No.634, May 19, 2023, Herbで地域貢献. 戦後日本のCIE図書館とUIUC図書館長

夏日の日本にU-Cから爽やかなメッセージ

5月18日にRyutaさん (Shizuoka) とMugiko (Kyoto) が番組収録を開始する直前に、U-C在住のSatomiさんからHarb Sale (HS No.633) について嬉しいメッセージが届きました(Part1)。後半は、Ryutaさんが、第2次世界大戦後、GHQの占領期において、日本の新しい図書館作りに関わったUIUCの図書館長Robert B. Downsについて話しています (Part2 & 3)。

Part1, 突然に夏日の日本。Herb Saleレポートby Satomi

Herb Sale 大盛況! – Satomi

こんにちは。先週土曜日のハーブセールですが、大盛況でした!多くのお客さんがたくさん買ってくださり、午前8時に開店、午後1時頃終わる予定だったのが、なんと始まって2時間後の10時頃にはほとんどのハーブが売り切れるという状態でビックリ。11時頃にはもう片付けも終わっていました。

私は8時から9時半までレジ担当だったのですが、ものすごく忙しくてセールの様子の写真を撮る時間が全くありませんでした。前日の夕方、セールの準備をしたボランティアに販売する機会があるのですが、それを含めても計3時間足らずで2,700ほどのハーブの苗が完売されるってすごいですよね。

園芸ボランティア活動を通じて笑顔に出会う、地域に貢献

なお、このセールで得た収益は、この地域内にある10か所ぐらいの図書館に寄付されたり、学校や非営利団体の園芸資金として助成金を贈ったり、Meadowbrook Parkにあるハーブガーデンのために使ったりします。とても慌ただしかったけど、好きな園芸のボランティア活動を通じてコミュニティに微力ながら貢献できて、そしてお客さんの笑顔も見られて、充実感あふれる一日でした。-Satomi

Part2, 占領期日本にCIE図書館、UIUC図書館長Robert B. Downs with Ryuta

Part3, 開架式、デューイ十進分類法、雑誌やレコードも、アメリカ文化にふれる 

占領期日本とUIUCの知られざる (?) つながり

今回は、第2次世界大戦直後の、いわゆる「占領期」の日本とUIUCとの、知られざる (?) つながりについて話しました。日本の図書館界は、第2次世界大戦後、大きく転換して、私たちがいまイメージする「図書館」の姿になります。そのときに大きな役割を果たした人物のひとりに、Robert B. Downs博士という人がいます。このDowns博士は、実は、当時、イリノイ大学の大学図書館長で、図書館学校の長を務めていました。

戦後改革とCIE図書館

第2次世界大戦後、GHQは、日本の戦後改革の一環として、まず、アメリカ文化を紹介するアメリカ式の図書館を日本各地の主要都市に作りました。(Civil Information and Education Section/民間情報教育局が設置したので、CIE図書館と呼ばれます。)これらのCIE図書館では、それまで日本の図書館になかった、開架式の閲覧サービス、利用者支援(現在のレファレンスサービス)、児童サービス、高度なカード目録を使った蔵書検索などの利用者サービスが提供されていました。

CIE図書館には米国で専門職資格を持つ司書が館長として派遣され、各図書館を管理していましたが、当時の日本には同等の養成教育を受けた司書は少なく、日本人スタッフの確保、養成に課題がありました。

日本図書館学校

しかし、1950年以前の日本には、帝国図書館と、その後進の国立国会図書館に講習所、養成所があっただけで、図書館学教育を行う機関は存在していませんでした。そこで、GHQの主導により、慶應義塾大学に「日本図書館学校 (Japan Library School)」が設置されることになりました。(1951年開校。現在も慶應義塾大学文学部人文社会学科図書館・情報学系として存続しています。)

設置の実務はアメリカ図書館協会 (ALA) に委託されることになり、ALAに選任されたDowns博士が来日して、図書館学校を設置する大学の選定や、米国から呼び寄せる専任教員の選定にあたりました。そして、CIE図書館の存在や、日本図書館学校で米国式の図書館学を学んだ図書館司書たちが、戦後の日本の公共図書館、大学図書館のかたちを作っていくことになります。

Downs博士

Robert B. Downs博士は1903年ノースカロライナ州生まれで、コロンビア大学の図書館学校で図書館学修士を取得。1943年から1971年まで、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の大学図書館長と図書館学校の長でした。1952年から53年にはALAの会長も務めています。第2次世界大戦後、日本の帝国図書館を国立国会図書館に改組したときにも来日してアドバイザーを務めており、その縁で、日本図書館学校の設立にも関わりました。

UIUCの図書館にはALAから寄託を受けたアーカイヴズがあり、Downs博士関連の文書の中に、日本図書館学校に関わっていた当時の手紙なども残っています。また、今回話した戦後日本の図書館改革、日本図書館学校などについては、以下の本に詳細が書かれています。(執筆者のひとりの今まど子先生は1950年代にイリノイ大学に留学し、イリノイ大学の図書館学修士号を取得されています。)-Ryuta

今まど子、高山正也(編著)『現代日本の図書館構想:戦後改革とその展開』
勉声出版, 2013.

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