No.529, May14, 2021, ワクチン接種と草の根ネットワーク

日本は「緊急事態宣言」対象、緊急追加

COVID-19の変異株の感染が全国に急速に広がりつつあります。RyutaさんとMugikoが本日の番組の収録をしたのが5月13日(木)、この時、非常事態宣言の対象は、東京、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡でした。ところが、翌日には、北海道、広島、岡山の追加(5月16日〜5月31日)が決定がされました。また「まん延防止等重点措置」の対象には、現在適用中の千葉、埼玉、神奈川、岐阜、三重、愛媛、沖縄(5月31日まで)に加えて、群馬、石川、熊本が追加(5月16日〜6月13日)されます。

イリノイ州はPhase4からBridge Phaseへ規制緩和

イリノイ州では、5月14日(金)より、Phase4からBridge Phaseに移行しました。UIUC JPN COVID-19 Town HallのTatsuyaさんのまとめによると、「最大の変更点は、ワクチン接種完了者(=Pfizer/Modernaの2回目接種またはJ&Jの接種から2週間以上経過した人々)は、屋内・屋外を問わず、全ての活動をマスクなし・社会的距離の確保なしで行うことが可能になった点です。(但し、国内外の旅行中、および連邦・州政府または自治体の命令等で要求されている場所では、マスク着用と社会的距離の確保が求められます。)」TH参加者へのお知らせby Tatsuya, 2021.5.13.5.28pm。

Mask Guidance in Champaign County, May14, 2021

誰でもワクチン接種が受けられる?

CU Immigration Forum(CUIF)主催「Vaccinations in UC: Who’s missing and why」(May11, 2021,5pm -6pm)に、Mugikoも日本から参加しました。Public Health DistrictからMargarita (M.D., P h .d.)さんが、COVID-19感染拡大防止の観点からワクチン接種の重要性と、現在は「誰でもワクチン接種を受けることができる」ことを強調されました(Mobile Health Clinic, Carle)。Johnson & Johnson社のワクチンであれば、接種は1回ですみます。

先週のHS(No.528)でも話題にしましたが、移民のなかには行政の公的な窓口への問い合わせを躊躇する人もいます。また、スマホを持たず、インターネットを使えない場合、どのようにして情報をえることができのだろうか。本日のHarukana Showでは、C-U Immigration Forumの代表のTomさんにお話を伺い(Part2, 英語)、その内容について、RyutaさんとMugikoが日本語で話しています。

Part1, イリノイ州はBridge Phaseへ緩和、Jason F.さんのKUROSHIO

Part2, 本当に誰もでもワクチン接種できる? with Tom-san

Part3, 草の根の活動と情報ネットワーク with Ryuta& Mugiko

公的窓口と情報へのアクセスが困難な人々

Tomさんのお話では、ワクチン接種のお知らせは、自治体から住民各自宛に案内が届くわけではありません。それぞれが、Public Health Districのサイトや、テレビやラジオや新聞やSNS、病院や医療関係者や薬局、etcとさまざまな経路で情報を得て、各自がワクチン接種の予約をします。しかし、情報の網の目にアクセスしにくい人々も大勢います。また、住所不定、あるいは、米国からの在留許可をえずに滞在している人もいます。

「つなぎ役」としての草の根活動と口コミ

行政からの情報や支援が直接に届きにくい人々に対して、さまざまな組織団体や個人がコロナ以前から、支援活動を続けてきました。そうした活動が媒体となって、COVID-19感染防止対策やワクチン接種についての情報を伝えてきました。また、ホームレスや不法移民のあいだでも、それぞれのグループやつながりがあり、口コミ(word of mouth)でも情報が広がっていきます。

コロナ以前からの支援活動の延長

例えば、Trailer Park(移動式ハウスが集住する場所)には、多くの移民が居住し情報ネットワークの拠点にもなっています。CUIFのメンバーであるRichardさんは、こうした場所に毎週木曜日に食糧を届けるボランティア活動に参加し、コロナ禍において収入が不安定な人々をサポートしています。食料の配給時に、ワクチン接種の情報も伝えています。まとめby Mugi

長年の草の根活動で育まれたネットワーク

これまで行政が、ホームレスや移民への医療サービスや福祉をどこまで提供してきたのかわかりませんが、パンデミックに関しては、とにかくより多くの人々が感染防止対策をしないと収束しない。その強い危機感のもとで、あらゆる手段を用いてワクチン接種の機会を提供しようとしている様子が、CUPHDの関係者の説明からもうかがえました。こうした政策が現実的に実施可能な背景には、地域における長年の草の根活動があります。

Tomさんのお話にあったTrailer Parkには、周辺住民の集会場として利用されているトレイラーもあります。CUIFはそこで、オバマ政権時代、DACA(Deferred Action for Childhood Arrival、幼少時に親とともにアメリカに不法入国した若者の国外退去処分の一時延長措置)についの説明、相談会などを開いてきました。こうした活動の長年の積み重ねが、緊急時に機能しうるゆるやかな人と人、情報のネットワークを作り出しているのだと、今、改めて思います。-Mugi

■Jason Finkelman, Shu-Cheng Allen Wu, Joy Yang「undisclosed reaction two」from KUROS HIO(2021年4月25日に開催されたJapan HouseでのKuroshioのイベント動画

■Passengers「One minute Warning」■Robert Glasper「Afro Blue 」(Feat. Erykah Badu)

 

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