No.423, April26, 2019, 「ドキュメンタリー映画だからできること」with Shinichi Ise(前半)

伊勢真一監督のトークは、Podcast Part2へ

U-Cは、このところ寒暖の差が大きく、Mugikoは喉を痛めて、少々ハスキーな声で失礼しました。日本のShizuokaからは、Ryutaさんが大型連休の前に、髪をかなりショートにして出演。WRFUのスタジオの機材担当のTomさんが、PCの画面のRyutaさんを見て、「Punkな感じ、いいね」、言ってました。本日のゲストトークは、映画監督の伊勢真一さんです(Podcast Part2へ)。

Part1, 日本は「10連休」、イリノイマラソン、T/F Film Fest @ Columbia, MO、伊勢真一監督『やさしくなあに』英語Home Sweet Home(2017)

2019年のゴールデンウィークは10連休!

日本は今日からゴーデンウィーク、2019年は、暦の上では10連休!4月27(土)、4月28日(日)、4月29日(月)「昭和の日」と3連休。5月3日(金)「憲法記念日」、5月4日(土)「みどりの日」、5月5日(日)「こどもの日」、5月6日(月)振替休日と4連休。そして、5月1日に新元号が施行され新天皇の即位にともない、今年に限り、祝日。祝日法の規定によって、祝日に挟まれた平日は休日となり、その結果、4月27日から5月6日まで、「10連休」となります。

咲いても蕾のような小さな花がようやく咲きました@Champaign, April25, 2019

U-Cは4月27日(土)からイリノイマラソン

U-Cは、昨日からイリノイマラソンのイベントが始まっています。そして、明日は、Full Marathon(4/27, 7:03AM, Half Marathon(4/27, 7:03AM), Marathon Relay(4/27, 7:03AM), 10K(4/27, 7:40AM), 5K(4/26, 7:30PM), Youth Run(4/27, 3:00PM),という日程。ところが、正午前から雨が降りそうなお天気予報で心配です。

True/False Film Fest

2019年2月28日〜3月3日に、ミズーリ州ColumbiaでTrue/False Film Festが開催され、日本から伊勢真一監督『やさしくなあに〜奈緒ちゃんと家族の35年〜』(2017年)が招待上映され、伊勢監督も登壇し挨拶されました。この映画については、2月22日のHarukana Showでも紹介しました(HS Podcast No.414)。

街中がT:F(Truth:False)Film Fest, Columbia, Feb.28-March3, 左byMugi, 右by Ise Film

Iseさんから番組にいただいたお手紙では、この映画について、次のように説明されています。

『Home, Sweet Home』は、私の姉の家族を35年間にわたって記録した映画です。姉の長女「奈緒ちゃん」は、てんかんと知的なハンデを持って生まれ、医者から「3~4歳までしか生きられないだろう」と言われたのですが、医者の予想を見事に裏切り、今年で45歳になりました。元気一杯生きています。この映画は、「奈緒ちゃん」を育み、「奈緒ちゃん」に育まれる家族の35年間を記録した、日本では(世界でも?)前代未聞のホームムービーです。by Ise

Shinichi Ise Interview( 前半)

伊勢真一監督@Columbia, MO, US, March3, 2019

Iseさんにお話を伺う前に、MugikoがHarukana Showについて説明しました。アメリカの地方の、日本人もわずかしかいない地域のコミュニティラジオ局で、聞いてくれる人はいないかもしれけれど、だから、うまくゆくかどうか気にせず日本語ラジオ番組を始めた、という話をしました。これを聞いて、Iseさんの意外な言葉からトークが始まります。

Part2, 誰も聞いてくれなかったら、安心して喋れるって、時々自分もそう思う21m24s

誰のために映画を作るのだろう?

高い視聴率を取るために、より多くのお客さんを呼ぶために、という発想ばかりにとらわれてしまうと、映画はどんどんつまらなくなってしまう、とIseさんは言います。では、誰のために映画を作るのだろう?ドキュメンタリー映画だからできることって何だろう?Iseさんは自分に問いかけながら、話を続けます。

Iseさんは、『奈緒ちゃん』のカメラマンでもあった瀬川順一さん(「1914年、岩手県生まれ。戦前・戦中・戦後を通じ、劇映画からドキュメンタリーに至るまで、幅広い分野でカメラマンとして第一線で活躍。1995年死去」『ルーペ』フライヤーより)の話を始めます。

