No.508, Dec.18, 2020, オンライン学習環境と授業作りの工夫 with M. Wataru

オンライン授業体験 with M. Wataru

今週は、イリノイ大学地理学部大学院博士課程のM. Wataruさんのトーク後半です(前半はHS No.507)。静岡のRyutaさんとKyotoのMugikoとの3人トークは12月9日に収録しました。今週は、Wataruさんのオンライン授業体験についてお話を伺っています。

Wataruさんが、韓国のKongju National Universityに勤務するJeon-Youngさん( No.459, No.460 , No.470))と、3月にHSに出演してくださった九州大学のYoshinoriさんとKotaroさん(No.469)にもオンライン授業の様子を尋ねてくださいました。

Part1, 各地で積雪。Jeon-Youngさん、Yoshinoriさん、Kotaroさん近況

学期途中で突然オンライン授業に変更  by Jeon-Youngさん 

「Jeon-Youngさんが勤める大学では、対面授業を実施していましたが、COVID-19の再流行を受けて、12月9日から完全オンラインへの移行を余儀なくされました。学期途中での突然の変更で、対応に苦慮している」とのことです。

座学はオンライン、実験等は対面 by Yoshinoriさん&Kotaroさん

九州大学のYoshinoriさん、Kotaroさんからは、「お久しぶりです!九大は、実験等は対面で行っているところが多いようです。また、座学のみの授業はオンラインが基本です。研究室は開放されており、感染対策をしたうえでの活動許可が出ています。部活やサークルも対策を講じながら活動を行っています」。また、Yoshinoriさんからは、「鳥人間コンテストは、今年は残念ながら中止でしたが、来年は開催予定なので再び頑張っています」とのことです。by Wataru

来年は、Jeon-YoungさんのGISシリーズの続き(ポケモンGoのお話)、Yoshinoriさん、Kotaroさんの鳥人間や空手の活動のお話をぜひ伺いたいです。楽しみにしてます。(Mugi)

オンライン授業の話をしよう with Wataru

Part2, コロナ禍以前からWeb授業経験、LMSやオンラインビデオ会議も活用

Part3, 留学生TAのための英語講座、授業作りトレーニング、教育学習支援

Wataruさんに本日のトークのまとめも書いていただきました(青色)。ありがとうございます。

オンライン学習環境

私の場合、指導教員の都合や、RA・TAの仕事の関係で、コロナ禍になる前からオンラインで研究、勉強する機会がありました。そのおかげという事もあって、今年3月、春学期の途中に、大学が授業を完全オンラインへ切り替えたときも、いきなり未知の世界となり慌てるようなことはありませんでした。また、コロナ以前の対面授業においても、資料共有、課題提出や添削等にLMS (Learning Managment System)が積極的に使われており、多くの学生にとっても、オンラインを活用した学習環境は、以前から慣れ親しんでいた部分もあったと思います。

授業で使う資料の配布には、刊行済みの雑誌記事や書籍の一部を使う場合は、図書館のE-Reserve (電子リザーブ) という仕組みも以前から使われていますね。学期前に大学図書館に依頼しておくと、電子化されていない資料は図書館が電子化してリザーブに配置してくれます。これも昔は、物理的にリザーブ書架というものがあって、そこに置かれている本や雑誌記事を自分でコピーしていたのですが、電子リザーブは図書館に行かなくてもダウンロードして利用可能なので、大きく仕組みを変えることなくオンライン授業にも対応できたはずです。

日本では、改正著作権法の運用が前倒しで施行されて、今年度から、完全リモートのオンライン授業でも電子化した資料の利用が簡単になりました。ただ、図書館などが組織的に電子化を行ってリザーブのようにプールしておくことは、基本的にはまだ認められていないはずです。- Ryuta 

オンラインビデオ会議システムを使った授業

オンライン授業を受ける中で気付いた点があります。例えば、オンライン特有の問題として、カメラの位置とビデオ会議システムの画面の位置が離れていると、本人は画面に映る相手の目を見ていても、よそ見しているように見えるという事に気づきました。不都合ばかりではなく、メリットもあります。画面上に顔と名前がセットで表示されるので、お互いの名前を呼び合いやすいという事にも気づきました。

