No. 764, Nov. 14, 2025, ChampaignでAurora!? Interview with Danielle(2)UC WiN-ワイヤレス・メッシュネットワークの開発

Champaignにオーロラが!

今週のU-Cは寒暖の差が激しく、週の始めは気温が氷点下に下がり、雪も少し積もりました。火曜日から水曜日にかけての夜には、Champaignでオーロラが見えたそうです。WRFUのStuartさんが、写真を送ってくれました。ありがとうございます。美しい。

Aurora @ Champaign, Nov. 11, 2025 photo by Stuart

UCIMCとソーシャルエッジの応用

今週のHSは、10月28日に収録したDanielleさんへのイタンビュー2回目です。Part1では、先週お届けした第1話「UCIMCとは何か」(HS No. 763-2)についての補足です。「自然において湖と草原といった異なるものが接する環境に豊かに生物が生息するように、UCIMCもセンターを活用した諸活動が接しやすいように設計されています。一階の広いホールは、ステージや複数のイベントが行われるスペースがありますが、敷居はありません。UCIMCに何らかの目的で来た人が他の活動にも触れ、センターのいろいろな活動にも関心を持ってもらえればと考えられた構造です。」

どうやって境界を越えるのか

こうしたDanielleさんの説明を聞いてMugikoは、「相互が接するエッジは多様性を育む可能性とともに、対立や衝突を招く難しさもあるのではないでしょうか」と問いかけます。これに応えて、今回のDanielleさんのお話が始まります。Ryutaさんが続いて、この英語トークの概要を日本語で説明しています。

Part1, 突然冬のUC!多様性が接する難しさ、UCIMCは大きな庭-Danielle

多様な活動、個人をどうつなぐか、コミュニケーションの難しさ

この点が実は現在のUCIMCでも大きな課題となっています。UCIMCには様々な団体が関わっていますが、もともとそれぞれが自律した組織であり活動を営んでいます。UCIMCを設立した当時は、毎週、Sporks Councilを開いてその時々の問題を話し合っていました。しかし、現在は、連携するグループがUCIMCの運営組織である理事会(Bord)に代表を送り、予算配分などの計画を決定します。しかし、そこで各グループの情報共有や協働が生まれるわけではありません。例えば、今回の25周年記念イベントの様子は、事前の番組調整ができずWRFUで生放送・配信ができませんでした。Public iが制作したニュースがUCIMCのウェブサイト上や諸団体をとおして拡散されていなかったりします。

UCIMCは大きなガーデン、新しいアイディアを植えるスペース

また、それぞれのグループによって、その活動を外部にどのように開いていくか、他の団体との協働を望んでいるかは一様ではありません。例えば、Maker SpaceはRepair Cafeなどの取り組みによって会員以外の人も利用しやすくしています。Bike Projectもオープン・アワーを設けています。各団体がそれぞれの開き方で利用者と接しています。Public iは、ニュースを取材・執筆し印刷物として発行していますが、参加の入り口としては記事の執筆から始まる。しかし、Puclic iが、IMCのジャーナリズムの活動を代表、独占しているわけではありません。Public iの活動では、対話的なオンラインジャーナリズに馴染まないと感じる人がいれば、IMCを利用した新たな活動を立ち上げればよいのです。IMCは「大きなガーデン」のようなものです。そこには既に多くのものが育っていますが、新しいアイディアを植えるスペースはいつでもあります。-Danielle (抄訳by Mugi)

Part2, CU WiN-ワイヤレス・メッシュネットワークの開発-Danielle

Part3, 21世紀初頭の革新的な取り組み、高度な技術の民主化-Ryuta

UCIMCと地域の情報インフラ整備

UCIMCは、センターの建物を拠点に多様な団体や個人をつなぎ活動を展開するだけでなく、UC2B(Urbana Champaign Big Broadband)に関わり、U-C両市や大学に協力して、地域のブロードバンド化の推進にも貢献してきました。UC2Bについては、10月24日のHS No. 761で話題にし、Ryutaさんに解説をしていただきました。

UCIMCが独自に開発したCUWiN

UCIMCは2002年にすでに、CUWiN(Champaign Urbana Wireless Network)を立ち上げ、オープンソースメッシュネットワークソフトウェアを開発し、ワイヤレスインターネットの利用を可能にしました。今回は、このCUWiNについて、Danielleさんからお話を伺いました。

