12年めの女子会トーク、何が起きるかわからないwith Sayaka & Kyoko
夏の恒例企画、SayakaさんとKyokoさんとの女子会トークを3回にわたってお届けします。初回は、大阪・関西万博について、SayakaさんとKyokoさんがレポートしてくれました。前半トークをSayakaさんに、後半トークをKyokoさんに文章にまとめていただきました。(Part1は、No. 751-1へ)
Part2, 女子会2025は大阪・関西万博から、今年の運を使い尽くす-Sayaka
Part3, 「伝統の創造」に現場での発見多し、逃げるアイスを捉える-Kyoko
自己紹介、それぞれ国際結婚、子供の成長とともに
Sayakaさんはフランス人と結婚し通常フランスに住んでいますが、甲南大学で非常勤講師を担当する為に一年の三分の一を日本で過ごす生活をしています。日仏ハーフの一人息子、Yutaさんと一緒に毎年日本に帰国しています。夏にはHarukana Showに登場し、色々な話をしてきましたが、今年は「人生の転機」について話します。いったいどうなるのかは来週に続きます。
Kyokoさんは甲南大学で教員をしており、Mugikoさんの元同僚。パートナーはフィンランド人、中学2年生になる娘Naomiさんがいます。文化人類学を専攻しているという共通点がある3人での女子会。ホストのMugikoさんにはあえて事前に詳細を伝えず、リスナーのみなさんと共にSayakaさんとKyokoさんの話の世界に迷い込んでいただく、というスタイルで今回はトークを進めました。なお、KyokoさんとSayakaさんはKobeから対面で話しています。KyotoのMugikoさんとはオンラインでつながっています。 -Sayaka
文化人類学者が楽しむ文化の祭典大阪関西万博
Mugikoさんはまだ行っていない大阪関西万博にSayaka さんは2回、Kyokoさんは1回行ったということから話がスタート。Sayakaさん自身は、もともとは万博に興味があったわけではなく、春にフランスからやってきたパートナーがとても楽しみにしていたので、最初は2人で行きました。
チケットを買うために万博IDを取得する必要があるなど、手続きにひと手間かかるので、You Tubeなどではマニュアルが出回っていています。Kyokoさんは夏休みの期間中は何回も入れる夏パスを購入。予約なしで入れる所も沢山ありますが、人気のパビリオンは事前に抽選予約します。当たる確率は非常に低く、「予約に当たった人を知っているという友達がいる」と言うのをやっと聞くような状況。Sayakaさんは当たらないだろうなあと思いながらも抽選を申し込んだところ、なんと、心の底から見たいと思っていたiPS心臓が展示されているパソナのパビリオンに当選しました。

感動、iPS心臓とロボットの腕
今の時代に万博は必要か?と考えだすとしらけたムードになることは避けられませんが、実際に行くと心をつかまれることが沢山ありました。例えばこのiPS心臓。人間が作った細胞が心臓のようにトクントクンと動いている様子を見て、Sayakaさんには「わぁ」というなんとも言えない気持ちが湧きあがってきました。
中国館で最新テクノロジー紹介、ロボットアームで「コンコンキツネ」
政治的な意味も含めツッコミどころ満載だった中国館ですが、感動したこともありました。中国館内に映像や物の展示以外にも、人が実際に刺繍をする様子などを見せるコーナーがありました。そこで肘から先がない男性がロボットの腕を付け、自分の手を動かすようにそのアームを動かす、という最新テクノロジーを紹介していました。
そこでSayakaさんが握手しましょうと手を出すと、そのタイミングでロボットの手が動きSayakaさんの手を握り返しました。Sayakaさんは感動して、2回も握手してもらいました。一方、息子のYutaさんは疑い深く、その手は握手しかできないのではないかと考え、突然にその男性に「こんな風にできますか?」とコンコンキツネの形を手で作って見せました。すると、ロボットの手はYutaさんの手と同じようにキツネの形をすることができ、二人ともさらに感心。今はこうした技術は高価でも、いつか多くの人が利用できる未来があるとしたら、やはり明るい希望だなとSayakaさんは思いました。
ガッカリさせられたフランス館
もちろん全てのパビリオンが良かったわけではなく、特にフランス館にはSayakaさんはガッカリしました。イタリアなどと並んでフランス館は人気だと聞いていたし、会場に入ってすぐの真正面に建っていて期待したのですが、ルイヴィトンのバックとディオールのドレスを並ぶばかり。もちろんハイブランドの国だというのもフランスの特徴ですが、フランスには多様な人や食、歴史文化があり、もっと他に売り込むところがあるとSayakaさんは考えています。フランスと比べて小さな国が何かを生み出していく勢い感じさせる独自の展示をしているのを見ると、フランスはちょっと手を抜いているという印象をぬぐえませんでした。中に入らなくてもウズベキスタンのように建物が素敵な物も多く、Sayakaさんには、ドイツ館もユニークな印象に残りました。
何を見せようとしているのかを考える
