No. 691, June 21, 2024, 「場としてのライブラリー」トークへの質問・感想 with SKU & Ryuta

最近のHSは深夜放送の気分

今週のHarukana Showの収録は、日本時間で6月19日から20日かけての深夜、RyutaさんはShizuokaから、MugikoはKyotoからの参加です。Part1は曲紹介、Part2 & 3は、3回連続してお届けしたライブラリートークの参加者SKU (Students of Konan University) からの質問・感想を紹介しました。

Part1, U-Cは猛暑、日本各地は遅めの梅雨入り、Kanaさんの曲紹介

U-Cは、最高気温が30℃を越す暑い日が続いてますが、いかがお過ごしでしょうか。日本では、各地で遅めの梅雨入り。そこで、Kanaさんが気分をかえて6月の爽やかな曲を選んでくれました。2曲目は、「日差しを避けるためにかけている自分のサングラスが、スガシカオのようだな……と思って選びました-Kana」。PodcastにはHSの仲間たちに、はじめてのメガネをかけてもらいました。

■空気公団 「白銀の少女」■スガシカオ「June」■Amenohi RECORDS.「irony

Part2, 誰でもアクセスできる場所はこの社会にどれだけあるだろうか-SKU

Part3, アメリカでは図書だけでなくレコードも貸し出し?「禁書」の意味

甲南大学「メディア文化論」とHSのコラボシリーズ、先週はRyutaさんとの「場としてのライブラリー」についてのトークを紹介しました(HS No. 690)。今週は、受講生からの質問・感想を番組のなかでいくつか紹介し、Ryutaさんに補足説明などをしていただきました。(以下、青字がSKUのみなさんの感想や質問、茶色がRyutaさんからのコメントです。)

図書館=誰にでも開かれた場所

SKU-Aさん「誰でもアクセスできる場所はこの社会にどれだけあるだろうかと考えたときに、あまり出てこなかった。人々が集う場所、交流できる場所としての役割をになっているのが図書館なのだと感じた。」

SKU-Bさん「公的サービスを受けるとき、海外の人は地域のネットワークから疎外感を覚える(書類を書かないといけないなど)。ただ、図書館は別で、……確かに図書館は誰でもが行ってもすぐに利用できる場だと改めて気づきました。」

▶︎たしかにその通りです。社会の中には市区町村の役所や警察署といった「公共の施設」はありますが、それらは手続きなどの用事がないときに、ふらっと立ち寄れる場所ではないですよね。市民ホールや公民館なども、イベントが開催されていないときや、イベントに参加しない人に広く開かれているか、というと、そうでもなさそうです。-Ryuta

▶︎児童館や児童遊園(公園)には地域によっては好きなときに行けるかもしれないですが、「子ども」でない年齢になると行きにくい(あるいは行けなくなる)場所でもあります。また、ショッピングモールやカフェなどの商業施設も、自分が「客」でない場合、自由に入りにくいのではないかと思います。-Ryuta

公共図書館の誕生

SKU-Cさん「図書館が誰でもつかえるようになったきっかけは何かありますか」

▶︎現在あるかたちの公共図書館の原型は、19世紀後半~20世紀初頭のアメリカで生まれたと言われています。このときに、誰でも教育を受けられるように、という公共教育を広める機運や、資産的に余裕のある人が社会事業(慈善事業)を手がける機運などが高まり、すでに図書が高価で貴重なものではなくなってきていたこともあって、誰でも無料で出入りができ、自由に本を手に取れる公共図書館が作られていきました。-Rtyta

図書館に長時間滞在すること

SKU-Dさん「図書館が本を読む場所だと思っていたましたが、レコードが置いてあったりゲーム機を貸し出していると知って驚きました。しかし、これも長時間の長居になってしまうのではないかと思いました。」

▶︎公共図書館としては、他の利用者のための場所がきちんとある限り、「長居」されることはそれほど問題視するべきではないとRyutaは思います。たとえば夏の猛暑日に、家でエアコンが使えない人が図書館で日中を過ごす、というのは、想定内の図書館の利用法であるべきです。歴史的には、閲覧席の数が限られているなどの理由で「自習禁止」など、長時間の利用を禁じようとしていた図書館もありましたが、これは、本来は、空間の設計で解消する問題かな、と……。-Ryuta

図書館と検閲

SKU-Eさん「開かれた空間である図書館だが、置かれる本の制限、情報の検閲も同時に行われていたという点から、この図書館の制限機能がもたらすメリットとデメリットのバランスをどのように取ればよいのか疑問に思った。」

SKU-Fさん「幼少期に見ることで悪影響も与えてしまう本もありますし、ある程度の操作は必要になっていると思いました。」

▶︎これについては、前回の「図書館蔵書に対する「疑義」とBanned Books Week」の段落にも書きました。現代の民主主義社会にある図書館は、それが「世論」によるものでも「権力」であるものでも、あらゆるかたちの「検閲」に反対します。-Ryuta

SKUのみなさん、Ryutaさんのさまざまな角度からのやりとり、ありがとうございます!Ryutaさん、Karenさん、SKUのみなさんと話しているうちに、他者と出会う「開かれた場」としてのライブラリーのイメージが広がっていきました。もちろん、理念と現実は、同じではないけれど。また、公共図書館だけでなく、いろいろなまちライブラリーや、ゆるやかに人とつながる場についてのトークしてゆきたいと思います。-Mugi

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