GMZ#4にむけて取材
2017年のロンドン滞在では、次のGMZ#4で取り上げる予定の、1968年にロンドンのNorth Kensingtonに設立されたNotting Hill Pressについての取材をすすめていました。ひょっとして誰かにお渡しする機会があるかもしれないと思って、日本からGMZ#2(2014)とGMZ#3(2016)を3部ずつ持ってきました。GMZ#2では、Stuart Hall(1932-2014)へのインタビュー、GMZ#3では、John ‘Hoppy’ Hopkins(1937-2015)へのインタビューを掲載しています。(Grassroots Media Zine)
GMZ#3の予想外の展開、GMZが足りない!
ロンドンに来てみると、昨年発行したGMZ#3がHoppyの友人たちのあいだでゆっくりと広がり、これを読んでくれた人たちとロンドンで会うと、「この人にもぜひ、会ったらいいよ」と知人を紹介してくれました。予想していなかった展開に、持参したGMZでは数が足りなくなりました。「どうしよう、会いにゆく人に、GMZをお渡しできない」。
GMZをどうやって入手するか
ロンドンでGMZを扱っている書店は2つ、一つは、前回のBlogにも書いたbookartbookshopですが、あと2冊しかありません。もう一つのHousmans Bookshopには、GMZは、相当数、残っているはずです。それにしても、自分が作ったZineをロンドンで買いにゆくことになるとは。著者割引はあるのだろうか、あるいは、何冊か、持っていっていいよ、と言ってくれるだろうか。
Hsoumans Bookshopがなんだかお洒落に
一年ぶりに訪れたHousmans Bookshopは、昨年は、地下が増築、改装され、亡くなられたStuart Hallや大学を退職されたCatherine Hallの蔵書の一部が、寄付され、古書として売り出されていました。[Blog.ロンドンからのZineレポート(5)2016] 今年は店内は、さらにすっきり、お洒落になっているような気がしました。
昨年と同じ場所にGMZ#3が平積み
Zineコーナーは地下にあります。GMZ#3は、少々埃をかぶっていましたが、昨年と同じ場所に平積みされていました
GMZ#2も発見
GMZ#2も、小さなZineを展示するコーナーに、透明の袋にはいって、置かれていました。さて、GMZをどのように入手するか。
担当者がやめてしまった!
まずは、これまで何年間かやりとりをしてきた担当者を探しました。1階にゆき、他のスタッフに声をかけ、「〜さんとお会いしたいのですが」と言うと、「彼は、昨年の12月に辞めました」と。
えっ!知らなかった。前担当者とは、Housmans BookのHPに「Zineを扱ってます!」というお知らせを見て、私からメールを送り、それからGMZの扱いを依頼し、ロンドンへゆくと、本屋を訪問して、何度かお会いしました。そうやって何年かけて作ってきた関係が、知らないうちに切れていたとは、がっくり。
そこで、私が、日本からやってきたGMZの発行者であることを告げました。新しい担当者はあわてて、「すぐに何冊売れたのか、残部がどれだけあるかチェックしますね」と。
彼女は、お店の奥にいったまま、なかなか戻ってきません。
あらためて、交渉
戻ってきたスタッフは、
「すみません、すぐに記録が見つからず、GMZ#3が何部売れたのかわかりません。本来なら、売り上げの半分をお支払いするはずですが」とすまなそうに言います。
「いえいえ、売れたとしても、前の号と同じように、書店に寄付するつもりでいました。GMZ#3にも書いているように、Hoppyが1966年にLondon Free Schoolを始めた際に、Housmans Bookshopの地下で集会を開いています。そうしたゆかりのあるHosumans Bookshopで、私たちのZineを置いていただけることを、とても有り難く思っています。
ただ、今日は、GMZが急に必要になって、何部かを引き取りたいのですが、、、、」
「もちろん、持っていってください、何冊必要ですか」
スタッフは、そう言って、改めてGMZ#3を手にとり、さっと目をとおしました。そして、
「これ、とってもいい本です。一階の本棚にもおきます」
彼女はそういって、自分でGMZを何冊か持って一階に上がり、埃をぬぐいました。その様子をみて、またもやジーン(Zine)ときました。
Zineをとおして人と出会い、励まされ
Housmans BookshopにGMZを置いてもらうのは、売るためというより、この書店に来る人たちに、GMZを手にとって見てもらえることが一番の目的でした。実際にこの店でGMZを見つけて、そこに書いてある連絡先にメールをくれた人もいます。
今回も、GMZをについて少しでも知ってくれたスタッフと改めてつながりができ、よかったなあとしみじみ思います。自分たちでZineを作り、扱ってくれる場所を探し、読んでくれた人と出会い、励まされ、Zineをめぐるフィールドワークは続きます。
来年は、GMZ#4が、できたらいいなあ
来年は、GMZ#4と携えて、ロンドンに来ることができればいいなあ。スタッフからは、”Please keep in touch, Warm wishes”というメールが届きました。こちらこそ、これからも、どうぞよろしくお願いします。