Blog:LondonからZineレポート(11)BookartbookshopでSKU Fieldwork ProjectのZine作品展示!Jan.17 &24, 2019

まさかの夢が現実に

2017年9月、Bookartbookshopを訪問した時に、甲南大学文学部の「フィールドワーク研究」で学生たちが制作したZineの写真をTanyaに見せました。「へえ、いいじゃない、このお店のショーウィンドウに展示したら」という言葉が返ってきました(「LondonからZineレポート(9)」)。まさか、私が英語を聞き間違えたのかもしれない、と思いながらも、いつか実現したらいいなあと夢みていました。

Bookartbookshopに来ると、まずは店の外からショーウィンドウを眺めます。そんな私を店の中から見つけると、Tanyaはいつもドアを開けてくれます。今回は、2018年度「フィールドワーク研究」の学生たちのZineの写真だけでなく、作品を10点を選んで持ってきました。Tanyaに見せながら、「このお店のショーウィンドーに展示できたら、いいなあと思います」と言うと、「明日すぐに、というのは難しいけれど、1週間後ならどうかしら?」と、普通の事のように返事が返って来ました。「はい!」と即答。

Tanyaは、「じゃあ、1月24日木曜日の正午、開店時間に来てくれたら、一緒にZineを並べましょう」と言うけれど、それまでにどんな準備をしたらいいのだろう?

イベントには名前をつけなきゃ

展示会を企画した経験はないけれど、イベントにはまずは「名前」をつけなきゃ。こういう展示は、何と呼ぶのだろう?Tanyaに尋ねると、お店のポストカードの裏に、「Window Resindency」と書いてくれました。窓を占拠するみたいだなあ。

それから、宣伝も。

イベントの名前が決まったら、次は「宣伝」かな。Hammersmithにあるホテルに戻ると、早速、パソコンでポスターとフライヤーを作りました。けっこう、それっぽく、なりました。ロンドンの知り合いにメールに添付して送りました。Harukana Showのサイトにもアップしました。それから、近所のフォトショップでA3用紙にカラープリントしました。店員さんが、ポスターが折れないように大きな頑丈な封筒に入れてくれました。

Zine作品に英語タイトルのタグ

学生たちのZineは、それぞれのテーマでフィールドワークを行い、そのインタビューもとに、様々なスタイルで作品にしています。全て日本語なので、英語圏では内容が伝わりにくい。タイトルを英訳した一覧表は作成しているけれど、それぞれの作品と照合しにくい。一つひとつのZineに英語タイトルをどのようにつけようか。

手元にある文房具は、ボールペンとノートと何種類かのシールしかない。Hammermsithのショッピングモールの「Flying Tiger」を30分ほどうろうろして、こんな「荷札」を発見。これに白の紙を貼り、4色のフェルトペンで英語のタイトルを書き、ゴム紐でZineにぶら下げる(全て£1なり)。学生たちのZineはクラフト紙を使っているものが多いので、雰囲気がぴったり合います。

英語タイトルを貼り付けた荷札の裏には、たまたま持って来た和紙の渦巻シールを貼りました。Bookartbookshopのドアの模様も渦巻きです。これで、この書店でのWindow Residencyの準備ができました。

BookartbookshopでSKU Fieldwork Project のZine展示!

1月24日は、雨のち晴れ。開店時間より30分早く到着したので、しばらく近所で雨宿り。Tanyaが正午より早く店のドアを開けてくれました。

Tanyaはショーウィンドウの展示物を全て移動させ、それからZineを一つずつ置いてゆきました。途中で、「あと、あなたが好きなように仕上げてみて」、と言いながら窓には、通りがかりの人に見えるように、あのポスターを貼ってくれました。

正午から6時の閉店まで、時間が過ぎてゆくのが惜しくて、ずっと店にいました。どんな人が通り、どんな風に窓を眺め、展示に目を留めるのか。このお店にどんな人がやって来て、Tanyaとどんな会話をするのか。

Tanyaからの連絡を受けてこの展示を見にきてくれたStefanと話すと、私がGrassroots Media Zine, No.3でテーマにしたJohn “Hoppy” Hopkinsを知っているという。そこで、私が持っていたGMZ3と、彼が撮影した写真入りの本、Chalet Fields of the Gowerを物々交換しました。その夜、GMZを読んだ感想のメールをいただき、こうした出会いがあることがとても嬉しかったです。

言葉の壁をこえて伝わる何か

BookartbookshopでのSKUのZine展示を通して、学生たちのZineには、言語の壁をこえて、作品として伝わるものがあると思いました。なかには展示されたZineを熱心に見てくれる人もいました。日系の方だったり、Zineを作っている人たちだったり。展示を見てくれた人から、daikon*zineというタイトルのZineと活動があることをを教えてもらいました。

日常の言葉の中でアートなるものに触れる場所

夢のような半日でした。店には、お客さんだけでなく、作品を持ち込む人、近所の小学生、Tanyaの友人のアーティストたち、いろいろな人たちが来て、話をしていきます。そんな、日常の言葉がゆきかう場所で、アートな本を手にとり眺めていると、アートなるものがす〜と身体に入ってゆくような気がします。そんな場所に、SKUのFieldwork ProjectにZineを展示させてもらえてとても光栄です。TanyaとBookartbookshopに心から感謝しています。Mugi

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