『ルーペ』ドキュメンタリーカメラマン、瀬川順一を描いたドキュメタリー、演出/伊勢真一、1996年作品、フライヤーより作成

「一人でよいから、一人の人に宛てるラブレターみたいな想いで作る」

Iseさんはある時に瀬川さんい問われます。「おまえは誰のために映画を作っているんだ?」Iseさんは、「一人でも観てくれたらと思って作っている」と、今でも心のどこかで思っています。Iseさんから同じ質問を突き返された瀬川さんは5分ほど黙ってしまい、こう言います。「俺のためだ」。

奈緒ちゃんに寄り添ってカメラが動く

瀬川さんは、カメラマンとしてずっと、三脚を立てカメラを据えそのフレームに「撮るべきもの」を撮影するという方法をとってきました。ところが、奈緒ちゃんの撮影では、瀬川さんの従来の方法が通じない。公園で何時間も待っていても、なかなか来てくれない。ようやく来てくれたかと思うと、カメラのレンズのフレームには入ってくれず、奈緒ちゃんがカメラを覗きにくる。さすがの瀬川さんも諦めて、手持ちカメラにして、奈緒ちゃんのそばに自分とカメラが寄り添って撮影が進められるようなります。

街の掲示板に『やさしくなあに』ポスター@T:F Film Fest, Columbia, MO, Feb.28-March3, 2019 Photo by Ise Film

Iseさんは、カメラマンの瀬川さんとのエピソードにふれながら、Iseさん自身のドキュメンタリーの作り方について話されているのだと思います。カメラのフレームに被写体を入れるのではなく、予定したシナリオに合わせて撮影するのではなく、撮りたい人やその場所の空気や匂いや声や人や、その時、その場所だから、存在しうる何かを映像に撮り込んでいく。今回お届けしたトークの最後に、伊勢さんは次のように話しています。

奈緒ちゃんのすぐ傍に居る、という空気みたいなもの

自分がこういう話を聞きたい、とかそうじゃなくって、そこにその人がいて、その傍に行って、座っていれば、語りたいことがある人はきっと語るだろう。で、無い人が語らなくてもそれでいいじゃないか、という風に、なんか本当にこう、思えるようになってきたのは、「奈緒ちゃん」の撮影を始めてからだと思うね。撮るものがあったり、撮るものが無い、みたいな言い方をするけれど、撮るものが無い時に、一体何を撮りたかったんだろう、って考えてるうちに、「そうか、そうか。何を撮りたい、っていうか、奈緒ちゃんであり、奈緒ちゃんのすぐ傍に居るっていう、そういう空気みたいなものを撮りたかったんだな」。

という風に絶えず向こうから来ることを受け止めながら、撮影をできるようになっていき、編集も同じですよね。ほとんど自分で考えないところまでずっと編集もやっているうちに、だんだん考えなくなる段階に来ると、ほとんど何も考えないで繋げるようになるのね。「映画の神様が降りてくる」って言うんだけど、本当にそういう感じでできるようになるんだよね。by Ise

会場下見@T:F Film Fest, Columbia, MO, Feb.28-March3 Photo by Ise Film

「絶えず向こうから来ること」を受けとめながら歳月を重ね作ってきて映画が、海外で上映されるとどのようなリアクションがあるのか。そんなお話も含め、来週はIseさんのトークの後半をお届けします。

Part3, コメントby Ryuta & Mugi、機材を含めて場面を作る

映画もフィールドワークも(ラジオも)、誰が話を聴くのか、によっても、話の内容はかわってくる、という意味で「再現性」がないものなんだな、というRyutaさんのコメントは、Mugikoにとってはとてもよく分かりました。またRyutaさんがいうように、カメラなどの機材も人も含めてその「場」を作っている、と思います。

時には、カメラがあることによって場面ができ、人が話し始める。それが、「やらせ」ではなくて、Iseさんやスタッフがそこにいてカメラがあることを、そこにいる人たちがそれぞれに受けとめ映像がいろいろな人と一緒に作られていく。そうした場面の空気が入り込んだドキュメンタリー作品には、観る人の感覚に開かれた映像になってゆく。それが、伊勢さんのいうドキュメンタリー映画だからできることなのかなと、お話を伺いながら思いました。(まとめbyMugi)

■Carole King “You’ve Got a Friend (Live)”■リクオ「オマージュ – ブルーハーツが聴こえる

久しぶりにBILLIKENに出会う@Columbia, MO, March4, 2019

カテゴリー: Harukana Show-Podcast パーマリンク

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