Blog:イリノイ大学の授業作り、学び合いのプロセスを協働でデザイン, September9, 2019

夏休みにイリノイ大学をフィールドワーク

イリノイ大学での1年間の在外研究期間を、夢中で過ごしました。大学の授業が夏休み入ってからの6月から8月にかけて、キャンパスは静かですが、新年度に向けて、いろいろな研究会が開催されています。スタッフとじっくり話 し、大学を楽しくフィールドワークすることができました。

自然科学の授業でもZine-Making?

UCIMCのZine Libraryの担当者で、イリノイ大学情報科学部教員のKathrynさんが、「今週、Zine Cluster MeetingがUCIMCであるので、よかったらどうぞ」と声をかけてくれました。2019年7月9日、UCIMCのZine Library で開催されたZine Cluster Meeting(Zineを使った授業作りの研究会)に参加しました。そこで出会ったLeon Liebenbergさんは機械工学が専門です。自然科学でもZineがどのように授業で使われているのだろう?

Zine:専門外の人にも分かりやすく伝える創造的なツール

Liebenbergさんにメールで連絡を取ると、学生たちが作ったデジタルのZineを見せてくれました。環境問題などをテーマに、大学の研究を通して学んだことやそこで生まれた問題意識を、より多くの人に、分かりやすく伝える一つの手段として、理系の授業でもZine-Makingが注目されているのかな、と思います。文章だけでなく挿絵などを入れる創造的な作業に夢中になり、授業とは関係なく、何かを伝えるためのZineを作品として完成させる学生もいるようです。

領域横断的な授業作りプロジェクトチーム

Leonさんを通して、機械工学の授業作りのプロジェクトが、大学内の様々な分野、部署のスタッフとチームを組んで進められていることを知りました。「私たちのGrassroots Media Projectや甲南大学でのZine-makingを取り入れた授業作りについて、 Leonさんのチームと情報を共有できたら嬉しい」。そう伝えたら、すぐにメンバーに声をかけてくれました。7月18日に、イリノイ大学のCITL(The Center for Innovation in Teaching and Leaning)のユニークなIFLEX Interactive Classroomで、グループの会議に参加し、発表する機会を得ました。

息つく間のない全員参加の熱い議論

研究会に集まったのは、異なる部署に所属する様々な分野の専門家たちでした。The Center for Innovation in Teaching and Leaning(CITC), Food Science and Human Nutrition, Speech and Hearing Science, Mechanical Science and Engineering, Industrial Enterprise Systems Engineering, Educational Psychology, Business, Siebel Center for Design, UIUC Library。プレゼンの途中で質問が飛び、そこから自分たちの問題関心に引き付けた議論が展開する。チームの会議と合わせて2時間半ほど、息つく間のない熱い時間でした。

有機的なネットワーク

こうした研究会で出会った人たちには、Grassroots Media Zine Seriesを渡しました。そこから個々人とのやりとりが始まります。「IFLEX INNOVATION CRASSROOMなど、様々な機能を持つ部屋をぜひ見ておくとおいい、デザイン段階から関わっている人に声かけておくから」「Art & Design Labsでリソグラフプリントができて面白いよ、興味があればスタッフを紹介します」と。思いがけない波に乗るように、CITCのIFLEXプロジェクトの様々な機能を持つアクティブラーニングの教室、Art & Design LabsのRI SOプリンター、ユニハイの図書館、ライブラリアンたちによるコミック研究会、などを見学しているうちに、夏があっという間にすぎてゆきました。

学び合いのプロセスをデザイン

イリノイ大学に1年間滞在して、授業作りとは、その科目、その担当者、その参加者たち、そのスペースだからこそできる、学び合いのプロセスをデザインしてゆくことかなあ、と考えるようになりました。授業の参加者が互いに触発されて、何かを探求する面白さを見出していく。そんなダイナミズムを生み出す創造的な授業作りの方法を、様々な角度から提案しサポートするプロが、イリノイ大学にはたくさんいます。教室というスペース作り、メディア・システム、最新の機材の利用、アート・デザインやグループダイナミズムや対人関係や、アウトリーチの活動など。授業デザインや学習支援をするだけでなく、新しいプロジェクトを提案していく。

授業作りも創造的なコラボレーション

こんな恵まれた教育・学習支援の体制があると、工夫がない講義に対しては、それは文献を読めば、オンラインで調べれば分かります、この授業に参加することで得られる‘ことは何ですか、と授業の参加者から問われそうです。そうした厳しい視線も、授業作りへの本気の活気を生み出しいる。HARUKANA SHOWもGMZ制作もそうであるように、授業作りも、様々なスタッフと受講生と、時には学外との連携を含めたコラボレーション。イリノイ大学でのフィールドワークと地域でのメディアワークから学んだことを活かして、日本でどんな授業ができるか、その現場、現実から考えたいと思います。Mugi

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