No.465, Feb.21, 2020,「ランドスケープ・アーキテクチャーを本場で学ぶ」 GISシリーズ No.4(前半), with Yuta & M. Wataru

Urbana-Houston-Shizuoka-Kyotoをつないでにぎやかに

本日は、HoustonからランドスケープデザイナーのYutaさんをゲストにお迎えし、日米4ヶ所をオンラインでつなぎ、「GIS(地理情報科学)シリーズ」No.4 をにぎやかにお届けしました。

今週のPodcastは、3部構成です。Part1はU-Cイベント情報、Part2はYutaさんの紹介、part3は、ランドスケープ・デザインとアメリカ留学についてです。番組を延長した7時以降のトークは、来週のHarukana Showで再放送します。

Part1, 季節の話題、Read Across America、2月の和食の会

◎Read Across America at Lincoln Square Mall: 2/29(土)10:00-1:00pm, Urbana Free Libraryのイベント情報:”we join the Urbana Park District and over 40 local businesses and organizations to celebrate literacy! Hands-on activities, storytellers, costumed characters, a special parent and toddler area, local celebrity greeters, and books read in multiple languages make this event a family favorite. The first 1,000 children who attend will receive a free bag and book of their choice!” UCIMC Zine Libraryも参加します。

Part2, Yutaさんの紹介、東日本大震災、ルイジアナ州立大学への留学

GISシリーズ第4弾、ランドスープ・デザインについてです。WataruさんとYutaさんは、ともに青山学院大学で地理情報科学を学びました。東日本大震災が発生した時には、Yutaさんは大学入学直前、Wataruさんは大学1年目の終わりです。災害と研究について考えるひとつのきっかけになりました。Yutaさんはルイジアナ州立大学へ、Wataruさんはイリノイ大学へ留学し、冬休みにはWataruさんは暖かい南部にいるYutaさんに会いにゆくようになりました。そこで、Harukana Showへの出演を依頼してくださいました。

Part3,GISとランドスケープデザイン、アメリカ留学を決意した理由

ランドスケープデザイナー。テキサス州ヒューストン在住 。2019年5月にルイジアナ州立大学でMaster of Landscape Architecture を取得後、ランドスケープデザイン事務所に就職。

GIS研究からランドスケープ・アーキテクチャーへ

学部時代のGISや災害に関する研究と経験から、自然と人間の共生できる空間をデザインするランドスケープアーキテクチャーの分野に興味を持ち、留学を志しました。GISを勉強する中で、空間を分析するところからデザイン案を実装していく設計の技術を身につけたいと考えるようになったのです。

自然と人間が共生できる空間をデザイン

そもそもLandscape Architecture もしくはLandscape Designとは、自然環境・生態系やその土地に根付く文化などを考慮しながら、建物や屋内空間以外のあらゆる外部空間をデザイン・設計する分野です。具体的には、公園、街路、キャンパス、個人邸の庭から自然保護地域や森林まで対象とする空間のスケールは様々で、分野内でもさらに専門は分かれます。そういう意味で、様々な領域に関する理解が求められ、異なる専門の人たちとのコラボレーションが欠かせません。

領域横断的なGISとランドスケープ・デザイン

この領域横断的な点でもGISとランドスケープは似ているかもしれません。GISの技術や概念はデザインをする上で、無視できません。まずプロジェクトが始まった時に、提案をするためにはその対象地がどのような場所なのかを知らなければいけません。そのデザイン案を決定するための根拠になる分析を手助けしてくれるのがGISです。

アメリカ留学を決意した2つの理由、教育システムの違い

日本でも造園学や環境デザインといった分野がある中でなぜアメリカでランドスケープを学ぼうと思ったかというと、大きく2つ理由があります。1つ目の理由は、教育システムの違いです。日本でランドスケープアーキテクチャに近い分野を学ぼうと思うと、理工学系の学科に属することが多く、文系だった僕は理転する必要がありました。一方でアメリカの大学院教育は、学部時代に学んでいた分野とは違う分野を学びたい学生にも、修士課程に入れるような仕組みが整っていて、間口が広いというのが大きかったです。

ランドスケープの本場、Landscape Architectの社会的な認知

2つ目の理由は、ランドスケープの本場がアメリカだからです。Landscape Architecture という言葉を初めて使ったとされる人物はNew Yorkのセントラルパークを設計したフレデリック・ロー・オルムステッドという人物で、そこからこの分野は広がりました。社会的にもLandscape Architectという職能は日本よりも認知されていて、関わることのできるプロジェクトの数も圧倒的に多いと思います。by Yuta

New York セントラルパークにて。大都市の中に自然を感じる憩いの場を創出するのもランドスケープアーキテクチャの仕事です。May27, 2017, photo by Yuta

ランドスケープ・デザインはGIS誕生のカギ?!by Wataru

GISの基本機能の1つに「オーバーレイ(Overlay)」があります。これは「重ね合わせる」という意味で、異なる地理空間データをレイヤー(層)別に管理し、視覚的に重ね合わせながら電子地図上に表示して分析していくというものです(詳しくはこちら)。

「オーバーレイ」手法を提唱したランドスケープ・アーキテクト

この「オーバーレイ」手法(map overlay method)を最初に提唱したのが、イアン・マクハーグ(Ian L. McHarg)さんという有名なランドスケープアーキテクトなんです。1960年代に、NewYork, Staten Island の高速道路建設のコンサルティング業務を担ったのを機に、彼の名と手法が世界に広まったと言われています。マクハーグさんは、高速建設予定地のあらゆる環境情報(植生、土壌、土地利用、社会的価値…)を別々のOHPフィルム(透明なプラ板)に地図描画し、最後に重ね合わせることで、社会的・環境的負担を最小限にするルートを策定しました。

空間情報の体系的保存・分析・伝達手法の追求、GISの誕生へ

この考え方こそ、空間情報の体系的な保存・分析・伝達手法を追究するGISそのもので、GISの誕生につながったと語り継がれています。 Ian L. McHarg と  map overlay method を詳しく知りたい方は、ぜひ、マクハーグさんの名著「Design with  Nature」をご覧くださいby Wataru

■Steve Wonder「Superstition」 ■Monkey Majik×岡崎体育「留学生」■Janis Joplin「Me and Bobby McGee」■The Blue Hearts「青空

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