U-CもTokyoも、ようやく、いきなり秋
今週はUCIMC25周年イベントに参加するために、MugikoはU-Cにやって来ました。5年10ヶ月ぶりです!まだ暖かいと思っていたら、放送・配信日の10月24日の最低気温は0℃に!日中は15℃前後です。
HSの収録は、日本時間2025年10月23日(水)14時頃に行いました。RyutaさんはTokyoから、MugikoはUrbanaから参加しました。この日は、RyutaさんによるとTokyoも冷えて、最高気温は12℃、ようやく、秋ですね。

秋の始まり@Urbana, 20 Oct. 2025
豊田市足助町のDonchanさんから能登半島での災害復興のボランティアについてのメッセージが届きました。Part1でお届けします。
Part2では、久しぶりのU-C滞在の感想と、秋学期最初のAsiaLENSの上映会「BlackBox Diaries」について話しています。Part3では、UCIMC設立25年を記念して、今回は「地域」に焦点を当て、UCIMCが関わったUC2B (Urbana-Champaign Big Broadband )プロジェクトについて紹介しています。
U-Cに到着してすぐChampaignのダウンタウンを散歩してみました。日曜日だというのに人が少なく閑散としていて驚きました。海外からの観光客でにぎわうKyotoから来たせいもあるかもしれません。月曜日から大学やUCIMCや図書館で開催されたイベントを見学、いろいろな方と再会しました。そんな話も盛りだくさんに入っています。-Mugi
Part1, 「おらっちゃ七尾」ボランティ活動、初のグループリーダー by Donchan
Donchanさんには、この夏、地元足助町での地域活動と、能登半島での地震(2024年1月)・豪雨(2024年9月)の災害後の支援ボランティアのお話を3回にわたって伺いました(HS No. 747, No, 748, No.749)。今回は、その後の活動レポートです。

能登・「おらっちゃ七尾」のボランティア活動便り-Donachan
9月20日と10月11日〜
地元の方々とのコミュニケーション
3日間の活動でとても印象に残っている言葉があります。10月11日の活動中、
ボランティアのニーズ
現在、七尾市は公費解体のスピードをあげています。
さまざまな災害についてその直後にはたくさんの報道がされるけれども、その後の現場の様子を知ることは容易ではありません。Donchanさん、貴重なレポートをありがとうございます。-Mugi

Part 2, Asian LENS Series, 伊藤詩織監督『Black Box Diaries』
10月20日(月)は、Urbanaのダウンタウンのホテルにチェックインして大急ぎでSpurlock Museumへ駆け込みました。伊藤詩織監督『Black Box Diaries』(2024)の上映が始まったところでした。世界各地で上映され数々の賞を受賞しているけれど、日本ではまだ公開されていません。伊藤詩織さん自身が受けた性暴力の被害を告訴するプロセスが、自身にカメラを向けて克明に描かれています。日本社会に深くに根ざす性差別やそれを訴えることがどれほど困難なことか、見る人の心に突き刺すように伝わってきます。番組では、U-C在住のSatomiさんから届いた映画の感想を読ませていただきました。-Mugi

Black Box Diaries @ AsiaLENS, 20 Oct 2025
Satomiさんからの感想、日本社会の闇の深さ、ドキュメンターとしての公平性
Black Box Diariesの映画は、私が期待していた以上にさまざまなことについて考えさせられたドキュメンタリー映画でした。この映画に関しては、性暴力が発端だったということ以外はほとんど知らなかったのですが、実際に鑑賞して、日本社会の闇の深さというか問題点を次から次に露呈しているところに、惹きつけられました。一方で、ご本人も仰っていたけれど、自分が被害者で且つこの映画の主人公、そして映画監督でありジャーナリストでもある、となると、ドキュメンタリーとしてどこまで公平性が保たれたのだろうか、と考えさせられることもありました。
でも、自分に起きた不運な出来事をきっかけに、がっかりさせられたことも多くあっただろうに、本を書こう、ドキュメンタリーも制作しよう、と奮起して見事に達成、今では米国で映画上映ツアーを実行する行動力、上映の後には素晴らしい英語力でQ&Aまでこなしてしまう、といった伊藤詩織さんのあふれた才能、そして彼女の逞しさにいちばん感動しました。映画の一日も早い日本での公開を切に願っています。-Satomi
『Black Box Diaries』を見たときにMugikoは、作品が発する、「問題」を伝えようとする強い意志に圧倒されました。同時に、その「問題」に巻き込まれるさまざまな人々と伊藤さんとの関係をも映像に取り込み、ドキュメンタリー「作品」を制作することの難しさを想像して重い気持ちになりました。たくさんの事実と解釈の中で、作品をとおして何を誰にどう伝えるのか、その選択を異なる立場の関係者にどう説明しうるのだろうか。この映画を観ることができたからこそ、”Block Box”の意味をさまざまな角度から考えることができます。この映画とAsiaLENSに感謝いたします。-Mugi
Part3, UC2BとUCIMC-地域の情報インフラ整備

