皆既日食を観る
今週の皆既日食、WRFUメンバーのStuartさんから「ILのOlneyで観てきたよ!」というメッセージいただきました(”We did see the total eclipse, from a city park in Olney, the town that says it is the home of white squirrels.”)。白リスなどの動物は、突然にあたりが暗くなってどうしのだろう。
Boneyard Art Festival-地域をにつなぐ草の根アートイベント
Champaign Countyでは、4月12日(金)-14日(日)は、Boneyard Art Festival。さまざまなアーティストの作品が、Champaign Countyの70以上の場所で展示されています。ライブラリーやミュージアムやUCIMCやカフェや花屋さんだったり、Tomさんが勤務しているPACAも会場の1つになっています。
「展示場所を作るのに、1日がかりで大変やった」、展示期間中も、「たくさんの人が訪れ、盛り上がってなかなか閉店できなかったと」と話していました。アートをとおした他者との交流。次のKarenさんのトークとも関係しているかな、と思います。
日本の「滞在型図書館」とは? -Karen
先週のZINE話( No. 680-2) に続いて、KarenさんとRyutaさんとのトーク。Karenさんの修士学位論文のテーマである「滞在型図書館」について話していただきました。収録は4月2日、KarenさんはKobe、RyutaさんはShizuoka、 MugikoはKyotoから参加しています。トークの内容もKarenさんにまとめていただきました。
Part1, サードプレイスとしての「滞在型図書館」、今、なぜ?
Part2, 多様な他者と出会う場、「交流」の魅力、難しさ
Part3, ライブラリーは、時代と地域とともに変わる
修士論文は「『滞在型図書館』の社会的背景とそのあり方」というタイトルで、近年の日本の図書館に注目しその変遷と実態を執筆しました。
本の館外貸出を重視から滞在型図書館へ
日本の図書館は、1970年に日本図書館協会から発刊された『中小都市における公共図書館の運営』(通称:『中小レポート』)に基づき、館外貸出を重視した運営がなされてきました。しかし近年、「滞在型図書館」として、図書館の物理的な場の利用に注目した新たな形が一般的になりつつあります。
公共図書館〜誰にでも開かれた場所
「サードプレイス」、「居場所」といったキーワードと結びつき、公共図書館が誰にでも開かれた場所として、図書館界、行政、市民それぞれの期待と思惑が「滞在型図書館」という形へとつながっていることが推測されます。
神戸市の図書館での調査、滞在型図書館の魅力
修士論文では特に神戸市の事例を中心に扱い、いくつかの観察調査とインタビュー調査を行いました。「滞在型図書館」というあり方には賛否両論見られるものの、私が感じる「滞在型図書館」の魅力は、多種多様な人々がそれぞれの目的を持って(あるいは何の目的も持たず)、偶然に居合わせる場になる、という点です。
見知らぬ他者を身近に感じる公共空間
見知らぬ他者の存在を、すぐ身近に感じること。これは公共空間の魅力的な点であり、ある意味で危険な点でもあります。公共図書館が持つ場、そして何より「本」という媒体には、人と人を自然につなげる、そのような可能性があると考えています。
本は人をつなぐ〜Karenさんの実践
大学図書館や社会学科ライブラリー、生協書店、まちライブラリーなどでポップを作って飾ること、読書会の開催、ZINEの制作・販売も、「滞在型図書館」の研究をしながら、そのような「本」を通した場づくり・社会的関係の拡がりを意識した実践として行ってきました。-Karen
Public LibraryとUCIMCー他者との交流の場
Mugikoは、2010年にUrbanaのアパートに入居してすぐに、近所のUrbana Free Libraryへゆきました。インターネットが使えて助かりました。そして日本のアニメや映画のDVDがたくさんあったので、毎週のように借りていました。また、U-C Independent Media Centerでも、PCの利用サポートや、アート系のイベントなど住民が様々な活動の会場として利用していました。Karenさんがいう「他者との交流の場」という意味では、Public LibraryとIMCの活動も共通しているという印象を受けます。
他者との出会える安全な場所
大学街のUrbana-Champaignの場合、実際に、UIUC、Public Library、UCIMCのようなNPOの団体の関係者が重なり、それぞれの機能を尊重しながら連携、協働してU-Cならではの展開をしています*。
Karenさんの多様な活動も、異なる機能をもつ「場」を本やアート、デザインをとおしてつなぐネットワーク作りを大切にしているのかなと思います。-Mugi
*西川麦子, 2015「地域の多様性をつなぐメディア実践 : アメリカ、イリノイ州、アーバナ・シャンペーンのメディア表現者たち」『甲南大学紀要文学編』164
■OZworld「MIKOTO~SUN NO KUNI~」■Comet Gain「Thee Ecstatic Library」■Camera Obscura「French Navy」
*Philip Sutton, “Ten Songs about Libraries and Librarians” New York Public Library, April 18, 2017