No.520, March12, 2021, ランドスケープデザインと時間、グリーンインフラwith Yuta

3月14日よりDaylight saving time、日米の時差が変わります

アメリカ各地では、今週日曜日の深夜2時からDaylight saving timeが始まります。時刻が1時間前に進んで適用される時間帯がCST (Central Standard Time) からCDT (Central Daylight Time) に変わり、日本とイリノイ州との間の時差は14時間になります。Harukana Showのライブ配信 (wrfu.net) は、U-Cではこれまで通り金曜日の夕方6時から7時、日本時間では1時間早く土曜日の朝8時から9時となります。

Part1, 夏時間、東日本大震災から10年、レジリエンス

東日本大震災から10年

今週の番組は、日本時間の3月11日に収録しました。2011年に東北地方太平洋沖地震が発生した時に、RyutaさんはUIUCの大学院生、日本のSaitamaの実家に電話しましたが、すぐにはつながりませんでした。MugikoはUIUCに1年間、研究員として所属、アパートに引きこもりオンラインのニュース映像を見続けていました。大学キャンパスではすぐにいくつかの募金活動が始まり、原発事故をめぐるシンポジウムなどが行われ、多くの人が参加していました。

現在UIUCの大学院生のM. Wataruさんは、「3.11 の地震のとき、そういえば、私は、ちょうど多摩センターのベネッセで働いていました。電車が止まってしまい、肌寒い中2時間半ほど歩いて帰宅しました。2011年3月末に友人らと下北沢で街頭募金に立ったり、2011年6月に気仙沼へがれき撤去ボランティアに出かけたりしたことも思い出します。当時の気仙沼は、3か月経ってましたが一面がれきの山で、被災経験のない私には衝撃でした。」M.Wataru

ダメージにたいするしなやかな回復力 with Yuta

YutaさんはResilienceという言葉を、昨年2月のHS No.466(「防災から減災へ、レジリエンス、しなやかな回復力」で、次のように説明しています。

「東日本大震災や昨今の気候変動による異常気象によって想定以上の災害がいつ起きるのかわからないという認識を持った人も多くいると思います。そういう時代において完全に被害を防ぐことを目指すのではなく、いかにダメージを少しでも減らすことができるのか、そして被害が起きた後にいかに早く柔軟に回復していくのかという『レジリエンス』という考え方が重要になってくると考えています。」Yuta

YutaさんとWataruさんの活動、研究の根っこには、東日本大震災の経験やレジリエンスという考え方があるのかなと思います。Harukana ShowでもMugikoとRyutaさんが話している時に、レジリエンスという言葉をふっと使うようになりました。Mugi

先週(HS  No.519)に続き、本日のトークは、Yutaさんが働いているGreen Wiseでのお仕事や会社内外で関心を持っているランドスケープデザインに関わる活動について話しています。文章もYutaさんにまとめていただき、Wataruさんにコメントを寄せていただきました。ありがとうございます。

Part2,「自然さ」をデザインする?Green Wiseの活動 with Yuta

Part3,グリーンインフラ、都市公園リノベーションの官民連携 with Yuta

植物を扱う者として時間をどう考えるのか

神宮の森が100年をかけて成熟したように、多摩ニュータウンに植えられた植物が50年で現在の姿に成長したように、ランドスケープデザイナーとしては植物が何年か後にどのような姿になるのかを想像しながら計画します。植物も生き物なので思った通りにいかないことの方が多いようですが、ある程度の成長のスピードなどの特徴や傾向を理解した上で適したものを提案していきます。このように竣工の一時的な空間の完成度だけではなく、空間を扱いながらも時間のこと、そしてそこに関わる人のことも考えるのがランドスケープデザイナーの職能だと思います。

Naturalistic Garden

Naturalistic Gardenという考え方も同様に空間とともに四季の移ろいなどの時間を楽しむものとも言えます。特にグリーン・ワイズ本社の屋上は、日本庭園のような専門的な剪定方法などの知識は必要なく、自然と向き合いながら観察を通して植栽の維持管理をしていきます。私たちも庭に関わることができ、それが愛着につながります。先日は草の刈り込み作業に参加しました。植物を使って空間をデザインすることと、その風景がどのように変わっていくのかまで考えてデザインすることと、そこに関わる人がどう関わるのかまで想定してデザインすること。この3つの要素を考えてデザインすることが重要なのだと最近は特に感じます。

屋上庭園の刈り込み作業後。冬の枯れ草は一気に刈り込んで春に花が芽吹く空間をつくる。Feb.21, 2021, Yuta撮影

会社外のランドスケープ的活動、グリーンインフラ官民連携にむけて

国土交通省が始めたグリーンインフラ官民連携プラットフォームというものがあります。自然や生態系が本来持っている機能をインフラに取り入れることで環境問題や気候危機の課題を解決していこうというのがグリーンインフラです。これを官庁、自治体、大学、民間企業が連携して進めていこうという情報交換や連携のためのプラットフォームが今回のグリーンインフラ官民連携プラットフォームなのですが、そこが募集したグリーンインフラ大賞というものに私たちグリーン・ワイズが設計施工維持管理をしている「深大寺ガーデン」という空間を応募しました。先日結果が発表され、優秀賞をとることができました。このプラットフォームの「若手の会」というものにも個人的に参加して同じ社会課題に問題意識のある同世代の中でネットワークを広げていこうと企んでいます。

南池袋公園。Park-PFI制度によって公園管理をしている。中央に芝地の先に見えるのがカフェ。ここでの売り上げの一部が公園管理運営費に当てられる。Jan.10, 2021, Yuta撮影

都市公園リノベーション、公園からまちづくりを考える

社会の動向も公園に関わる身にとっては追い風です。Park-PFIという公園の指定管理のような制度が盛んに行われるようになり、都市公園リノベーション協定制度という公園からまちづくりを一体的に考えるための制度もできました。本来、公共も民間も関係なく良い空間を作りたいという思いは一緒のはずなので、企業の枠を越えて様々なひととコラボレーションしていくことは重要だと考えています。M.Yuta

レジリエンスなまち – Wataru

レジリエンスなまちづくりと言うと、なかなか想像しづらいですが、先月のNHKラジオ深夜便で、社会学者の吉見俊哉教授が、これからの街は「より楽しく、よりしなやかに、より末永く」を念頭にという話をされていて、なるほど!と思いました。きっと、Yutaさんも都市緑化事業を通じて、「市民の遊び場をつくり、治水機能を高め減災につなげ、植物を皆で長く育てていく」ような、まちづくりをしているんですね。今後が楽しみです。M. Wataru

子どもたちと学びこれからを想像する感覚ーMugi

Green Wiseが制作した作品に、みかんくんと一緒に、子どもも大人も身近な暮らしと生き物を楽しく発見していく短い動画があります(「『みんなの庭』みつけてみよう!いろんな葉っぱ」)。Yutaさんたちの活動が、そこに暮らす人々と一緒に街や地域を、環境も時間も含めた見えないものとのつながりのなかでデザインしていくことだとしたら、子どもとともに学びこれからの社会を想像する感覚が大事なんだなあと思いました。Mugi

■加川良「教訓1」■Marvin Gaye「What’s Going on」■忌野清志郎「Jump

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