地域メディアにおけるAI利用と今後の展望
Part2は、先週(No. 757)に続き、「地域メディアとAI」(後半)です。Tsujinoさんが参加しているKobeのHCM(ひがしなだコミュニティメディア)では、バーチャル鎌原さんが登場したり、地域情報をAIに学習させてスライド付きの動画を作成するなど、さまざまな形でAIを活用し、問題点も視聴者と共有してきました。今回のトークでは、地域メディアにおけるAI活用の方法論や今後の展望を語っています。
生成AIを使って、英語での音声解説!
Part3では、生成AI(NotebookLM)に、Tsujinoさんとのトーク全体の音声を学習させ、英語の音声解説を作成しました(Part3)。Ryutaさんも驚く「自然な」仕上がりとなりました(Part4)。-Mugi

「地域メディアとAI」トークを学習したNotebookLMが動画解説、画面の一部を抜粋(by Mugi)
Part2, 地域メディアとAI(後半):方法論と今後の展望、記憶をつなぎ直す
今週も、Podcast音源をNotebookLMにアップロードし、会話記録の要約を指示してできたテキストを、Tsujinoさんに加筆修正していただきました。-Mugi
Tsujino:世界のメディアの現場におけるAIアナウンサーの活用法に関する論考*によると、AIアナウンサーには、①人間が書いた原稿を読むレベルから、②人間が集めたデータをもとにAIが原稿を生成するレベル、③AIが自律的に発話内容を考え対話を行うレベルまであると紹介。地域情報はデータが明確なものが多いため、まずは②のレベル(天気予報やスポーツの結果のように、データをもとに情報を発信する形)での活用が取り組みやすいと考えていると述べました。今後の展望として、デジタル化の中で共有されにくくなっている情報を、AIを使って地域で「つなぎ直す」ことに可能性を感じ、取り組んでいきたいと意欲を見せました。
*鎌倉千秋 2025「世界のメディアにおけるAI アナウンサー運用と分類に関する一考察」『放送研究と調査』JULY2025
Ryuta:地域メディアでAIを使う難しさとして、「AIが学習するための地域情報そのものが少ない」という点を改めて指摘しました。最近のAIは検索エンジンと統合され新しい情報も扱えるようになりましたが、ウェブ上に公開されていない情報や、初めてデジタル化されるイベント情報などをAIが自律的に収集することはできません。また、AIが一度に扱えるデータ量には技術的な限界もあると補足しました。
Mugiko:最後に、記憶や記録をいかに繋いでいくかというテーマに対し、AIが新たな可能性をもたらすことに期待を寄せ、今後もひがしなだコミュニティメディアと共に考えていきたいと対談を締めくくりました。
Part3, The Challenge of Community Media (NotebookLM)
Part3 (HS Podcast No. 758-3(English by NotebookLM), Oct. 3, 2025)では、「地域メディアとAI」(前・後半)を、NotebookLMに学習させて英語で解説しています。男性と女性の2人のキャスターの対話形式ですすみます。下記はAIによる要約です。-Mugi
The Challenge of Community Media: Embracing Generative AI
Higashinada Community Media, an internet broadcast station, is actively integrating generative AI into its operations with the core goal of making video-based information sharing more accessible to the public. Driven by a philosophy of immediately adopting new technology to see what community media can achieve with them, the station is experimenting with diverse applications, such as generating local news videos from flyers, creating an AI avatar, and even producing an original theme song using simple text “prompts” in natural, everyday language. While embracing this technology, the station remains transparent about challenges like information accuracy, often broadcasting AI-generated content as is but clearly stating it was “created by AI” to share the learning process with the audience. Ultimately, the station views AI as a way to “reconnect” fragmented local information and preserve the community’s memories and records.

NotebookLMで「コミュニティメディアとAI」トークを英語で音声解説(日本語で収録したトークHS Podcast No. 757-2 & 3, No. 758-2を、NotebookLMに読み込ませ、音声解説をリクエスト):https://harukanashow.org/wp-content/uploads/HS-Podcast-No.-758-3English-by-NotebookLM-Oct.-3-2025.mp3
Part4, 自然な英会話、明快な解説、言語の壁を越える-Ryuta&Mugi
実は、日本語での音声解説もNotebookLMを使って作成したのですが、漢字の読み方や発音が不明瞭だったり、話し方に多少、ぎこちなさがありました。
英語版は、Ryutaさんがコメントされているようにとても自然な、リスニングのテストに使われるような少々かための(?)英語です。それでも、男女2人のキャスターの対話のノリがよく、日本語のトーク(50分ほど)を、13分ほどの英語にまとめています。内容を正確に把握し、分かりにく用語(プロンプト、トークンウィンドウ)には具体的な解説を加え、大事な点は強調しています。
言語の壁をこえたコミュニケーションの可能性
アメリカのコミュニティラジオ局において日本語番組の一部を英語でも届けることができると、言語の壁をこえたコミュニケーションの可能性が広がります。生成AIが急速に進化するなかで、それを使って何をしたいのか、そこでどんな発想が生まれるのか、これからが楽しみです。-Mugi

菓銘 秋桜 photo by Tsujino, September 2025
◼️Superfly「輝く月のように」*10月6日は中秋の名月、輝く月を楽しむことができますように。