関西は梅雨入り、U-Cは野外ライブの季節
まだ5月だというのに、関西は梅雨入り。U-Cも今週は雨がよく降っています。UrbanaのWRFUのスタジオは、Tamakiさん、Ryutaさん、Tomさんです。前半は、Diner(24時間オープンのご当地大衆食堂)な話題とU-Cイベント情報、後半は、今日のメインスピーカーは、なんと、Tomさんです。「コミュニティラジオの番組の作り方」についてベテランパフォーマーにお話を伺いました。
Podcastは前半(No.114-1)と後半(No.114-2 & No.114-3)です
HS Podcast No.114-1 May31, 2013:ダイナーはメタル系? & U-Cイベント情報
HS Podcast No.114-2 May31, 2013 & HS Podcast No.114-3 May31, 2013:ラジオ番組をつくろう! with Tomさん、聞き手&通訳 Ryutaさん
Dinerはメタル質感?
5月にRyutaさんからHarkana Showのスタッフにこんな写真が送られてきました。MontrealでDinerっぽい外装のレストランを見つけました、と。そこでTateishiさんからの質問、Dinerはメタルな質感のものが多いのはどうしてでしょうか。Tamki説「元々ダイニングカー(食堂車)が原型だったからそれ風を取り入れた、40年代から70年代の流行のステンレスとタイルで粋に作った」。Ryutaさんも曰く、「日本でいうプレハブの作りが多かった」。それが今ではレトロでメタルなDinerなイメージを作っているようです。(A Life Devoted to the American Dinerの写真参照、その他にもDinerのイメージ)
U-Cイベント情報:野外コンサートの季節
◎ ジャズ演奏@Allerton Park:6月7日(金)6pm~
◎ 野外コンサート(Outside at the Research Park):6月14日(金) 6.30pm~ メインはVieux Farka Toure(ヴュ・ファルカ・トゥーレ)というマリ出身のギタリスト
◎ 屏風作りのワークショップ@Japan House:The Magic of Paper Hinges: Creating a Miniature Japanese Folding Screen: A Workshop with Shozo Sato: 6月22日(土)9:00 am to 4:00 pm & 6月23日(土)9:00 am to 4:00 pm、Fee for two day workshop: $150, or $125 for Tomonokai members or students(両日、昼食込みです)
How to Make the Radio Show @ コミュニティラジオ局 with Tomさん
今回のHarukana Showでは、WRFUのベテランパーソナリティ、Tomさんに、コミュニティラジオの面白さ、番組作りのこつを聞いてみました。トムさんは、WRFUでは月曜日夜7時からのTriple R(移民問題)、水曜日夜6時から11 th Indinan(Native American)という2つの番組のホスト役、金曜日6時からのHarukana Showでは機材を担当しています。
プロのミュージシャン歴20年、なぜ、わざわざコミュニティラジオを?
トムさんは 、イリノイ州シャンペーン生まれです。20年間、プロのドラマーとして全米でライブ活動をしてきました。そんな移動生活に区切りをつけて故郷へ戻り、会社勤務(イラストレーター)をへて、現在は、PACA(Preservation And Conservation Association, NPO)のDirectorをしています。定住生活を始めたものの、勤務時間以外は、時には市民活動家、時にはラジオパーソナリティ、時にはミュージシャンとして、地域で多彩な活動を続けています。
プロのミュージシャンとしてマスメディアの世界で活躍してきたトムさんが、なぜ、わざわざ地域の小さなメディアの活動に関心をもつようになったのか、そんな質問からトークは始まります。
小さな声でも、大事なことを伝える
私は、長い間プロのパフォーマーとしてマスメディアの仕事もしてきました。ラジオも数多く聞き、出演しましたが、マスメディアはテレビもラジオも、それが報道番組でも音楽番組でも、より多くの視聴者への受けを狙った「エンターテイメント」になっています。マスコミュニケーションとは異なり、コミュニティラジオは、視聴者数はわずかです。逆にいうと、限られた層の人々にも、”その人たち”にとって役立つ情報を届けることができます。世の中で何が起きているのか、自分が伝えたいと思うことを、それが多くの人の関心をひかない政治的な問題も、コミュニティラジオでは放送することができます。
小さなメディアでは、たしかに、どれほどの人がメッセージを受け取っているのかわかりません。ラジオを聞いている人は、わずか10人かもしれません。それでも、そのうちの1人から、「番組を聞くまでは、そんなこと考えもしなかった!」と前向きなリアクションを直接に受け取ると、番組を続けてよかったな、と思います。
見えないオーディエンスとのコミュニケーション
ステージで演奏するときとは違って、ラジオはオーディエンスが見えません。だからこそ、リスナーの存在をより意識して、おしゃべりをします。ある問題について情報を伝えるだけでなく、それを聞いている人はこんなふうに考えるかもしれないと想像しながら、自分なりのコメントを加えたりして、誰かとおしゃべりしているような気分で話します。お客さんを前にしたコンサートもスタジオでのラジオトークも、オーディエンスとのコミュニケーションをとるという意味では、ある種の演技、パフォーマンスが必要です。
コミュニケーションツールとしてのラジオ
これから番組を始める人へのアドバイス、そうですね、面白く話す、ウケを狙う、ということよりも何よりも、「何を伝えたいのか」を自分が分かっていることが大事です。お天気について話題にしようとしたのに、一言で終わってしまった。もう少し、どのような角度から話せばよかっただろうか。気温について? 風の向きについて? 風景について? 何かを伝えるために、自分なりにトークを工夫していきます。ラジオ番組も、コミュニケーションの1つのかたちです。by Tom
今日のトークは、Mugikoが担当している甲南大学の「メディア文化論」という科目の受講生からの質問をもとに構成しました。この授業では、ラジオ番組を作るというグループワークがあります。トムさんには、これから番組作りを始めてみたい、という人に向けてのアドバイスもお願いしました。トムさん、Ryutaさん、ありがとうございました。
ラジオ番組に関心のある方は、ぜひ、WRFUのスタジオに遊びにきてください。番組担当者が一人でマイクに向かうときの生き生きした表情や、ゲストとの楽しそうなおしゃべりを見ていると、生放送なのに緊張をこえて気持ちがほぐれます。見えない誰かに声をとおして伝えようとするとき、何かとふれて自分がそこにいるような気持ちになります。
実際の放送では、複数のスタッフが役割を分担して協力して番組をつくります。そこでの番組ホストは、自分が話すというよりも、番組を時間内に構成しながら、いかに聴いて、引き出し、つなげるか、という役割になります。そんな話題もまた、ゆっくりとHarukana Showでおしゃべりしてゆきたいと思います。by Mugiko
■ Last Gentleman “Lovology”(1984年にシャンペーンで結成されたバンドです。1993年に解散するまで、トムさんはドラムを担当していました。)■ pre-school “CHERRY PIE” ■ 東田トモヒロ「ラジオ」