7月は祇園祭 & International Zine Month
それぞれの場所でいかがお過ごしでしょうか。U-Cは今週の始まりは暴風雨の影響もありましたが、その後は最高気温が30℃以下になり、過ごしやすそう。一方、日本は梅雨明けに猛烈な暑さです。Kyotoは7月は祇園祭、そして今月は、International Zine Month(IZM)です。
今週のHSはそんなお祭り話と、ZINE月間にちなんだ話題です。収録は、ShizuokaからRyutaさん、KyotoからMugikoが参加、7月18日の深夜トークです。
Part1, 祇園祭の混雑を避けて、ハモ寿司
祇園祭とは、Kyotoの八坂神社の祭礼です。HPによると、「古くは、祇園御霊会(ごりょうえ)と呼ばれ、貞観11年(869)に京の都をはじめ日本各地に疫病が流行したとき、勅を奉じて当時の国の数66ヶ国にちなんで66本の矛を立て、祇園社より神泉苑に神輿を送って、災厄の除去を祈ったことにはじまります」。7月1日より7月31日まで1ヶ月に及び、「7月17日山鉾巡行(前祭)、神幸祭、7月24日の山鉾巡行(後祭)、花傘巡行、還幸祭を中心に、7月31日『疫神社夏越祭』で幕を閉じます。」
Kyoto在住のMugikoにとっては、祇園祭は市内の移動が困難となり、早朝に出勤し夜遅くに帰宅するなど少々、面倒です。7月17日の前祭の日には、午前6時台には市バスを降りて阪急電車に乗り、夜は予定より早く京都に到着。バスが運行するまで、観光客気分でぶらり散歩。

閉店前のデパ地下が意外にすいていて、祇園祭風情の「はも寿司」が半額!地上に上がると、錦市場も観光客向けのお店がちらほらあいているだけで、人も少なくスイスイ通れます。日没時の散歩はなんでも美しく見えます。最後は市役所前で四条町大船鉾保存会の演奏を聞いて、動き始めたバスに乗って帰宅。急いで番組収録の準備に取りかかり。というわけで、今日はお祭トークから始まりました。
Part2, IZMとは?ライブラリーとローカルなZINE
IZMは日本では知られておらず?
7月は国際 ZINE月間。NATIONAL TODAY「International Zine Month-July 2024」によると、IZMは2009年から始まりました(” International Zine Month was started in 2009 by Alex Wrekk, creator of Brainscan Zine. S. “)。2019年7月19日のHSで、UIUCのSchool of Information Science准教授のKathrynさんに、IZMやライブラリーとZINEについてお話を伺っています。Kathrynさんは、UCIMCのZine Libraryの活動にも関わっています。詳細は、HS No. 434へ。
ライブラリーとZINE
アメリカやイギリスでは、ZINEを扱うライブラリーも増えていますが、ZINEは一般の書店やオンラインをとおして入手が困難だったり、従来の図書分類に当てはめにくかったり、シリーズの内容が途中で変わったり、サイズも形も不揃いだったり、ZINEの扱いや展示にはそれぞれのライブラリーでの工夫が求められます。その一方で、その地域や図書館の特色のあるZINEコレクションも可能です。

ライブラリーとZINE、古くて新しい媒体
これまでのHSのライブラリートークでもふれてきたように、近年のパブリックライブラリーでは様々な本や情報を扱うだけでなく、利用者が情報を整理、発信する方法や手段や場を提供しています。今回のトークでRyutaさんが話されたように、ZINEという形(自主制作の冊子)は古くから存在していますが、PCでの編集や多様な印刷が個人でできる現代だからこそ、ZINEの表現や発信の幅が広がっています。そういう点では、ZINEは古くて新しい媒体なのかもしれません。
Part3, 世界でひとつのフィールドワークZINE大会のつくり方

テーマも対象も形式も、自由
7月には、Konan University (Kobe)で社会調査法の授業の一環として、「フィールドワークZINE大会」を実施しました。2012年から始めて、もう11回めです。授業で学んだインビューや観察などの質的調査の方法を用いて、各自が学内外でのフィールドワークを実施、報告書をフリースタイルのZINEにまとめ、教室に展示し相互に閲覧する、というプロジェクトです。
着地点から逆算して、自分の道を作る
調査テーマも対象も、レポートの形式も個人の自由ではありますが、第14回の授業日に自分のZINEを教室に持参しなければなりません。限られた時間のなかで着地点から逆算して、どのような内容の調査が可能かを企画、実施することになります。授業中のグループワークで、各自のフィールドワークの進行状況を話しながら人のテーマや方法に刺激をうけ、また社会学科の図書室に展示されている昨年度のフィールドワークZINEも参考にします。

閲覧タイム後、A4用紙にぎっしり読者からのコメント
フィールドワークZINE大会の当日には、ZINEの通し番号とタイトルを記した大会プログラムが配布されます。会場となる教室の机に上には、通し番号を記した白い紙が置かれ、参加者はまずは自分の番号の席に座り持参したZINEを置きます。閲覧タイムは1時間、その間に、10本以上の作品を読み、白い紙に感想を書きます。誰かと一緒にZINEのページめくり感想を言い合いながら共読する光景も見られます。
手書きのコメント、確かな手応え、自作品を見る目
閲覧時間が終わり自分の席に戻ると、A4用紙いっぱいに、読者からの手書きコメントが記されています。自分が工夫した点を評価されると、グッと嬉しく手応えを実感します。たくさんの作品を閲覧したことで、自作品にたいする眼差しも変わり、卒業研究に取り組む時には、この点を注意しようと具体的に考え始めます。
人に読んでもらいたい「推しZINE」
今回は49作品が提出されました。ZINE大会の参加者は、他の人にも読んでもらいたい「推しZINE」を2本選び、推薦理由を科目担当者に提出します。参加者の「推し」とLA(Learning Assistant)の意見も含め、推薦内容にそったさまざまな賞を作ります。ZINE作者が同時に審査員にもなる仕組みです。その結果発表を最後の授業日で行います。世界にひとつしかない作品と多彩な賞を楽しみ、今回のフィールドワークZINE大会も無事に終了しました。あなたの身近なZINEの取り組みについても、Harukana Showでぜひお話してください。-Mugi

■藤井風「まつり」■ジッタリ・ジン「夏祭り」■TOMOO「Grapefruit Moon」
ゆっくりとPodcastを作っているうちに7月21日は近畿地方も梅雨が明け、熱中症警戒アラートも。それぞれの場所でどうか気をつけてお過ごしください。