Urbana Champaign Independet Media Center, 21 Oct 2025
先週のHS(No. 760)では、UCIMC25周年、そしてWRFU20周年記念に、UCIMCの共同創設者の一人、Danielleさんとの2012年インタビューをお届けしました。そこでは、2000年のUCIMCの設立について触れた後、2005年のWRFU開局について、アメリカの市民運動としてコミュニティラジオの歴史と関連させて語っています。このインタビューの後、2012年11月、WRFUは100フィートの電波塔が新たに建設されました。
UCIMC設立の経緯は、Our Historyにも詳しく記されています。UCIMCの活動は多岐にわたりますが、四半世紀のあいだに何を達成したのかを簡潔にまとめています。そこでは、UCIMCが地域の情報インフラ整備にも深く、広く関わってきたと述べられています。
- Helped bring $22.5 million dollars in broadband stimulus funds to our community, playing a lead role in organizing civil society participation in the grant process to launch UC2B, public broadband that now connects hundreds of households.
- Developed CUWiN (cuwireless.net), an internationally recognized leader in open source mesh network software. Deployed the first open wifi network in Champaign-Urbana, Homer, Illinois, tribal lands of the Mesa Grande Reservation, and the townships of South Africa.
今回のHSでは、Ryutaさんに、UC2B(Urbana Champaign Big Broadband)プロジェクトについて解説していただきました。
UC2Bについて
そもそも「ブロードバンド」とは何か、というと、「インターネットに接続するための、より高速な回線」を指します。1990年代半ば以降、インターネットが民間にも普及すると、より多くの人が、より安定的に、より高速なネットワークに繋がることが、経済活動、教育、文化的な活動などのために重要になりました。
当時、一般家庭に繋がっている「ネットワーク」は基本的には電話回線のみで、それを利用したインターネット接続は56kbps(毎秒56,000ビット)から、回線をデジタル化したとしても128kbpsほどの速度でした。そこで、米国FCC(連邦通信委員会)は、1999年に、200kbps以上の速度の出る回線を「ブロードバンド」と定義し、その普及を推進するようになりました。この定義は技術の進歩とともに、たびたび見直され、2010年には4Mbps(毎秒4,000,000ビット)以上、2015年には25Mbps以上となりました。現在使われている2024年の定義では100Mbps以上が「ブロードバンド」ということになります。
地域にブロードバンドが引かれていることは、その地域の産業や高等教育の発展のために重要です。いっぽうで、その地域にまでやってきたブロードバンドが、中小企業や小、中、高校、各家庭といった「末端」に届く回線がないと、平等で公平なアクセスが実現しているとは言えません。しかしながら、インターネット回線の整備は商業主導で進みがちなため、「収益性が高くない」と判断された回線網は、整備が後回しにされる(あるいは、まったく整備されない)傾向があるといえます。また、インターネット接続そのものに関する格差が解消されたとしても、こんどは、アクセスを得た後の、コンピュータとネットワークを経済活動や創造的活動に活かすための知識やスキルの格差(それらを得られる教育機会へのアクセスにまつわる格差)が課題となります。UC2Bのようなコミュニティベースのブロードバンド網整備プロジェクトは、そのようなギャップを埋めるために活動しています。
高度情報化社会となった現代では、より多くの住民が高速インターネットへのアクセスと、それを活用するスキルを持っていたほうが国や州の「競争力」も高くなりそうなので、政府や行政は、さまざまなレベルで、さまざまな政策を打ち出して、その整備に努めようとしています。UC2Bは、Urbana市、Champaign市、イリノイ大学、UCIMCをはじめとした市民団体がコラボレーションすることで、2010年から2012年に連邦政府の補助金を獲得し、スタートしました。
その後、連邦議会では2021年にDigital Equity Act(デジタル平等法)が成立し、アクセスの格差、スキルの格差の解消を目指すさまざまな団体が、この法律のもとで補助金などを得て活動していました。しかし、現在の米政権は、2025年5月、この法律による補助を停止することを宣言しました。 – Ryuta
「Living History with LGBTQ+Elders」でDanielleさんと再会!
Ryutaさんとの今週のHSの収録の後、Champaign Public Libraryで開催された「Living History with LGBTQ+Elders」というイベントでDanielleさんとお会いしました。会場に10程のテーブルに、それぞれLGBTQ+当事者が座り、参加者が数人ずつ着席して、自由に会話をします。どのテーブルも話が途絶えることなく盛り上がりますが、数10分ごとに移動して別の方からお話を伺います。Danielleさんは話者として出席していました。前日に、Danielleさんが関わったUC2Bについて話しところで彼女にお会いできるとは!
社会をデザインしアートする
たまたまDanielleさんが着席しているテーブルに行った時に、たまたまMugikoが一人だったので、Danielleさんの地域活動について少しお話を伺いました。平等で民主的な社会を作るために、特定のプロジェクトの企画、実施だけでなく、それらをつなぐ社会を構想(デザイン)し、それをどう表現し共有(アート)するのか。というお話にもされました。来年の3月には、Danielle Chynoweth & Elizabeth Adams, REMAKING DEMOCRACY: HOW WE MAKE THE WORLDS WE WANT COMMON NOTION, を出版予定です。Harukana Showでもこの本についてぜひお話を伺いたいと思います。-Mugi

25Years of People’ Media, Cellebration 24-26 Oct 2025
◼️HoSoVoSo「遠くのあなたへ」◼️supercell「終わりへ向かう始まりの歌」◼️羊毛とおはな「ただいま、おかえり」