GMZ#3の出版から3ヶ月、そうだChicagoへゆこう
Grassroots Media Zine #3が美しく出来上がってから3ヶ月が過ぎました。ロンドンの1960年代のカウンターカルチャーの仕掛人、John “Hoppy” Hopkins(1937-2015)へのインタビュー(2009-2014)をまとめました。(Podcast No.270, No.271)GMZのサイト
2016年は、Hoppyが深く関わったLondon Free School(LFS, 1966)の活動から50年。LFSは、Hoppyが1965年に渡米した際に見聞したFree University of New Yorkの影響を受けています。アメリカでもGMZを扱ってくれる本屋がないだろうか。「いざ、New Yorkへ」、と一瞬思ったのですが、Champaignからは少々遠い。そこで、「そうだ、Chicagoへゆこう」と思い立ちました。
アメリカのZine Cultureにふれたい
8月7日、日曜日の朝、トラックにGMZ#2と#3をつめて編集長のTomさんとライターのMugikoは、シカゴへ向かいました。インターネットで検索してChicagoでZineを扱っている場所をいくつかリストアップしました。まずは書店へ足を運び、そこにあるZineを見て、スタッフと話し、Zine Cultureにふれたい。それから、GMZを置いてもらえるかどうか、尋ねてみよう。
Quimby’s Bookstoreへ直行
場所は、1854 W. North Ave. Chicago, IL, 60622。徒歩10分ほど離れた場所へ、なんとかトラックを駐車する場所を見つけました。日曜日は12時からオープン、少し時間があったので、周囲を散策。ジョギング、犬の散歩、ブランチをとる人たちで、休日の穏やかな朝の雰囲気、裕福な住宅地という印象です。12時半、再びQuimby’sへ。
WOW!! Zineがいっぱい
店内はZineだらけ!市販されている本もありますが、多くが個人が持ち込むZineが並んでいます。どこからどうみてよいのか、うろうろしていると、スタッフが声をかけてくれました。何でも聞いてくださいね。そこで、「このお店には初めてきました。どんなZineをどのように並べていますか。個人がZineを持ち込むのですか」
この大ざっぱな問いにたいして、スタッフは親切にも店内を案内しながらいろいろ説明をしてくれました。「consignment?」、Mugikoには、初めて聞く英単語でした。スタッフのお話はこんな内容です。
CONSIGNMENT(委託販売)
Quimby’sは今年で25周年を迎えました。この書店のこれまでの出来事をアーカイブしてQuimby’sのサイトにアップしていきますので、時々チェックしてもらえればと思います。
一般の本屋と違い、Quimby’sでは、個人からの委託販売(consignment)をしています。申し込み用紙はサイトからでもダウンロードし(Sell your swag at Quimby’s) 、Zineを送ってもらうこともできますし、お店に直接に来て手続きをすることもできます。
ジャンルを厳密に分けているわけではありません。コミック、音楽、写真、アート、政治、小説、なんでもあります。サイズ別に置き場所を別にしてまとめていたりします。一般の出版物も扱っています。Chicago Comicという姉妹店もあります。
関連記事:”Quimby’s Bookstore still keeping a corner of Wicker Park weird” Chicago Tribune, Feb,16,2016
GMZをQuimby’sで扱ってもらえますか?
委託販売可能、ということは、GMZも扱ってもらえる?どうやって尋ねようかと躊躇していると、Tomさんが、「彼女は、1960年代のロンドンのコミュニティ活動やカウンターカルチャーについてリサーチしてきました。私たちはそれを、Grassroots Media Zineにまとめています」と話を切り出してくれました。そこで、Mugikoが袋からGMZ#2と #3を取り出し、スタッフに見せました。
うれしかったのは、GMZ#3の表紙をみたスタッフの表情が変わり、「わかるわかる、これって、sixtiesですね!」と言い、ページを開いて「London Free SchoolもHoppyも聞いたことあるよ、Free University of New Yorkも知っているよ」と言ったことです。Mugikoは、「うっそう!?Hoppy の名前知ってるの!」と叫んだいきおいで、「これ、このお店に置いてもらえますか」と尋ねました。
「そうですね、小さいサイズは5冊、大きいサイズは3冊、といったところから始めましょうか」
こうして、Quimby’s Bookstoreが、アメリカでGMZを扱ってくれる最初の書店となりました!嬉しくて、私たちは、隣のBBQレストランに入り、ポークのハンバーガーとアボカドトーストを食べながら、委託販売の申込書を記入し、トラックに戻り、GMZ#2を5冊、GMZ#3を3冊携えて、Quimby’sに戻りました。
なんだか気になってしまうZineたち
今度は、安心してゆっくりとZineを手にとってみました。日本に何冊かのZineを持って帰りたい。多くのZineは背表紙がなく、棚をさっとみて見当がつかず、1冊ずつ取り出し開いてみてゆくと、意外と時間がかかります。各Zineは、ページ数も文字数も少なく、多くはイラストが中心です。情報を得るだけならその場で一読できます。それでも、その1冊をわざわざ選び、欲しいと思うのは、その小冊子から染み出てくる味わいや、そこでの短い言葉や絵や手触りが、それを手にとった人にとって、なんだか気になってしまうからじゃないかなと思います。
Quimby’sに立寄るさまざまな人たち
お店には、ひっきりなしにお客さんが入ってきます。年齢層も性別もさまざま。床に座って読む人もいれば、パートナーと話しながらコミックをあれこれ見ている人や、なぜか店内にある証明写真のブースで自分の写真をとって、お客さんどうして見せ合っていたり、3ドルでZineがいっぱいつまった「福袋」を買う人や、スタッフに詳細を尋ねる人など、いろいろです。店内は、「赤鬼」や「緑のマネキン」や、よくわからないアートがたくさんあり、ポップもユニーク、Quimby’sのお店自体がArt Zineしている感じです。
最後に委託販売の手続きをして、4時頃、Quimby’s書店を出ました。Zinesにすっかり夢中になり時間を忘れていました。でも、5時までに、もう1つ行ってみたい場所がありました。CHIPRC:The Chicago Publishers Resource Centerです。続きはまた、次のブログで。