批判的な視点を持ちながら行っても、何を見せようとしているかと考えると面白い。万博という字のごとく、世界から様々な地域や国が参加し、完成されたり、統一されたりしているわけではない中に発見や批判をする。色々な面白さを現場で感じる魅力があると思います。行った人からの評価はSayakaさんが耳にする範囲では意外と悪くなく、SayakaさんもKyokoさんも、シンプルに面白い、また行きたいなと思っています。-Sayaka
予約なしでも楽しめる万博-Kyokoさん
Kyokoさんは、先日Naomiさんと一緒に初めて万博に行きました。日中はとにかく暑いので、入場予約は12時にして、遅めの午後4時ぐらいに会場に入りました。会場が開く朝9時に入場している人が多く、家族連れで疲れ切って座っている人も多かったそうです。Kyokoさんたちは事前抽選でパビリオンの予約は取れませんでしたが、予約なしで入れる各国のパビリオンを楽しみました。-Kyoko
北欧館は自然との共生・持続性を売り、インド館では工学中心で残念
フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの4カ国共同の北欧館は自然との共生やサステナブルな点を売りにしており、インド館は工業、AI、宇宙開発等、最近の国の発展を前面に押し出していました。(インドが専門の)Kyokoさんとしては、インドの手工芸品は素晴らしいのに、パビリオンの最後のコーナーで少し紹介されているだけだったのが残念でした。
コモンズ館など展示の工夫、多様性、ウクライナ館に心動かされる
面白かったのは、単独でパビリオンを出せない国々の展示が集まったコモンズ館でした。Kyokoさんは、特にウクライナの展示に心を動かされました。渡された機械で、拡声器や薔薇の花の模型についているバーコードを読み取り、その機械でウクライナの現状についての映像が視聴できるというもので、とても工夫がされていました。他にはヨーロッパの小国のモンテネグロ、中米のパナマの映像を通して、それぞれの国の様子を知ることができました。今、映像の質が上がっていて、オーストラリア館でもグレートバリアリーフの没入感のある映像が流されていました。

Sayakaさんがパッションを感じたインドネシア館、「眼差し」の問題
Sayakaさんはインドネシア館に行きましたが、パビリオンの前でインドネシア人の男性が「インドネシアに来てください。予約なしでも入れますよ!」とノリノリで呼び込みをしていたそうです。「パッションを感じるから、ここには行かないと!」と思って入りました。子ども達(Yutaさんと従弟)はインドネシアの具体的なイメージを持っていませんでしたが、パビリオンを訪れると印象に残り、 国に対する関心を持つようになったようです。万博は(何を)「見せる、見せられる」という文化人類学的・政治的な「眼差し」の問題がありますが、行く価値はあるとSayakaさんもKyokoさんも考えています。
逃げる(?)トルコアイスを堪能、パフォーマンス込みのお値段
Kyokoさんは、Naomiさんとトルコ館の前で販売されているトルコアイスを楽しみました。Naomiさんが「トルコアイスは『逃げるアイス』だよ」と話していたのですが、Kyokoさんはその意味が最初はまったくわかりませんでした。実際に行ってみると、普通は販売員がアイスをコーンに入れてお客さんに手渡すところ、トルコアイスの場合は、お客さんに渡す前に動かして取らせないようにするという趣向でした。アイスが差し出され、取ろうとしても、そこでシュッと動かされるのでなかなか取れないという物凄いテクニックでした。一つ800円と高かったのですが、Kyokoさんはパフォーマンス込みでその値段だったら妥当かなと感じました。
人が出会う生きた場としての「伝統の創造」
Sayakaさんは、トルコアイスをはじめ、万博は(その国の伝統はこれと提示する)「伝統の創造」だらけのような気もしつつ、パビリオン入場のために並んで、その国の言葉で話しかけられるというのが、携帯で何でも調べられる今の時代に改めて意味を持っていて新鮮に感じています。アラブの国と言われると、(イスラエルとパレスチナの)紛争のイメージしかありませんが、カタール、アラブ首長国連邦など、各国が特徴的なパビリオンを出展しています。
統制されないテーマの隙間に現場の面白さ
ウズベキスタンのパビリオンの建築もいいし、ドイツ館も面白い。木製の大屋根リングは上に上って歩くことができますが、ドイツ館は建物の横に「わ!ドイツ」とあり、とても目立っていました。パビリオンによっては(多様性がまったく表現されていないともいえる)インド館のように突っ込みどころがあって批判できるパビリオンもありますが、全体としてはまた行きたいと思わせる万博。世界の色々な国が参加し、テーマが統制されていない隙間に来場者が現場の面白さを感じることができる。それが魅力なのかもしれません。-Kyoko
万博会場に一時、3万人が足止め
「また行きたい」というSayakaさんとKyokoさんの大阪関西万博レポート、この秋も続くかもしれませんね。大勢の人を惹きつける万博ですが、会場としての課題もありそうです。2025年8月13日の夜、万博会場への唯一の鉄道路線の大阪メトロ中央線で、電気を供給するレールが停電し運転を見合わせました。この影響で、来場客3万人ほどが会場に足止めされ、一夜を明かしました。翌朝、中央線の運転を再開しましたが、会場への交通手段が限られているというのは不安なことだなあと思います。来週の女子会トークは、意外な展開です。お楽しみに。-Mugi