テクノロジー利用の民主化

CU Wirelessは、インターネットアクセスを大学に接続されていない地域でも一般市民が利用できるまでに拡大し、民主的なメディアの消費と生産を可能にすることをめざしました。21世紀の初めには、インターネットは今よりもずっと高価でした。また、メディアは5つの巨大企業に支配され、反戦運動など企業が利益を得られない情報は届けられないという問題が生じていました。私たちは、メディアとテクノロジーを誰でもが利用できる民主化を試みました。

ポテトチップスの缶をアンテナに、ワイヤレス・メッシュネットワーク開発

UCIMCは当時、Main Streetの印刷所の建物を借りていました。CU Wirelessは、IMCに引き込んだインターネットを自分たちで組み立てた屋上アンテナを立てて共有しました。内側にアルミ箔が貼られたプリングルスのポテトチップスの缶をアンテナとして使って(Cantena: Can+Antena)、信号を隣の家に飛ばす実験をしました。さらに、ワイヤレス・メッシュネットワークを開発しました。これはHub and Spokeとは異なり、どこかのネットワークがダウンしても自己修復し、通信を継続できるシステムです。

U-Cや近隣地域やアメリカ国内、南アフリカでの利用

UCWiNは、こうして世界初のオープンソースで無料のワイヤレス・メッシュネットワークを開発し、その技術はU-Cのダウンタウンや、公立図書館、近隣のHomerだけでなく、その仕組みやアメリカの南西部や南アフリカでも利用されました。有線接続は非常に高価で地面を掘る必要があったため、より手頃な方法としてワイヤレスが選ばれ、より多くの人がインターネットを利用することができるようになったのです。

オバマ政権のデジダルデバイド解消助成金、UC2Bのハードワイヤー構築

IMCのメンバーは、教師、ソーシャルワーカ、アーティスト、そしてウェブサイト制作などの仕事に携わっている人もいました。そうした技術的知識が、CU Wirelessプロジェクトの基盤となりました。やがてオバマ政権下でデジタルデイバイドの解消のために、国から巨額の助成金が投入されるようになりました。IMCは大学と協力して、ハードワイヤー(地中での有線インフラ)を構築するための助成金を獲得して、UC2Bが進められました。

UC2Bは公共サービスから民間企業i3ブロードバンドへ売却

CUWiNは役割を終え、その後、地域はUC2Bをとおして広くブロードバンド化が進められました。UC2Bはもともと市が所有していました。ところが、行政は民間企業への委託を選びました。その方が早く建設を進めることができると考えたのです。このことを知らされていなかったので、私たちは長い間とても憤慨していました。最終的にこのプロジェクトを買収したのは、コムキャストやAT&Tなど大手企業ではなく、i3ブロードバンドという中小企業でした。彼らのサービスは、大手企業に比して安価で利用できます。

UCIMCは、その時代の最新の課題に対応しており、電力喪失時にも通信を維持できるようなソーラーパワーのワイヤレス基地局(solar-powered wireless nodes)の開発も行っています。-Danielle(抄訳-Mugi)

Brian Duggan “Volunteers Bring Open WiFi Network to Detroit”, Public i, 01/27/2011, https://publici.ucimc.org/2011/01/volunteers-bring-open-wifi-network-to-detroit/

20年前にメッシュネットワークをボランティアで実現、画期的!-Ryuta

UCワイヤレスは、IMCの活動のなかでも地域に影響を与えた特に画期的な活動でした。2000年代初頭、インターネット接続は有線が主流で普及率も高くありませんでした。CUワイヤレスは、インターネットの回線が届いた場所から各家の末端利用者へ電波を配分するための仕組みを実現。メッシュネットワークは、複数の網の目(メッシュ)状に繋がっているため、どこか一箇所が壊れても別の経路から電波が届き、通信が維持できるという「自己修復性」を持つ技術です。そのためには、ハードウェアとソフトウェアの両方の開発が必要です。これをボランティアベースで20年前にフリーで実現したことは、「ものすごい」ことです。

ウェブサイトのホスティングサービス、情報発信の民主化

IMCはまた、地域の諸活動をサポートするため、ウェブサイトのホステティングを安価に提供する活動も行っていました。インターネットが利用できるだけでなく、情報発信の民主的な手段を持つことが重要だという考えに基づいています。-Ryuta

UCIMCの活動は、今、テクノロジーとして何が必要かを見極め、それを自分たちで作り(DIY)、共有し、人が使えるようにしていく「人材の育成」に今日もチャレンジしています。-Mugi

Aurora @ Champaign, Nov. 11, 2025 photo by Stuart

◼️HAIM「エッジ」◼️伊藤賢治「オーロラ」◼️栗コーダーカルテット「テクノロジー再生計画」

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