授業の最終日にZine Fest
イリノイ大学のEfadの授業では、12月11日に、学生たちが作ったZineを階段教室に並べてZine Festが開催されました。少し早めに会場に行くと、教室でまだ製本していたり、ホッチキスで思うように綴じれない、想定通りの印刷ができないとEfadに相談する学生など、開始直前までバタバタとしていました。
午後3時半に授業が始まると、Efadが今日の授業の進め方を説明をして、Zine Festが始まりました。プレゼンテーション用の階段教室の横長のテーブルの上に、20名ほどの学生たちのZineがおかれました。Zineの横には、フィードバック用の紙を置き、読んだ人が自由に感想を書いていきます。閲覧時間は1時間ほどです
Zineとスナックと音楽で歓談
教室の前方のテーブルには、お菓子と飲み物を並べ、Efadが「オススメの曲ある?」と会場の参加者に尋ねます(しかし、なぜか、教室のスピーカーから音が出なかったので、Efadのパソコンから直接に音楽を流しました)。受講生以外にも、Efadが声をかけた教員や大学院生もやってきました。
Zineの作り方が個性的
学生たちの作品は、まさにAmazing!10月のZine Workshopの前に提出された中間レポートからは大きく変わって、一人ひとりの「思い」がはみ出そうなZineばかりです。サイズや形、素材、組み立てなど「作り方」が個性的です。それぞれのアイディアを形にしようとして苦労したのではないかと思います。
主張するZine、考えるZine
テーマは多様です。ジェントリフィケーション、住宅、銃、人種差別、ワールドカップなどをめぐる問題を、シカゴなどの都市や、ある団体の活動を対象にして取り上げています。印象に残ったのは、現状や問題を指摘するだけでなく、それを変えていこうと訴えかける、「主張するZine」になっていたことです。色々なサイズの手書きや切り貼りの文字と写真や絵を駆使して、ページに挟んだ紙を取り出し開いて読ませたり、読者の手を動かさせて「気をひく」。そんな細工も、Zineが呼びかけてくるようで、いいなあ。
また、それぞれのZineは、特定の場所のある問題を取り上げるだけでなく、それをglobalizationやcolonizationなど世界の経済、政治、歴史、ジェンダーなどの視点からも考えようとしています。毎週3時間、この授業をみっちり受けて学んだ多角的な視点が、それぞれのZineにも織り込まれています。
問題に関与する、向き合う
授業が終わって片付けをしている時に、Efadに聞いてみました。「学生たち、Zineを作りながらActivistになってますね。普段の課題レポートと、こうしたZineの形にするのと、何が違いますか」。Efad曰く、「レポートは調べたことをまとめるだけで読んでいても退屈なものが多いけれど、Zine制作という課題にしたことによって、その問題に学生が関与(engage)するようになった」。学生たちが、ある団体や活動に注目して調べたり考えたり伝えようとするうちに、その問題に取っ組み合っていく様子が、Zineからも伝わってきました。(Mugi)