No.574, March 25, 2022, ライブラリーでTRPG-基本編 with Ryuta

日本は、卒業、移動の季節

イリノイ大学は、春休み終わり、また春学期の後半ですね。日本は年度末の最終週、Tsujinoさんからのお便りです。「先日、大阪で思いがけず見つけたしだれ桜の写真をお送りします。先週から今週にかけて、卒業の季節。袴やドレス姿の学生たちを見かけます」番組収録は、3月23日(水)、SizuokaからRyutaさん、KyotoからMugikoが参加しました。Ryutaさんから図書館とアナログゲーム、そしてTRPG(テーブルトーク・ロール・プレーイング・ゲーム)についてお話を伺いました。TRPGとは何でしょう?Ryutaさんのお話を聞きながら、ワクワクしました。Podcast Part2&3をお楽しみください。

Part1, 東日本大震災から11年、「原子力緊急事態宣言」解除されないまま

Part2,図書館でボードゲーム?TRPGとは

Part3, 世界観を共有しながら参加者がみんなで物語をつむぐ

東京電力管内に「電力需給ひっ迫警報」

経済産業省は3月21日夜に、「電力需要ひっ迫警報」を初めて出しました。3月16日の福島県沖の地震の影響と3月22日の寒さと悪天候により、東京電力管内の電力需給が極めて厳しなる見込みとなったためです。暖房の設定温度を下げ、使っていない部屋の電気を消すなど節電が呼びかけられました。3月24日には警報は解除されました。朝日新聞DIGITAL2022年3月21日23時28分では、「この警報制度は東日本大震災後の2012年につくられた。震災後に実施した計画停電の手間の措置に位置付けられ、電力需要に対する供給余力が3%を下回る見込みになった際に出す」と説明されていました。

朝日新聞にはこんな記事も掲載されていました。「東日本大震災 が発生したその日に、政府が 出した「原子力緊急事態宣言 」は、いまだ解 除されていない。 東京電力福島第一原発 事故 の痛手は11年たっても重くのしかかる。…..朝日新聞DIGITAL3月22日5時00分

今もなお、原子力緊急事態のもとにあることを改めて考えさせれました。Mugi

ライブラリーでTRPG-基本編 with Ryuta

図書館でボードゲーム?

Mugikoが勤務する大学の社会学科図書室のリノベーション案を募りました。コロナ禍で図書館を利用する機会が少なくなり、学生たちが今、改めてライブラリーという場所の可能性を考えるという趣旨です。発表会で「図書室にボードゲームを置く」というアイディアが出されました。「えっ?どうして図書館で?」。Mugikoにとっては新鮮な発想でした。そこで、『図書館とゲーム』というタイトルの本を読んで、Ryutaさんに聞いてみました。「TPRGって知っている?」。Podcastの文章もRyutaさんがわかりやすく解説しています。

まず、「アナログゲーム」とは

デジタル機器が必要なビデオゲーム (コンピューターゲーム) に対して、電源を必要としないボードゲームやカードゲーム、TRPGなどを総称して、近年では「アナログゲーム」と呼ぶことがあります。伝統的な囲碁、将棋、チェスやすごろく (ボードゲーム)、トランプや花札 (カードゲーム) などから、それらを元にして近現代に考案されたゲーム (人生ゲーム、モノポリーなど)、さらには、より現代的なボードゲーム、カードゲームなどが含まれ、最近では、対戦型だけでなく、協力型、ナラティブ (物語性) 重視型など、さまざまなスタイルのものが存在します。

図書館とアナログゲーム

近年、図書館にはコモンズやメイカースペースのような「人が集う」「コミュニティとコミュニケーションを生み出す」サービスが次々に導入されていますが、そのような流れの中で、アナログゲームをイベントや所蔵資料に取り入れる図書館も、徐々に増えてきている印象です。ボードゲームには、人を集めるきっかけ、会話が生まれるきっかけになるようなタイトルがたくさんありますし、「ゲーム」という、日常生活とは異なる空間の中で失敗と成功を経験できるので、実生活で新しいものごとに挑戦する勇気を与えてくれるかもしれない。そういう意味でも、現代の図書館が持つようになったミッションと親和性が高いのだと思います。