授業づくりのトレーニング

秋学期に、外国人TAのための英語講座を受講しました。TAとしてどんな授業が魅力的で良い授業なのか、英語学習と共に追究しようというものです。教授法の教科書の内容を、学生間で模擬授業をしながら教え合ったりもして、結構面白かったです。例えば、授業中、学生のやる気をあげて集中力を切らさないようにするには、1)授業各回の冒頭で、その回の成果目標を提示し、目的を明確化する。2)クイズや少人数での議論をこまめに挟み、集中力を切らさない等、役立つ知識を実践形式で学びました。

*WRFUの番組も、1つの話題を長く話し続けず、15分程度でまとめると聴きやすい、とアドバイスを受けたことがあります。by Mugi

授業にかける熱量、院生も教育実習経験

アメリカの大学は、コマ数や学費、給与査定等の影響もあってか、日本の大学に比べて1つの授業に掛ける時間や熱量が、教員も学生も高いと思います。また、大学院生がTAやInstructorとして教授並みに授業や演習(の一部)を担当する機会も多いと思います。PhD取得前に教育実習経験を積めるのは有難いですね。

高等教育を全学的に支援

イリノイ大学には、教育研究を行う全学共同の研究所があります。Center for Innovation in Teaching & Learning (CITL) という高等教育を支援するセンターで、大学の教職員が、専門スタッフの支援や協力を得ながら、教育法やそれに付随する最先端技術を習得できる体制が整っています。これも、魅力的な授業提供のカギの一つと思います。放送中に述べた外国人学生がTA資格を得るための英語運用能力テスト(EPI)の運営も、昨年Mugikoさんと巡ったVRや3Dプリンター教室、対話型授業向け教室の開発も、このCITLが担当しています。まとめby Wataru

本格的な教育・学習支援

イリノイ大学に1年間、研究員として在籍している間に、異なる専門分野のスタッフとお話しする機会がありました(HS Blog「イリノイ大学の授業作り、学び合いのプロセスを協働でデザインする、September9, 2019」)。授業作りについて、教育学習支援に対する「専門的、組織的なサポート」、科目の特性に応じた「授業デザインの創意工夫」、教職員、学生を含む「さまざまな専門家、参加者との協働」、という点が印象的でした。

授業作りの創造的なモチベーション

Wataruさんのお話を聞いて、イリノイ大学では、授業作りの基本と基準がある授業関係者のあいだである程度共有されているので、そこから多様な人とのコラボレーションが展開しやすくなるのかな、と思いました。また、Ryutaさんが言及されていたように、その大学が何に重点をおくのか(先端研究、教育、地域連携など)や、授業評価制度とその活用の仕方によっても、一人の教員が担う授業負担や、一人ひとりへの教育活動に対するモチベーションも変わってきます。

2021年はコロナ禍のによって教育にもさまざまな影響がありましたが、オンライン授業の経験は、今後の授業作りに活かせる学びもたくさんありました。そこでの気づきは、教育だけでなく、例えば地域活動など、いろいろな場にも活かせるのではないかと思います。HSでは、来年も、ゆっくりおしゃべり続けてゆきます。by Mugi

UIUC JPN COVID-19 Town Hall

◎2020年最後のTHは、Wednesday, 12/30, 6:15-7:00 PM

UIUC JPN COVID-19 Town Hall Dec.18, 2020, Slide p.17, by Tatsuya, C-U Public Health District

Champaign Countyが含まれるRegion6全体でもaCOVID-19感染者数は減少傾向。

UIUC JPN COVID-19 Town Hall Dec.18, 2020, Slide p.18, by Tatsuya, CUPHD

Champaign CountyでもCOVID-19ワクチン接種を開始。最初に医療従事者から。

UIUC JPN COVID-19 Town Hall @ UIUC JPN Town Hall, アクセス

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