あれから5年10ヶ月、Negiさんの藍と地域への想いと関わり
Awajiの藍師・染師のNegiさんこと根岸誠一さんに、5年10ヶ月ぶりに出演していただきました。Awaji藍 Land projectの活動は、地元にさら深く根を張り、地域と連携しながら展開しています。Part1では、藍で地域をつなぐ「淡藍結 awa ai musubi」プロジェクトについて、Part2では、消防団などの活動を通して住民として地域社会になじんでいくお話です。
収録は、2026年2月3日(火)午前9時半から、NegiさんはAwajiから、RyutaさんはOsakaから、MugikoはKyotoから参加しました。Negiさんの実感がこもった言葉の一つひとつが、心にしみます。ここではトークの内容をMugikoが文章にまとめます。Negiさんからは、たくさんの写真が届きました。ありがとうございます。-Mugi
Part3, 藍の需要、それぞれの得意と役割で地域社会をつなぐ「淡藍結」
Part4, 消防団員の2割が移住者、役割を得て地域社会に関わる幸せ
藍師・染師のNegiさんの紹介
Negiさんは、淡路島で蓼藍の栽培から発酵、染料を作り、その青色を使ったもの作りをしています。2020年4月の初出演では、Awaji藍Land projectの活動と藍をどのように育て染料を作るのか(No. 474-2)、そしてNegiさん夫妻が東日本大震災をきっかけに淡路島へ移住された経緯と展開について(No. 475-2 )、お話を伺いました。
淡路と藍に真っ直ぐに魅せられ、コロナ禍で仕事のあり方を改めて考える
2020年にKyotoの展示会で初めてお会いした時のNegiさんは、藍作りを始めて5年ほど、藍を育て、染色を学び、作品を生み出し、さまざまなつながりを作っていくことが面白くてしょうがない時期でした。藍について知ってほしいという思いも溢れていました。ところが、コロナ禍で活動が制限され、その後の5年間は、仕事のあり方を見直す機会になりました。そんなNegiさんと、2025年11月にKyotoの同じ展示会場で、偶然にも5年半ぶりに再会しました(No. 765-1) 。
藍の青色をどのように社会に活かすのか

MugikoはNegiさんに「コロナ禍をへてこの5年半、藍のもの作りや人との関わり方がどんなふうに変わりましたか」と尋ねました。Negiさんは、「藍の青色をどのように社会に活かすのか」「需要の創出」を模索してきたと言います。Awaji藍 Land projectは、助成金を得て、2023年に藍染工房を新築しました。また宿泊施設も作り、藍宿ル1185を始めました。希望者がいれば、日帰りや宿泊して藍染体験ができるようになりました。

「淡藍結 awa ai musubi」、藍と地域をつなぐ
そして試行錯誤をしながら、藍を使って地域と連携する営みに取り組んできました。そこで生まれたのが、「淡藍結 awa ai musubi」プロジェクトです。

水引デザインの藍染お守り、地域の福祉作業所や引きこもり支援団体と協働
和紙でできた水引の紐を藍で染め、これを地域の福祉作業所や引きこもり支援団体の利用者が結び加工し、「お守り」として神社(現在は3つ)で販売する、という仕組みを作ってきました。このプロジェクトでは、障がいの有無と関わらず、それぞれが得意な作業を分担し、参加者が誇りを持って社会と関わることができる地域の循環が生まれました*。
*藍を育てて染める人(AWAJI藍LAND project)、水引をデザインする人(長浦ちえ/TIER)、結ぶ人(認定NPO法人ソーシャルデザインセンター淡路/SODA、森の木ファーム株式会社)

アートな作業を通して社会との接点を作る
Negiさんたちは、以前からこうした作業所の皆さんとは、生活訓練として畑作業を手伝ってもらい、お昼ご飯を一緒に食べるなどの交流を続けてきました。そのなかで社会との接点の薄さも感じてきました。そこから、Negiさんを含めいろいろな人がアイディアや意見を出し合い、「淡藍結」がプロジェクトとして形になっていきました。

役割分担と居場所、誇りと自信
手先が器用で集中力のある人たちやその家族、施設、団体の関係者も含め、それぞれの役割分担と居場所があるという状況が、とても気持ちがいいとNegiさんは話しています。みんなで作ったお守りが実際に多くの人に求められるという誇りと自信もえてきました。
集客と販売を担う神社との連携
「淡藍結」のお守りは、特別な宣伝はしていません。観光客が多く訪れるAwajiで、ある意味で安定した集客・販売を担う神社との連携によって、すでに1万人以上の手にお守りがわたりました。Negiさんは「淡藍結」プロジェクトをとおして、「移住して地域と関わりながら本当にやりたかったことが形となった。この5年間に、他と比べることなく、そこにある小さな幸せを大切にして、できることを、小さなことを一つひとつ解決しながらやっていこうと思うようになりました」と話しています。

地元消防団員の2割が移住者、地元住民の知識と経験と新しい視点との融合
Negiさんはまた、地元の活動にも積極的に参加しています。地域の消防団は約2割が移住者で、地元出身者の知識と経験、移住者の新しい視点が融合しています。消防団の活動は消火栓のペンキ塗りや交流会などで、地域の活動やそこに役割をえて参加できることを、Negiさんは「めっちゃ楽しい」と言います。というのも、Negiさんは関東の新興住宅地に育ち、地域のお祭りもありませんでした。Awajiに来て、地域社会につながりながら存在していることがとても嬉しく、光栄です、というNegiさんの言葉が印象的でした。-Mugi
