U-CもSt. Louisもようやく秋
U-Cはようやく涼しくなり、Tamakiさんのメールによる、Hot cocoaが似合う秋になりつつ、あるようです。夜の気温がぐっと下がっていて、WRFUのスタジオのTomさんも、St. LouisのRyutaさんも上着を着ていました。韓国のAlexさんからのメールも、「天気も涼しくなりましたが、たまに午後でちょっと暑い時もあります」
Podcastは3部構成、関西弁がまじりながら
スタジオにも、もう一人、Mikeさんが一ヶ月ぶりの出演です。2年ほど大阪で過ごしたMikeさんの口からは、自然な大阪弁がこぼれます。Kyotoから出演のMugikoもつられて京都弁に、Ryutaさんもひきづられてイントネーションが普段と少々、違います。そんな感じで、後半は、「HIPSTER」って何?というテーマでおしゃべりしました。
HS Podcast No.289-1, Sept.30, 2016:もう秋、Alexさんのおすすめの曲
HS Podcast No.289-2, Sept.30, 2016:UCイベント情報
HS Podcast No.289-3, Sept.30, 2016:HIPSTERって何?
U-Cイベント情報
◎C-U Oktoberfest: 10/1 (土) 3pm-Midnight (Family and children activities 3pm-6pm) Orpheum Children’s Science Museum parking lot (Downtown Champaign at the corner of Neil and Washington St.) 入場$5. 収益はDevelopmental Service Centerの運営資金へ
◎University of Illinois Veterinary Medicine Open House: 10/2 (日) 10am-4pm U of I College of Venerinary Medicine, 2001 South Lincoln Avenue, Urbana
HIPSTERとは?
ちょうど、1週間前のことです。京都に観光にきたアメリカ人2人と我が家で食事をしました。その日は、母70歳代と、Mugiko50歳代とKanaさん30歳代の女子3人が、男性2人をお迎えしました。彼らはニューメキシコ出身の30歳代かなあ。初対面なのでお互いに紹介しあっているうちに、彼らから、Hipsterという言葉がでました。「何、それ?」と、この日、一番盛り上がった話題となりました。
意識高い系、逆ミーハー、スノッブ?
そこでMugikoが受け取ったHipsterのイメージは、「情報に敏感だがメインストリームにはのらず、何かにつけてこだわりが強く、アメリカ版意識高い系」
Kanaさんは、「初めて聞く単語でした。(あくまで彼らの話から)私がイメージしたのは、”逆ミーハー”でしょうか・・・。流行を追いかける「ミーハー」を意識するあまり、好きだからというよりは格好をつけて今「ミーハーでないもの」(自分たちのジェネレーションではないもの?)を追いかける、ということなのかなあと思いました」
Yukoさんは、「昔でいうたらスノッブみたいな使い方?その人にたいして、直接には言わないけど」
Hipsterのイメージ
番組に出演したアメリカ在住のみなさんに尋ねると、苦笑して、「難しいなあ〜」と。
Mikeさん「2000年代以降、よく使われるようになったけれど、Hipsterという言葉が使われば使われるほど、広い意味になって、何がHipsterかと問われると定義がしにくいなあ。自分ではなく、人にたして使います。でも、いい意味ではなくて」
Tomさん「人を評するときに使うけど、普通の人より自分はクールって、感じ。人よりHipで、優越感をもっているような、、、」
Ryutaさん「そうですね〜、こだわりが強くて、他の人より流行を先取り。そもそもHipという言葉が、定義しにくく、いろいろな使われ方をします。時には、いけてる(でも、階級文化的に洗練されたというのではなく)という意味であったり」
Hipsterのファッション
男性の場合、Hipsterと言えば、豊かな髭。Mikeさんによるとこれは、19世紀のアメリカ人男性の髭のイメージなんだそうです。Tamakiさんのメールには、周囲にHipsterはいないけれど、世に言うHipsterのファッションのイメージには、髭に加え、「眼鏡+スカーフ+たまにTattoo」というアイテムがついてくるようです。”Vintage”がお気に入りで、フィルムのカメラを首からぶら下げていたりします。モノへのこだわりも、最新をふまえたうえで、古いものへの愛着があります。
