへGIS研究の思考と実践の多様性を伝える

MugikoにとってWataruさんのこの講演は、7年間、14回にわたって放送してきた「GISシリーズ」を1時間に凝縮したダイジェスト版を聴いているようでした。HSは、WataruさんがGIS研究を通して学んでいることやその時々の関心を、節目ごとにリスナーにもわかるように丁寧に説明していただいたことを改めて実感しました。このシリーズでは、GISに関わる若き研究者、実践者たちをゲストとして紹介して、この分野が持つ思考と実践の多様な可能性を伝えてくれました。

「現場の課題」とプロセスの可視化・共有

講演会の後には、場所を移して「時間地理学」に関連する研究会も行われました。この講演会と研究会の両方に参加して、GISとは理論やデータ処理の技術とともに、地域や社会の「現場の課題」に取り組むための方法論なのだと感じました。そして、参加者たちとの議論の様子を見て、その取り組みの途中にある「試行錯誤のプロセス」をいかに可視化し人々と共有していくかが重要であると理解しました。Wataruさんを囲んでのHSでのトーク、これからも深く楽しみです。-Mugi

Haruana Show GISシリーズ一覧 □No.429-2, June7, 2019, 「GISは暮らしの現場でこんなに活躍」 GISシリーズNo.1, with M. Wataru-sanNo.451, November15, 2019, 「GIS で墓地ツアー、地図もメディア」GISシリーズ No.2, with M. Wataru-sanNo.459, Jan.10, 2020, 「日本のアニメ、マンガ大好き」「健康地理学って?」GISシリーズ No.3 (前半), with Jeon-Young & M. WataruNo.460 Jan.17 2020 Agent-Based Modelで感染症伝搬の時空間シミレーション, GIS シリーズ No.3(後半)with Jeon-Young and M. Wataru □No.465, Feb.21, 2020,「ランドスケープ・アーキテクチャーを本場で学ぶ」 GISシリーズ No.4(前半), with Yuta & M. Wataru □No.466, Feb.28, 2020, 「防災から減災へ、レジリエンス 、しなやかな回復力」GISシリーズ No.4(後半)with Yuta & M. Wataru □No.478, May22, 2020,GISシリーズNo.5(前半)COVID-19とレジリエンス、公園の可能性 with Yuta & M. Wataru □No.479, May29, 2020, GISシリーズNo.5(後半)COVID-19とレジリエンス、モビリティ with Yuta, M. Wataru, Ryuta □No.483,June26, 2020, GISシリーズ No.6-1,「都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ」 GISとの出会い with Ai-san □No.484,July3, 2020, GISシリーズ No.6-2,「都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ」 開発秘話 with Ai-sanNo.485, July10, 2020, GISシリーズNo.6-3,「都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ」情報は誰のものかwith Ai-san, M. Wataru-san, Ryuta-san □No.507, Dec.11, 2020, GISシリーズNo.7、GIS Dayでポスターセッションwith M. WataruNo.556-2, Nov.19, 2021, 「世界一の地理学者になる!」 with Kenya, GISシリーズNo.8-1No.557, Nov.26, 2021, 地球の全てを記述できる、記述したい世界にする!「APLLO & Re:Earth」with Kenya_GISシリーズNo.8-2No.558-1,Dec.3, 2021, 記述することの政治性、 誰でも記述できる仕組みつくり with Kenya, GISシリーズNo.8-3  □No.586, June 17, 2022, Uni HighでGISワークショップ with Wataru-san, GIS シリーズ No.9(前半)No.588, July 1, 2022, 地域との交流、GIS活用 with GISシリーズ No.9 (後半) □No. 648, Aug. 25, 2023, PhD取得!GISとコロケーション with Wataru, GISシリーズ No.10No. 656, Oct. 20, 2023, LeedsでGIScience学会、健康地理学とPopulation Approach with Wataru, GISシリーズ No.11No. 715, Dec. 6, 2024, 新天地でGIS教育、カルトグラム、ゲリマンダー問題 with Wataru, GISシリーズ No.12-1No. 716, Dec. 13, 2024, スペインで学会発表、ボルチモアでGeography Bowl with Wataru, GISシリーズ No. 12-2No. 722, Jan. 24, 2025, 「大統領令って?」、HiroshimaのKanaさんから「継承し、学び続ける」&GISシリーズからのヒント  □No. 755, Sept. 12, 2025, イリノイといえばトウモロコシ! GISシリーズNo.13-1「空間的思考」について考える with WataruNo. 756-2, Sept. 19, 2025, GISシリーズNo. 13-2, GISの学際性、地図と社会的公正 with WataruNo. 797, July 3, 2026, AI時代のGISと教育 with Wataru, GISシリーズ No. 14-1 □No. 798, July 10, 2026, GIS教育、応用領域の多様性、地域、現場との連携 with Wataru, GISシリーズ No. 14-2

U-Cイベント情報

UCIMCで、巨大データセンターに抗う Art Workshop

UCIMCからWRFUのメンバー宛に、興味深いイベントの案内が届きました。「Champaign Countyにおいて超大型データセンターの建設について議論し、組織化し、これに抵抗するためのコミュニティワークショップ」です。これは現地時間の2026年8月13日(木)6-8.30pmにUCIMCにて開催されます。案内の英語の内容を日本語に抄訳すると、以下のような内容です。

「今回は、アーティスト(画家だけでなく、ミュージシャン、DJ、プロデューサー、WRFUのラジオ担当者などを含む)を主な対象としていますが、関心のある方ならどなたでも参加を歓迎します(要登録*)。データーセンター計画がもたらす問題について知り、市民がどのように連携、発信していけるのかを話し合い、小グループでの議論を経て、フライヤーやZINEの作成、今後の活動計画など、次の具体的なステップを一緒に考えていきます。」

Workshop Details Location: Urbana-Champaign Independent Media Center202 S. Broadway Ave., Urbana, IL 61801Date & Time: Thursday, August 13, 6:00–8:30 PM *Registration is required: http://bit.ly/4fgM5Tb

データセンター建設に対する考えの違い、地域の政治

このワークショップでは、イリノイ大学(UIUC)のComputer Scicenceの大学院生がプレゼンテーションを行います。彼らの研究プロジェクトの一環でもあるようです。またこのワークショップの背景には、生成AIの急速な普及が、創作に携わるアーティストの活動を脅かし、またデータセンター建設による環境への負荷が強く懸念されているという問題があります。また、UCIMCが長年にわたり、社会的な課題に対してアートやメディアの表現を通じて実践的に、草の根で取り組んできたこともこのイベントがUCIMCで行われる土台になっていると思います。

しかし一方で、これからのデータセンター建設の計画が、どのような経済効果をもたらすのか、それに対して行政や企業、大学、労働組合、市民団体、そして地域住民の一人ひとりがどう向き合い、考えるのかは、問題が多岐にわたり複雑です。HSでも少しずつ話題として取り上げていきたいと思います。-Mugi

 

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