No.745, July 4, 2025,「花火」、ガンジーの名言を異なる場所から考える with SKU & Tom

ChampaignからTomさんの出演!

トークの収録は、日本時間2025年7月3日午前、CST7月2日夜、RyutaさんはOsakaから、MugikoはKyotoから、TomさんがChampaignから参加しました。曲入りの番組全体は、WRFU Show Archive、2025-07-04-1800.mp3 (55MB)でお楽しみいただけます。このPodcastには、トークの音声と日本語での翻訳もつけていきます。

独立記念日のイベント

今週のHarukana の放送日、7月4日は、アメリカ独立記念日です。Urbana-Champaignでもさまざまな行事が行われましたが、昨年からは少し変更があったようです*。まず、5Kマラソンはキャンセル、パレードの時間が夕方4時30分から、コースも少し短くなりました。その後、音楽イベントなどが続き、花火は午後9時15分からの開始です。例年より時間と場所が効率よくまとめられたという印象ですが、実際にはどんな様子だったでしょうか。

*Champaign County Freedom Celebration*IPM, June 26, 2025, “What to expect from this year’s Champaign County Freedom Celebration

Part1では、Tomさんの子供の頃の独立記念日についても話を伺いました。1960年代、70年代は、パレードのコースも異なり、スタート地点はUrbanaだったり、また花火の規模もより大きかった、そうです。

Part1, U-Cの独立記念日、Tomさんが幼少期の花火はより盛大だった?

Part2 & 3では、先週に続きガンジーの名言をめぐり、甲南大学「メディア文化論」の受講生の皆さん(SKU)からのメッセージを紹介しました。TomさんからのコメントをRyutaさんが日本語に翻訳するなかで、2人の間で英語でのディスカッションが展開していきます。Podcastの音声のやりとりをぜひお楽しみください。

Part2, ガンジーの名言、Tomさんが選んだSKUメッセージとコメント

「自らば望む世界のありようをまずは自身が率先して体現する」ガンジー

「朝日新聞」の鷲田清一「折々のことば」3298(2024年12月30日)に、「あなたが見たい世界の変化に、まずあなた自身がなりなさい」(マハトマ・ガンジー)が紹介されていました。

祖父であるこのインド独立運動の指導者のもっとも大切な教えはこれだったと、孫のアルンは言う。幼い頃、いじめや嫌がらせに遭い、激しい怒りがこみ上げた時にも、祖父は、その怒りを正しさの証明に使うのではなく、自らが望む世界のありようをまずは自身が率先して体現するよう諭したと。『おじいちゃんが教えてくれた 人として大切なこと』(桜田直美訳)から。

SKUの感想からTomさんが受けた印象ーより内省的な捉え方

このガンジーの名言について、Tomさんは以前、「実際には誰が言ったのかは分からないけれど」と話していました。それでも、「この言葉の解釈には正解があるわけではなく、だからこそ学生たちのさまざまな考えや実践について考える機会になるのではないか」と考え、Tomさんがこの言葉を「メディア文化論」受講生に提示してくれました。

SKUの皆さんから届いたメッセージの多くは、Tomさんにとっては、少し「意外」だったようです。Tomさんが、学生からの届いたメッセージを読んだ感想(英文)はここでは朱色で記し、Mugikoが日本語で要約しています。

“Most of the respondents seem to have used this question as an opportunity to look inwards and reflect about who they are and what they can change about themselves in order to make their world a more positive place.”-Tom「回答者の多くは、この言葉から自身を振り返り、自分が何者であり、何ができるかを内省的に考えているようです。」

例えば、56番さん、63番さん、65番さんのメッセージです。

周囲とのつながりとコミュニケーションの改善への願望

”I wouldn’t go so far as to say that the majority of respondents seem to feel isolated necessarily, but there does seem to be a general feeling that society would be improved through greater understanding and communication, and that their own lives would be positively affected as well.”-Tom

「回答者の多くが孤立していると感じているわけではありませんが、相互理解とより良いコミュニケーションによって、社会は改善していき、自分たちの暮らしにもポジティブな影響を及ぼすと一般的に感じているようです。」

冷酷な世界において、変化をもたらさんとする「奇抜な(本物の)」試み

”One notable exception to this is #13 ’A Ruthless World’. Here the author speaks to what they see as the pointlessness of anyone attempting to improve anything in what they feel to be an uncaring world.” -Tom

「こうした回答のなかで顕著な例外が、13番です。著者は、この冷酷な世界において、何かを改善しようとする行為の無意味さに言及しています。」

他者との関係改善よりも、「変わり者」として己に忠実に自己表現

“Clearly one must feel at least some sense of personal agency before they are able to imagine their own individual efforts effecting change, and this person does seem to feel that this is true as his/her statement appears to be an acknowledgement that personal behavior and attitude does have a discernible effect on the people around you. Yet it would seem that in this case the author feels that it’s more important to be true to their own self-described ‘eccentric’(presumably meaning authentic) self than it would be to try to use that same energy to create a more positive atmosphere around them.I thought that this was an interesting reversal of most of the sentiments expressed in this collection of responses.”-Tom

「この回答者は、少なくとも個人の行動や態度が周囲の人々に影響を与えることを認めていているようです。ただし、周囲をより良い雰囲気にするためにエネルギーを使うというよりは、自身が「変わり者」(おそらく「本物」である)と自己表現すること、自己に忠実であることを優先している点は、他の回答とはかなり違うという印象を受けます。」-抄訳 by Mugi

Part3, Tomさんの解釈、何が主体か、翻訳、文脈による意味のズレ

後半では、RyutaさんがTomさんの上記のコメントを翻訳し、それからTomさん自身が考えるガンジーの言葉の意味を語ります。

“These are all slightly different but equally valid ways of thinking about this question although personally I would interpret ’be the change you want to see in the world’ more as promoting the virtues of praxis over theory.

