No.117 June21, 2013 「壁がない」〜市民が主体の記録、表現装置 with Kiyokazu-san

「てるてる坊主」はどこに?

西日本では、台風4号の影響で、この数日はよく雨が降りました。京都の長屋の窓から曇り空を眺めながら、内陸の乾いた気候のU-Cでは、「てるてる坊主」はいないのかなあ、と。今日のHarukana Showでは、先週のゲスト、哲学者の鷲田清一さんのトークの後半をお届けしました。

Podcastは4部構成、Kiyokazu-sanのトークはNo.117-2&3です

HS Podcast No.117-1 June21, 2013:『想像ラジオ』&U-Cイベント情報

HS Podcast No.117-2(Kiyokazu-san2)June21, 2013HS Podcast No.117-3(Kiyokazu-san3) June21, 2013:鷲田清一さんトーク、「3.11から」「せんだいメディアテーク」

HS Podcast No.117-4 June21, 2013:「smtとコラボできたらいいなプロジェクト」by Ryutaさん&Mugiko

リスナーは誰? どうしてラジオを?

Kiyokazuさんから、先週の生放送の後、Harukana Showについての質問をうけました。「誰がこの放送を聞いているの?」「どんな人が番組に出演を?」「スタッフのみなさんは、どうして番組に参加を?」。う〜む、どうなんだろう、Harukana Showには謎が多いなあ、と考えこんだままのMugiko、今週は、通勤電車のなかで、こんなタイトルの小説を読みました。

いとうせいこう『想像ラジオ(河出書房新社、2013年3月11日発行)

津波で高い杉の木のてっぺんに仰向けにひっかかったままのDJアークが、携帯を片手にお届けする「想像ラジオ」、草木も眠る深夜2時46分、軽快なトークに死者の声が届き、「想像せよ」と呼びかける、あちらとこちらの世界のあいだにたましいがゆらいで、たくさんの声が往きかう、哀しく、でも、おかしく、不思議な小説です。

(今日のHarukana Showの音楽は、「想像ラジオ」のなかで紹介されたものから選びました。■ Corinne Bailey Rae “The Sea” ■ Bob Marley “Redemption Song”  ■ 松崎しげる「愛のメモリー」)

『想像ラジオ』の岡澤理奈さんによる装丁も素敵です。あちらとこちらの世界、空と水を木々と雪の色をつないだようなグラデュエーションの水色に、杉の木と電波塔を重ねた美しい幾何学的なシルエットのタワー、波と風と死と生と空白をかたどっているのかな、羽ばたくトリたち。その表紙と小説が、Kiyokazuさんから伺った、「3.11からのこと」と「せんだいメディアテーク」のお話と重なるような気がしました。

街とコレスポンドするメディアテークwith Kiyokazu-san

「まっすぐな柱がなくて、定禅寺通りのけやき並木の枝葉とコレレスポンドするような柱と全面ガラスばりの透明の建物」「気温が18度になると窓が開く」、Kiyokazuさんのお話を聴いていると、せんだいメディアテークの建物は、全身が「縁側」のようです。

せんだいメディアテークの活動の理念のキーワードは、「ノード」(年齢や性や職業や立場や言葉や心身の状態や状況などによる、さまざまなバリア、壁をはずして、異なる領域や一人一人のあいだをつなぐネットワークの節点)と「ユーザーシップ」(メディアテークは、市民が表現、対話、発信するためのサポーター、場所と機材とコミュケーションデザインの方法を提供、主体はあくまでも利用者)。

3がつ11にちを忘れないためにセンター(「わすれン!」)

「記録と表現の装置」としてせんだいメディアテークが取り組んできた活動のひとつが、Kiyokazuさんのお話にもあった「3がつ11にちを忘れないためにセンター」、2011年5月3日に開設されました。「 市民、専門家、スタッフが協働し、復旧・復興のプロセスを独自に発信、記録していくプラットフォームとなるこのセンターでは、映像、写真、音声、テキストなどさまざまなメディアの活用を通じ、情報共有、復興推進に努めるとともに、収録されたデータを「震災の記録・市民協働アーカイブ」として記録保存しています」smtサイトより。

京都在住のKiyokazuさんとせんだいメディアテークとのご縁

「わすれン!」が開設されたこの日、せんだいメディテークと市民図書館が部分的に再開、2011年5月3日から8日まで「歩き出すために」と題したイベントが行われました。当時大阪大学総長だった鷲田清一さんもこのイベントに招かれ、5月4日にお話をされています。

Kiyokazuさんたちが、3月11日の震災後から被災地の大学とどのように連携、支援をしようとしたのか、3月25日の大阪大学の卒業式・学位授与式での総長式辞、5月4日のせんだいメディアテークでトークイベント、そして2年後の2013 年4月に、Kiyokazuさんは、せんだいメディアテークの館長に就任されました。Kiyokazukさんの3.11からのことは、Podcast No.117-2からお聴きください。

今度はsmtからHarukana Showを

Kiyokazuさんのお話を伺って、RyutaさんとMugikoも、せんだいメディアテークのポストモダンな建物や最新のメディア環境とは、ほど遠いけれど、「壁がない」「誰でもメディアになれる」というコンセプトは、WRFUのスタジオがあるUrbana-Champaign Independent Media Centerも同じだと思いました。UCIMCには、机が黒板になるスマートなデスクはないけれど、廊下も壁もすぐにアートしてしまうし、ホールも敷居なく適当にスペースを使っているし、住民に広く開放されている。

UCIMCの地下の廊下@March, 2012

UCIMC地下の廊下@March, 2012

でも、理念と建物に壁がなくても、目に見えないバリアは、ここUC-IMCにも街にもたくさんあります。だからこそ、オルタナティブなメディア&アート活動をあえてする人々がUC-IMCに集まるのだと思います。smtには、目には見えないけれどどんな壁があるのだろう。

Harukana Showのスタッフが、こんど、いつか、smtに伺います。smtとWRFUのスタジオをつないで、Harukana Showの番組をいっしょにさせてください。Kiyokazuさん、Iwakawaさん、ご出演ありがとうございました。by Mugiko

U-Cイベント情報

Taste of Champaign-Urbana:6月21日(金)5:00〜10:00、22日(土)11:00〜10:00、23日(日)11:00〜6:00 West Side Park (400 W. University, C.)公園のブースで地域のレストランの料理をサンプルすることができます。

Master Gardeners Annual Garden Walk:6月22日(土)9:00 am〜4:00 pm  「C-U在住、マスターガーデナーのお庭を拝見。当日券$12はUniversity of Illinois Arboretum(Japan Houseのすぐ北)のIdea Gardenで購入できます。

Blues Brews and BBQ Festival:6月28日(金)4:00ごろから、29日(土)1:00ごろから、Downtown Champaignにて。 ブルースのライブとBBQとビール。夏ですね!

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