ロンドンでGMZがつなぐ出会い
2017年9月7日夕方にロンドンに到着した翌日にbookartbookshopを訪れました。数週間店を閉じ、この日からお店をリ・オープン!実は、昨年、経営者のTanyaと話したときには、「この場所でお店を続けることは難しいかもしれない」と話していました。
bookarbookshopは、絵に描いたように、街角にあります。外装を少し変えていましたが、シンボルの赤色はそのままでした。「本当に店開いているんやろか」と窓の外から中をうかがっていたら、Tanyaが私を見つけて、ドアをあけてくれました。
よりたくさんの本がぎっしりと
bookarbookshopに入ると、以前よりたくさんの本がぎっしりと詰まっている感じがしました。アート系の本屋はいくつもあっても、個人によるself-publishingの作品も多く扱う本屋は、ロンドンでも数少ないと思います。ここで扱ってほしいと望む作者も多いと思います。
GMZ健在(?)、売れ残っているけど、嬉しい
そんな店内を見回すと、ドアの近くの本棚にGMZ#3を発見!「わあ、まだ(売れ)残っている、でも、ちゃんと、お客さんが見える場所に置いてある!」。いきなり、ジ〜ン(Zine)ときました。
無数の対話
私にとっては、ロンドンのbookarbookshopは憧れの場所です。2015年9月に初めて訪問した時に、TanyaにGMZ#2に見せると、「テキストが中心なので、このお店では扱えない」と言われました。ばっさりと切る、のではなく、「で、このZineをとうしてどうしたいのか?」と私に問いかけてくれました。そこからTanyaとの対話が始まりました。[Blog.ロンドンからZineレポート(4)、(5)]
Tanyaをはじめbookarbookshopの関係者は、この場所に引き寄せられる人々と無数の対話を繰り返し、さまざまな発想を生み出しているのではないかと思います。
bookartbookshopに触発され、日米でZineをつくる
bookarbookshopのartist’s bookとTanyaとの話に触発され、GMZ#3では、扱う内容だけでなく、それをどうデザインし形にするのか、アメリカにいるTomとメールやSkypeで数えきれない話し合いをしました。Harukana ShowでDIYやZineについて熱く語るTateishiさんに紹介してもらい、東京都内にある印刷会社イニュニックを訪問し、GMZ#3の印刷について相談しました(Podcast No.270) 。個人が作るZineであってもひとつの作品として、紙選びから印刷、製本までを一緒に考えてくれる印刷所に出会い、そこで紙という媒体の面白さを改めて知ることになりました。
Harukana Showのインタビュー
そんなbookartbookshopの店内で、TanyaにHarukana Showのインタビューを収録させてもらえたこと、そのトークをアメリカのコミュニティラジオの番組から放送できたことは有り難く、16年前にbookartbookshopが誕生し、仲間とこのお店をつくってきた彼女の物語は、心に響きました。(Podcast No.342)
次の夢、bookartbookshopで「ZINE大会」
一週間後、もう一度、bookarbookshopを訪問しました。私が勤める甲南大学の「フィールドワーク研究」の授業で、受講生たちがそれぞれに取材をした内容を、何をどのように伝えたいのかを意識して、それを作品にして、教室の机に展示してお互いに読み合い感想を書く「ZINE大会」を開催します。毎年、50〜80の作品がつくられます。その表紙を出展者の承諾をえたものをPower Pointのスライドにして、写真一覧にしています。
パソコンの画面から、学生たちのZine一覧の写真を見せると、Tanyaは、「わあ、いいじゃない! 来年ロンドンに来るときは、このお店のshow-windowに一日展示、なんてどうかしら」という言葉が返ってきました。私は、「えええええ!」(うそやろ、ありえない)と絶句し、それでも、帰り道には、「来年の夏は、bookartbookshopで『ZINE大会』」という夢をいだいていました。Tanyaは、こうやってアートと人と場所をつないで、出会う人々を励ましているのだろうと思います。