No.451, November15, 2019, 「GIS で墓地ツアー、地図もメディア」GISシリーズ No.2, with M. Wataru-san

Wataru&Ryuta&Mugikoトリオトーク

本日は、WRFUのStudioにWataruさん(イリノイ大学地理学部博士課程)をお迎えし、日本のShizuokaからRyutaさん、KyotoからMugikoの3人で、元気におしゃべりをしました。 Wataruさんは、3回目の出演です(HS No.429-2, No.435 )

Part 1. 季節の話題〜山下達郎とシティポップ

U-Cは寒波、氷点下18度

WRFUのスタジオでは、機材担当のTomさんが、番組中、大きなくしゃみをしていました。U-Cは、Wataruさんのお話では、今週は氷点下18度まで気温が下がったそうです。

Part 2. GIS Dayふりかえり&GISとは?

先週の放送 (No.450, November8, 2019) で紹介した通り、11/12 (火)にイリノイ大学でGIS Dayを記念したイベントが開催されました。Part 2では、WataruさんにGIS Dayを振り返っていただき、GISがどのような場面で使われているのか、大学のどのような場所で提供されているのかなどを話しています。Wataruさんに文章もまとめていただきました。

GIS Day イベントに参加 by Wataru

Wataruさんが専攻するGISとは、Geographic Informaion Science(地理情報科学) の略で、コンピュータ等を使って、位置に関するデータをどう扱うか追究する学問です(詳細はHS No.429-2)。そしてGIS Dayとは、GISの普及啓発を目的とした年1回のイベントデーです。GISソフトウェアを販売するESRI社が1999年よりアメリカで仕掛け始め、今では世界に広まっています(GIS Day

各大学のGIS取り組み

イリノイ大学では、地理学部主導でポスター発表、基調講演、スポンサー企業社員によるパネルディスカッション等を開催。外は極寒だったにも拘わらず、多くの方にお越し頂きました。Ryutaさんが勤めていた当時のワシントン大学セントルイス校でも、図書館が主導しポスター発表、ワークショップなどを開いていたそうです。また、図書館にGIS の研究チームやGISソフトが使えるパソコンのある部屋が存在し、幅広い分野の学生・教員が参加利用していましたとのこと。

図書館のGIS相談窓口、様々な専門領域でのGISの利用

イリノイ大学でも、図書館がGIS Dayのスポンサーの1つになっていました。そして、Scholarly Commonsと呼ばれる図書館の相談窓口にてGISの研究支援をおこなっています。図書館で全学的にGIS研究をサポートする理由にGISの適用範囲の幅広さがあります。例えば、地理に限らず他学部でもGIS授業が展開されています(イリノイ大学でのGIS関連授業リスト) 。GIS Dayでも健康、交通、経済など様々なテーマのポスターが展示されていました。

Part 3. (Virtual) Cemetery Walk、Seichi Konzo、GISもメディア

バーチャル墓地ツアーをGISのWeb地図に

多様な発表講演があったGIS Day。そこでWataruさんはVirtual Cemetery Walkというタイトルで、イリノイ大学の歴史を紹介するWeb地図とポスターを発表されました。具体的には、ArcGIS StoryMapsを用いて、イリノイ大学の敷地内にある墓地(Mt. Hope & Roselawn Cemetery)に眠る当大学の先駆者たちの話を、テキスト、対話型の地図、写真で紹介しています。Web地図は、現在も公開中です

墓地ツアーでSeichi Konzo 教授に扮する

このテーマを選んだのは、去年のホームカミングウィークに大学同窓会が企画した墓地散歩ツアーで、日系人の教授の役をボランティアとして演じたのがきっかけでした。その方の名前は、Seichi Konzo 教授(1905-1992)。1929年から1971年までイリノイ大学の機械工学科に教授として在籍し、家庭用空調設備(クーラー、ヒーター)の開発に専念されました。その開発秘話も、HSでWataruさんに話していただきました。

Seichi Konzo教授の家庭用エアコン開発秘話

「1930年頃、当時は映画館や市役所など公共施設にはエアコンが導入されつつあったものの、家庭用エアコンはありませんでした。そんな中、Seichi Konzoさんは当大学に赴任。北米初の空調設備実験用住宅にご家族と2名の大学院生と共に住み込み、数多くの実験を行いました。毎日2トンもの氷の塊を地下に敷いたり、金属の配管に冷却水を流したり、天井にファンを付けたりなど、思いつくことは全て実行したそうです。その結果、史上最大級の熱波が北米を襲った1936年、シャンペーンでも最高気温100℉(38℃)以上の日が20日近く続く酷暑の中、実験住宅内は80℉(26℃)に保つことに成功。その後、実用化に至り、多くの人の暮らしを支えました。」

Research Residence No.1がUrbanaに現存

実験用住宅は、Research Residence No.1 と呼ばれ、Engineering Quad の近く1108 West Stoughton Street, Urbanaに現存しています。Ryutaさんは近所にお住まいだったこともあるそうですが、その存在を知らなかったとのこと。ポスター展示でディスカッションした参加者の多くにとってもこのストーリーや実験住宅の存在は初耳だったそうです。

Web地図では、他にもアメフトチームのコーチやマーチングバンドの指揮者、マイノリティの学生を支えたアフリカ系アメリカ人スタッフ、リンカーン一家の伝記を書き歴史学部躍進に貢献した女性、などたくさんのストーリーがあります。ぜひご覧になってみてください。

地図(GIS)もメディア、コミュニケーションツール

Wataruさんは今回のイベントを通じて、ご自身がイリノイ大学の歴史を知ると共に、web地図やポスター展示をもとに参加者と議論することで、新たな先駆者を紹介してもらえたり、参加者と墓地との関わりを知れたりとストーリーが時空を超えてより生きたものになったと感じたようです。地図(GIS)もメディアで、格好のコミュニケーションツールになるところが魅力の一つです、と総括されていましたまとめ by Wataru

地図は生きている

地図を通して、時空間を超えて様々な人々の記憶がつながり、情報が集まってくる。「地図は生きている」と思いました。WataruさんとぶらりGIS、続きのお話をとっても楽しみにしています。Mugi

■山下達郎「RIDE ON TIME(アルバム・ヴァージョン)」■ 井上陽水「女神」■SHISHAMO「明日も

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