Kanaさんのインタビューシリーズwith Junoさん
Harukana Show Podcast No.420の後半は、Kanaさんのインタビューシリーズです。4月は日本では年度始まり、学生さんたちは、どんなことに関心をもっているのだろう?3月のMaria さんとのトーク(HS Podcast No.415)に続き、今回は、上海からの日本への留学生、JunoさんにKanaさんがお話を伺いました。 インタビューのまとめはKanaさん、そしてJunoさんから写真もお送りいただきました。ありがとうございます!
サードウェーブコーヒー文化の日中比較研究
Junoさんは上海のご出身です。東京の語学学校で1年間日本語を学んだあと、京都の大学で2年間、修士課程の学生として「コーヒー文化」の研究をされ、先月「サードウェーブコーヒー文化の日中比較研究 ――京都と上海の現地調査を中心に――」という論文を提出されました。*京都精華大学人文学研究科「2018年度大学院人文科学研究科修士論文最終報告会」2019年1月29日、
上海でのサードウェーブコーヒーの定着と日本との関わり
上海では現在、コーヒーショップの出店、特に「サードウェーブコーヒー」と呼ばれるコーヒーショップが流行しはじめ、定着しつつあるそうです。Junoさんは、日本の「喫茶店文化」と「サードウェーブコーヒー」のあいだに、大きなかかわりがあるのでは? と考え、そこから、上海と京都のコーヒー文化の比較研究を始めました。
「サードウェーブコーヒー」とは
Junoさんのご説明によると、「サードウェーブコーヒー」とは、1990年代後半に特に顕著になったスターバックスコーヒーの低品質化に抗して、個人の焙煎家や小規模のショップが、顧客に自家焙煎のコーヒー豆やハンドドリップを用いた美味しいコーヒーを提供したいという提案からはじまった、コーヒー文化の「新しい波」のことです。お洒落な空間設計やインテリア、開かれた雰囲気を持つ「サードウェーブコーヒー」の店舗(「ブルーボトルコーヒー」などの店舗)は日本にも出店され、最近では観光客にも人気となっています。
上海のコーヒー人たちの日本の純喫茶文化への注目
しかし、Junoさんは、中国と日本で現地調査をするうちに、美味しいコーヒーを提供したいと願う上海のコーヒー店店主たちのあいだでは、日本の「純喫茶」のコーヒーに注目が集まっているようだ、ということを発見します。日本の純喫茶文化の中心であるコーヒー専門店では、サードウェーブコーヒーが持つ「自家焙煎のコーヒー豆やハンドドリップを用いた美味しいコーヒーを提供したい」という思いが文化的に根付いており、実際に、様々な喫茶店でとても美味しいコーヒーを飲むことができる。
日本の有名店のコーヒーの煎れ方や、豆の焙煎方法に注目した上海のコーヒー人たちは、日本にやってきて豆の買い付けをしたり、日本のコーヒー店の店主を上海へ招待してワークショップを行ったり、また、お店の名前やインテリアなども日本的なものを使ったりして、上海でのサードウェーブコーヒー文化を盛り上げているそうです。
中日米間のコーヒー文化の交流
Juno さんは、研究をすすめているうちに、アメリカが発祥だと思われた「サードウェーブコーヒー」に、そもそも、日本のコーヒー店のコーヒーが影響を与えているかもしれない、という可能性も見えてきたそうです。中国・アメリカ・日本という三つの場所をいったりきたりしながら、新しいコーヒー文化が交流し、発展しているのではないか? 今回の修士論文を通して見えてきた結論一つです。今後もこのこうしたテーマを展開して研究を続けていきたい、というJunoさん、大変面白いお話をありがとうございました。(まとめKana)
参考リンク:ドアにパスワードのあるコーヒー店「T12Lab」、「ブルーボトルコーヒー京都」、『東京珈琲時間』
HS Podcast No.420-4:コメントby Ryuta
■Karen O,“ Bullet With Butterfly Wings“■Paper Crows ,”Changing Colors”