時代を映す言葉
Ryutaさんによると、Google N-Gram解析の結果がちょっと興味深いかもしれないですね。(Google Booksでデジタル化されている英語のテキストを元に、単語やフレーズの出現頻度を自動抽出しています。コーパスがGoogle Booksなので完全に代表的ではないですが、デジタル人文学の初歩的な手法のひとつですね。) 1960年代に一度ピークがあったあと、80年代にかけては下火になり、1990年代から2000年代にかけてふたたび使われるようになっているようです。
Hatena Keyword「ヒップスター」説明では、たとえば、1950年代のアレン・ギンズバーク『吠える』で言及されるHipsterは、「現代の感覚に敏感な人」「本当の感覚をもった人」といった意味合いが含まれ、1960年代の「Hippie」の語源でもあるようです。
「HIPな生活革命」?ある種の価値体系をもった人たち
佐久間『ヒップな生活革命―アメリカから、変革の波が広がる。』(2014)では、「今、ある種の価値観体系をもった人たちが、アメリカという文化の中でひとつの流れを形成しています」(p.14)として、その流れをこんなふうに説明しています。
「価値観の主流に与することなく自分のものを持っていますが、パンクやヒッピーといったかつてのカウンターカルチャーの旗手たちとの違いは、主流と共存しながら、自分の商売や表現を通じて自己の価値観を主張していること。パンクやヒッピーの価値観の一部を受け継ぎながら、テクノロジー革命の恩恵はしっかり受けつつ、手を動かして作られたものを評価する、そんな層です」(p.16)
「ヒップという言葉に付帯するネガティブなニュアンスは、現代においてはファッションやスタイルといった表層的な側面だけを「ヒップ」と表現しがちであることが原因かもしれません。….そもそも思想的、内面的なことも含まれていたはずの「ヒップ」を商品化し、パッケージ化しようとすうるメインストリーム、つまり大企業主導の文化からの要求によって、「ヒップ」の中身が形骸化し、羨望や嫉妬とともに意味嫌われるようになったのかもしれません」(p.21)
HIPな動きの背景にあるもの
HIPやHipsterという言葉がどのような意味をもつかは別にして、この本のなかで述べているような、たとえば「大量生産や消費主義を見直そう」という動き(佐久間2014, p.27)が、身近にもいろいろあるなあと思います。TomさんがディレクターをつとめるPACAは、地域で不要になった建材を収集しリユースする仕組です。U-Cのファーマーズマーケットもそうした動きのひとつかもしれません。先週のHarukana Showでお話ししたLondonのArt Self-Publishers’s Fairでも、おもいかえすと、ヒップな人たちが集まっていました。アメリカのPrinting Studioの発想もロンドンで展開していました。Harukana ShowのTateishiさんのZineやDIY関連のお話も、「ヒップな生活革命」と同時代現象だなあと思います。
「いけてない」HIPもあるかも
WRFUは、HIPな動きの最先端かもしれません。2005年に、古い機材を組み立てみんなで作った手作りラジオ局ですが、不具合がしょっちゅう発生します。今日も、機材が故障して放送ができずストリーム配信だけになってしまいました。(たいへん申し訳ありません)。WRFUのメンバーどうしチームワークという発想は希薄だけど、各人の番組への思入れは強い。そして誰かが面倒な書類手続きを行いストリーム配信が始まり、故障すると有志が時間をかけて修理してみせる。「いけてないHIP」もいいなあと思います。Mugi
Alexさんのおすすめの曲
僕の大学院入学試験も4週後なので、本格的な勉強モードに入りました。さて、今週僕が紹介する曲は韓国映画「ビート」のサウンドトラックです。曲を歌う歌手はイム・チャンジョンで曲名は「悲しい恋歌」です。「ビート」は1997年にリリースした映画で同名の漫画のモチーフにしました。ちなみにイム・チャンジョンもこの映画に出演していました。私はこの時子供だったので映画を見ていませんが、映画の人気はすごかったそうです。
■임창정(イム・チャンジョン)「슬픈연가(悲しい恋歌)」rom 비트 OST
Kanaさんのおすすめの曲
■ PERIDOTS「異常気象」「長かった一日が終わろうとしている」