No.316, April7, 2017,異文化のなかで「 身をもって知る」with Yu&Mayu

7年目のHarukana Show :「遥か」と「春香」

Harukana Showは、本日の放送で7年めとなりました(小学校を卒業して中学生!?)Hrukana Showという名前は、「遥か」と「春香」をかけています。コミュニティラジオをとおして、アメリカと海をへだてた遥か向こうの日本とをつなぐことができたら面白いなあ、と思って番組を始めました。2011年4月のことです。ちょうど、イリノイの長い冬が終わった春のことです。季節の香りがするような、日々の暮らしの身近な話題や、出演者の人生の「途中」のお話を聞きたいなあ、毎回が「続く」で終わるような番組だったらいいなあ、と思っています。

見えない壁を軽やかに越えたい

また、ハルカは、ベンガル語では「軽い」という意味もあります。目には見えないさまざまな壁を、軽やかに越えたいという気持ちもこめました。一人一人の声を届けるということが、これからますます容易ではない状況になってゆくかもしれません。WRFUのような、住民が支え誰でも参加できる小さな、開かれたコミュニティメディアが存続できる時代であってほしいと思います。Harukana Showも、これからもどうぞよろしくお願いします。

めで鯛飯@Kyoto, April2, 2017

Podcastは3部構成

今日のWRFUのスタジオは、毎週、勤めが終わってから駆けつけてくれる機材担当のTomさんと、KyotoからMugikoです。後半のゲストトークは、YuさんとMayuさんのワクワクする旅と大学での実践的学びについてのトークです。

HS Podcast No.316-1, April7, 2017:「7年め」「Alexさんのおすすめのリクエスト曲」「CUイベント情報」

HS Podcast No.316-2, April7, 2017:社会のニーズをくみとる建築by Yu

HS Podcast No.316-3, April7, 2017:メキシコでの建築ワークショップby Yu、自らを実験台にして学ぶ健康促進by Mayu

Sakura@Kyoto, April6, 2017

UCイベント情報

「日本館周辺に桜が満開を過ぎて散り始めてきてます、池に浮かぶ花びらも風情があっていいですよー」by Tamaki

◎Meditation Workshop@Japan House, 4月15日(土)16:15-18:15, $8-10:Join us for a meditation workshop with Mr. Kokai Matsushita.チケット情報はこちら

続きの話をしましょうかwith Yu-san & Mayu-san

3月24日のHarukana Showの放送後(HS Podcast No.314)、出演者のYuさんとMayuさんに、「実践から学ぶ」という体験について、さらにお話を聞きたくて、「もう少しお時間ください!」とお願いして、今回のトークを収録させていただきました。

Yu-san & Mayu-san,収録前、よろしくお願いします@WRFU Studio, March24, 2017

自分の美の追求より、社会のニーズをくみとる建築 

東京大学校工学部建築学科3年生のYuさんは、イリノイ大学の建築学部の授業を受講しています。そこでは、アカデミックな理論だけでなく、より現実的な設計が求められ、実現可能性が大きな評価ポイントとなります。たとえば、「Champaignのダウンタウンに、職住近接の建物を建て、郊外に住む人々を街のなかに呼び戻し都心の空洞化を防ぐ」といった設計課題がでます。社会のニーズに対応し、州によって異なる厳しい建築規制をふまえ、施工費や時間の制約も考える。そのためには、建築という学問領域にとどまらず、さまざまな専門分野と交流し常に広くアンテナをはっておく必要があります。

旅して現地の文化に浸る、メキシコでのワークショップ

大学がお休みになるたびに、「めちゃくちゃいっぱい旅した」というYuさん。印象深かったのは、ボストンのイザベラ・スチュアート・ガードナー美術館の建物です。新旧の建物が合体した時空間を越えたスケールの大きさに圧倒されました。「旅行も”行く”だけよりも、第三者ながらもう少し深く現地の文化に浸ってみるほうが面白そうだ」と考えて、RAW( Real Architecture Workshop )が主催するメキシコでのワークショップにも、おもいきって申し込みました。

Oaxaca, March12, 2017 by Yu

旅して現地の文化に浸る、メキシコでの建築ワークショップ

2017年3月は、イリノイ大学の春休みを利用して、メキシコ第2の都市Oaxacaへゆきました。今回のRAWのワークショップは、さらに奥地の山間部にあるエコツーリスムを推進している地域に、バーベキューレストランの一部として、屋外にコミュニティのための屋根付きスペースを作る、という1週間のプログラムです。

口論を闘わせ、コミュニティスペースを作る、最後はすかっと!