“There are several other common western phrases like ‘practice what you preach’ and ‘lead by example’, ‘walk your talk’ etc., which extol this same notion, but don’t imply that personal change is necessary.

It is interesting however, to see how people take this idea and use it as an opportunity to think about how they could improve themselves and in so doing, have a positive effect on the world. I certainly don’t think they are in error since self reflection is seldom wasted.”-Tom

「多くの回答はそれぞれが変わることが大事だと考えているようですが、私自身はこの言葉を理屈より実践せよという意味だと解釈しています。英語でも、有言実行、やって見せよに類する格言はいろいろありますが、どれも、個人が変わるという含みはありません。それでも、多くの回答者がこの言葉を自分自身を改善する機会ととらえ、それによって世界にポジティブな影響を与えると考えたのは、興味深く、誤りではないと思います。自己反省は決して無駄にはなりません。」抄訳-Mugi

日本の社会問題への言及が少ないのはなぜ?

Tomさんはトークの中で、「日本にも、経済格差や高齢者問題、災害などさまざまな社会問題があると思いますが、今回寄せられたメッセージには、それらに言及したものほとんどなく、クラブ活動やバイト先の人との関わり方に言及したものが多かったです。”To be the change you want to see in the world”という言葉自体は、例えば、目の前に食糧不足の問題があれば、なんとか食べ物を調達しようとするような、より実践的な意味だと思うのですが」と語っています。

世界の「変化を生み出す主体」は誰か-Ryuta

Tomさんと学生の解釈の捉え方の違いについて、Ryutaさんは2点について言及しています。1つは、「変化を生み出す主体は誰か」という問題、もう1点は、ガンジーの名言を日本語に訳したときの解釈のずれについてです

Tomさんは、行動を起こし社会を動かすのは、「個人」、一人ひとりだと解釈しています。Ryutaさんは、「学生たちはむしろ、世界が変化をもたらし、その変化に接する一人ひとりが人との関わり方を内面的に変化させ、変化の主体が『世界』だと感じているのではないか」と述べます。

自転し公転する地球においても、人が作り出す「社会」-Tom

TomさんはRyutaさんの話を聞きながら、興味深いアナロジーを出し、次のように語っています。「世界(world)とはいっても、異なるレベルがあります。地球は自転し太陽の周りを公転するという動きは、人には変えることができません。でも、社会で起きている多くの状況は、人が作り出し、変えていくことができます。実際に世界は複雑でさまざまな力が作用していますが、そうした世界・社会に存在し接することによって、私たちは一人ひとりが何かを感じ、そこから発想をえて、行動に起こすことができるのです。」

翻訳と解釈の難しさ-Ryuta

Ryutaさんはまた、翻訳とその解釈の難しさについても語っています。「『あなたが見たい世界の変化に、まずあなた自身がなりなさい』という日本語訳においては、Be the changeが、その世界の中で個人が変わるという意味に解釈されやすく、元の英語においては、変化を生み出す主体になりなさい、という意味に解釈されやすい。2つの言語表現のあいだでズレが生じているのではないでしょうか」とRyutaさんは指摘しています。

これを聞いて、Tomさんが、「なるほど、それで回答の多くが、英語の原文の解釈とは違うとらえ方になっていたのかもしれない。そもそも、”Be the change you wan to see in the world” という表現自体が、英語としてはわかりにくいですね」と話していました。-まとめby Mugi

この複雑な世界において、誰が「社会」を形作るのか

Tomさんが話した一見、突飛なアナロジー、「地球の自転と公転」の話のおかげで、ガンジーのこの言葉が、宇宙の普遍についての哲学ではなく、人間が作り出す社会に対する個々人の姿勢、自分が存在し接する世界との関わり方への問いかけなのだろうと、考えることができました。-Mugi

翻訳と解釈、名言が流通する文脈-Mugi

また、Ryutaさんが、翻訳による解釈のずれについて指摘されたことにも、ハッとしました。SKUの皆さんのたくさんのメッセージとTateishiさんやTomさんからのコメントを、そもそものガンジーの言葉が名言として流通する様々な文脈からとらえなおしてみると、比較文化論的に面白いかもしれません。

今回も、甲南大学のメディア文化論の皆さんからの率直なメッセージ、ありがとうございます。そしてPodcastへの掲載を快諾していただき、心より感謝申し上げます-Mugi

◼️TUBE「花火」◼️石塚徹「花火」◼️近藤花「花火」*今週は「花火」曲を連発。

 

 

 

 

 

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