Thanksgiving, Black Friday, ホリデーシーズン
番組収録前にRyutaさんから、「放送日にはアメリカではもうThanksgivingが終わってBlack Friday、ここからは、もう、すぐにホリデーシーズンですね」とメールをいただきました。日本にいると、感謝祭が11月の第4木曜日だということをすぐ忘れてしまいます。
Parade of Lights: 11/27(土)6pm(pre-parade activities start at 3pm)@Dountown Champaign
Tomさんは、お休みを返上して、PACAでParade of Lightsの出し物を制作。これからは、クリスマスプレゼントなどの買い物も忙しいですね。日本も、そろそろ年末、お正月に向けて、慌ただしい季節です。Mugi
GIS シリーズNo.8-2、冒険地理学を未来につなぎ開く53分トークを一気に
田村賢哉さん(Kenya)をお招きし、Wataruさんがファシリテート。地理学の専門家2人が、“冒険”地理学について熱く、爽やかに語り合います。前回は、高校生のKenyaさんが、玉ねぎとこんにゃくを使ったリアルに面白い地理の授業にどハマりして、世界一の地理学者になるべく、大学受験するところまでのお話でした(No.556-2)。今週は、大学に入学したKenyaさんが、特定の領域に縛られることなく地理学を広く実践的に探究し、また教育活動を展開していきます。Kenyaさんが描きつなぐ地理学の現在と未来とはいかなるものか。若き2人の地理学者の刺激的なトーク53分を一気にお届けします。文章もWataruさんとKenyaさんにまとめていただきました。Kenyaさんのトークの内容は青、Wataruさんのコメントは緑です。Mugi
Part1, サブ領域に縛られない「地理学者」、国内外でのフィールドワーク
Part2, 地理×芸術×情報,「ヒロシマ・アーカイブ」「APLLO & Re:Earth」
Part3, 日本での高校「地理総合」必修化と教員支援、米国の高校での地理
今週は、Kenyaさんが大学に入学してから今までのおよそ15年を一気に追いかけます。「世界一の地理学者」になろうと、研究と教育の両輪を意識して能動的に尽力してきたKenyaさん。まさに、21世紀の学習スタイル Active Learning (知識活用・課題解決型学習)を体現する活動の数々に魅了されると思います。-Wataru
人文地理・自然地理・GISを全部学ぼう!
「地理学者」になりたい(特定のサブ領域に縛られたくない)という思いから、現代の地理学の3大領域(人文地理・自然地理・GIS)を網羅すべく、3つのゼミに所属してそれらを隈なく勉強しました。その視野の広さを活かしつつ、卒業論文では、東日本大震災の津波被災地に関する研究をしました。これは発災直後に大学内で150人ほどの学生ボランティアを集めて復興支援として被災地の地図作りをしたことに端を発しています。修士論文では、海外にフィールドを広げたいと指導教員にお願いし、先生のフィールドでもあったインドネシアのムラピ火山を舞台に、火砕流跡地における農業と植生の復興過程を調査しました。
Google Earthを使って冒険しながら学ぼう!
「世界一の地理学者」への道は、研究に加えて面白く地理を教えられてこそ達成できると思い、地理教育の学生ゼミも立ち上げました。そのゼミでは、まず Google Earth(デジタル地球儀)を用いた授業コンテンツ作りに励みました。なぜなら Google Earth を使って世界の特徴的な地域や地形を自由自在に見せることで「見知らぬ場所を旅してワクワクする感覚」を生徒が持てるからです。この情報技術を活用しながら地理を楽しく学べる授業づくりの取り組みは、2013年にNPO法人化させて、今も継続しています。
医療×地図×サバイバルで防災訓練「すごい災害訓練 DECO」
そのNPO法人の理事長として、地元中学生らが災害対応力をアクティブラーニングで体得する防災訓練「すごい災害訓練 DECO」の運営にも関わりました。これは、地域の防災リーダーの育成を目的としており、1泊2日のワークショップを通じて、医療スキル(例:応急処置の仕方)、地図スキル(例:地域の状況に合わせた安全な避難行動)、サバイバルスキル(例:仮設避難所での過ごし方)を能動的に楽しみながら学べる内容となっています。ここでもデジタルツールを積極的に援用し、子供たち自身が防災への関心を高めながら自然と学べるような工夫を随所に凝らしました。
地理×芸術×情報で被爆者の証言を残したい「ヒロシマアーカイブ」
博士課程では「Ge-o-graphy」の graphy (記述・表現)を問い直したいと敢えて「芸術工学」専攻に進みました。人に伝える事を徹底的に追究しているのは、アートやデザインだと思ったからです。その姿勢を学びつつ、しばらくして地理学が伝えるのは、地球上の“情報”だと気づき、今は「情報学」専攻へ移って研究を続けています。具体的には、私の出身地でもある広島の「被爆者の記憶」を市⺠とともにデジタル地球儀に可視化する「ヒロシマアーカイブ」プロジェクトに深く関与しています。「ヒロシマアーカイブ」は、東京大学渡邉英徳研究室によるプロジェクトとして、被爆者の証言等を画像、音声、文字で表現しながら位置に紐づけて集約したデジタルアーカイブで、集められた全ての情報を見る側が探索していく対話型のウェブ展示となっています。これは、よくある資料館のリスト展示では表現できなかった伝え方で斬新と言えます。
地球の全てを記述できる、したい世界に!「APLLO & Re:Earth」