アメリカ各地から集まった参加者10名とインストラクター2名が、この課題に取り組みました。参加者が互いに自己主張が強くほとんど喧嘩しながら、折り合いをつけて全員で考えたデザインができても、資材や空間の制約のなかで実際の建築は変更を余儀なくされます。限られた時間のなかで、コミュニティのニーズにこたえる建物をなんとか仕上げることができました(下の写真です!)。あれだけ口論したけれど、だからこそ、プログラムの最後には、皆、すかっと!した気持ちになりました。

RAW,屋外のBQ用屋根@Oaxaca, March19, 2017, by Yu

以下、YuさんとMugikoのメールでのやりとりです。私が、「この写真は、眺めれば眺めるほど、日本の風景みたい。背景の山も、建築の素材も。これは、建材をいったん焼く”焼き板”ですか?長持ちする?」と書いたメールに、Yuさんが、丁寧な解説のメールを送ってくれました。

借景のコンセプトと日本発祥の伝統技術、焼杉板(Sho-Sugi-Ban)

背景の山を切り取るような”借景”といわれるものをコンセプトの軸として(借景はもともと中国の庭園技法のひとつで、日本でも広く特に寺社仏閣などで御神体となる山を切り取る目的で使われていました。英語でいうpicture windowですね!)、屋外のBBQ用屋根のようなものを作りました。

鋭いご指摘!この焼いた板、焼杉板(Sho-Sugi-Ban)といって、字のごとく杉の板を焼いたものです(笑)。実は日本発祥の伝統技術なんです!もともと板の表面を炭化させることで、耐候性、害虫対策になるので古くから木造住宅の外装材として利用されてきたのですが、最近ではそのテクスチャー自体が美しいということで、広く内装材などにも使用されるようになってきました。近年では,その有用性からアメリカ国内でもこのSho-Sugi-Banを使った建築が多くみられるようになってきています。

焼杉板(Sho-Sugi-Ban)@Oaxaca, March19, 2017by Yu

資材不足からクリエイティブなリユースの発想へ

今回のワークショップではそれらの利点に加え、何より難点だったのが資材不足でした。そこで、コンクリートの型枠として利用した杉材を表面を焼くことで再利用する方法をとりました。普通、型枠として使用された材は、表面にコンクリートの残りかすなどが付着してしまっているため処分されるのですが、表面を焼いてしまえばその汚れが分からなくなるため再利用できる!ということでSho-Sugi-Banを使用しました。

横長のベンチはそこでとれた立派な丸太をまるまる一本、地元の人の手で加工して作られたものです。これも風景を切り取る一つの要素として、また空間を規定するアンカーのようなものとして、また現地のメキシコ人の身長に合わせて低めのサイズで作られています。by Yu

メキシコの人形@Oaxaca, March12, 2017 by Yu

「生活習慣を変える」ことは容易ではない、と身をもって知るby Mayu

Mayuさんは、イリノイ大学で健康促進に関する授業を受けました。受講生はさまざまな分野、進路をめざす140人、それぞれが健康のために自らが取り組み課題を決めます。たとえば、ジムに通って運動をする、食習慣を変える、などです。そこで、紆余曲折をへて目標にたどりついたり、挫折したりする。自分が実験台となり「生活習慣を変える」ことがどれほどたいへんなことかを身をもって体験することで、その難しさの背景にある要因を考えていきます。そこで、個人の問題だけでなく、その人が育った環境、文化、社会、人種、気候など、さまざまな要素による影響にも気づきます。

「多文化のなかで視点を鍛える」「ニーズの一歩先を提示する」

Mayuさんは、日本とは異なる文化のなかで身をもって学び新たな視点を得ることの大切さを語ってくれました。Yuさんの、建築の設計は、コミュニティの外部の人間が担うことが多いからこそ、何が求められているのかを正確に把握したうえで、しかし、そこに留まらず、そのニーズの一歩先にある可能性を提示することができるのでないか、そこで建築家のセンスが問われる、という言葉も、とても印象に残りました。Mugi

ネコヤナギとサギ@Kyoto, April6, 2017

Alexさんのおすすめのリクエスト曲

もうすぐ来る中間テストに焦っているAlexです。来週と再来週がテスト期間です。緊張しています。宿題もやりながらテストの勉強するのはやっぱり大変です。いい点数を取るために眠いけど全力で勉強しています。

さて、今週僕紹介学生の名前はイ・ソリさんです。イ・ソリさんがリクエストした曲は、BIG BANGの「HARUHARU」です。(ちなみにここの「HARU」は季節の「春」じゃなくて「一日」の意味です。)リクエストした理由を聞いたらこう言いました。

「私が高校3年生の時、大学入学試験勉強ですごくストレスが溜まりました。そこで毎日この曲を聴いてストレスを忘れるようにしました。歌詞もいいのですぐにはまりました。最初はBIGBANGがアイドルグループだと知らなかったんですが、知った後、アイドルの世界にはまった感じがしました。」from Alexさんからのメール

■BIG BANGの「HARUHARU」■いきものがかり「笑顔」■ハナレグミ「旅に出ると」

鯛飯@Kyoto, April2, 2017

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