TRPGとは

TRPGは、「テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム」の略です。(「テーブルトーク」の部分は和製英語で、英語圏では「テーブルトップRPG」を略してTTRPGなどと呼びます。) 基本的には、テーブルを囲み、ゲームの進行役 (マスター) と、参加者 (プレイヤー) との間の会話によってプレイを進めて、「物語」を作っていくゲームですが、プレイヤーが、それぞれ、物語の登場人物である「キャラクター」を作り、ゲーム世界内での役割 (ロール) を演じ (プレイ) つつ進行するところに特徴があります。元々は、『指輪物語』のようなファンタジーの世界を自分たちが主役になって冒険したい、というモチベーションから生まれたとされており、1970年代にアメリカで出版された Dungeons & Dragons (D&D) というタイトルが「元祖」と言われます。

TRPGの例。Mouse Guard (日本語未訳) はネズミの騎士たちになれるゲーム。(photo by Ryuta)

ルールと世界観の中でキャラクターを操るゲーム

TRPGは、プレイヤーがキャラクターの役割を演じる (かならずしも「演技」する必要はないですが、そういうふうにプレイすることも多い) ものなので「ルールのあるごっこ遊び」と形容されることもあります。好き勝手にキャラクターになりきって喋っていればよい、ということではなく、キャラクターの身体能力、知的能力や、技能、それらを比べるための判定方法といった「ルール」が存在することが、RPGが「ゲーム」であるゆえんなのだと思います。また、ルールだけでなく、そのゲーム世界がどのような世界なのかを設定した世界観も、マスターとプレイヤーの間で共有されます。一般的には、デザイナーがルールと世界観をセットで執筆し、「システム」として出版されています。

TRPGのおもしろさ

マスターは、その世界観とルールの中で、話の骨格である「シナリオ」を考えます。(たとえば、出現する敵や、出来する事件、問題、起こりうる結末などを考えておきます。) プレイヤーたちは、マスターが順に明かしていくシナリオの内容に、自分の役割に応じた反応をしながら、協力して、提示された事件などの解決に取り組みます。そのようにして、参加者全員で「物語」を作りますが、あくまでもゲームなので、能力や技能を比べる判定 (判定にはダイスを使うのが一般的です) には成功することも、失敗することもあります。シナリオによっては、マスターが準備した謎を解き明かしたり (殺人事件を解決するなど)、不意打ちやどんでん返しをうまく乗り切る必要もあるでしょう。物語を「なぞる」のではなく、自分たちの行動と運によって作っていくところにTRPGの醍醐味があるとRyutaは思います。 – Ryuta

TRPGで判定に使うダイス (サイコロ)。6面体以外にも4面体、8面体、10面体、20面体などいろいろ。(photo by Ryuta)

■旅を奏でる楽団カーバンクル「Musica caravan jig」「遊牧民と風の声」(TRPGのファンタジー世界の酒場にいそうな楽団、というコンセプトで活動しているバンドの曲から選んでみました。-Ryuta)

みんなで作るバーチャルな物語がリアルに面白い

このトークを収録しているときのRyutaさんの声がいつもより弾んでいました。ゲームの参加者が、そのTRPGの世界観を共有し、一定のルールにもとづいて、それぞれがあるキャラクターの役に自分を投じることで、その人らしさや意外な側面が普段より引き出されていくのかなあと思いました。ゲームマスターとプレイヤーのそれぞれのスキル、ゲームとしての偶発性、さらにグループダイナミックスによる思いがけない展開があって、みんなで作る物語りに参加者がどんどんハマっていきそう。テーブルを囲んだ物理的な空間とバーチャルな世界が接続するある種の二次創作ゲームを、図書館はどんなふうに活用しようとしているのか。Ryutaさんのお話は、来週も続きます。-Mugi

Champaign CounryのCOVID-19陽性者確認数、1週間前より微増

Confirmed Champaign County COVID-19 Cases, March 25, 2022, 7.28AM, CUPHD

 

カテゴリー: Harukana Show-Podcast パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です