Tatsuyaさんのトーク後半
イリノイ大学も秋学期が始まり、キャンパスも街も人出が戻ってきました(HS No.544-1)。昨年はこの時期にCOVID-19感染が爆発的に拡大しました。UIUCは今年の秋学期はどのように対策をしているのか。Tatsuyaさん(イリノイ大学原子力工学専攻助教)に2回に分けてお話を伺いました(前半:HS No.543)。今回のお話は、ワクチン接種についてです。Tatsuyaさんとのトークは8月15日に(Part2)、RyutaさんとMugikoのコメント(Part3)は、日本時間8月26日に収録しました。Tatsuyaさんに、その後の最新情報もくわえて、Podcastの文章にまとめていただきました。現在の状況についての貴重な記録です。
Part2, UIUCの感染症対策とワクチン接種 with Tatsuya
Part3, ファイザーのワクチン正式承認、コメントwith Ryuta
米国内のCOVID-19ワクチンを巡る最新の動向
ワクチン接種の緊急使用許可 2020年12月
米国内では、2020年12月にPfizer/BioNTechとModernaのmRNAワクチンに対し、FDA (Food and Drug Administration:アメリカ食品医薬品局) から緊急使用許可が出されました。その後、CDCや各州の保健当局のワクチン接種指針が定める優先順位に基づいて接種が急ピッチで進められ、例えばIL州では、今年4月上旬以降、希望者全員 (Pfizer/BioNTechワクチンは12歳以上、ModernaとJ&Jは18歳以上) が接種を受けられる状況にあります。
デルタ変異株の拡大2021年6月〜、感染防止効果低下、重症化防止効果は高水準
今年6月以降は、米国内でのデルタ変異株の拡大に伴い、特に軽症~中等症に対する感染防止効果が低下したことを示唆する科学的データ・知見が複数報告されるようになりました。現時点 (2021年8月下旬時点) でも、重症者防止に対するワクチンの効果は高い水準 (90%以上) が維持されていると推定されています。
Booster接種 (2回目接種完了から8ヶ月経過後) 2021年9月中旬目標
しかし、中長期的には、重症者の防止効果も低下する事態が想定されるとして、米国政府は、9月20日頃を目標に、mRNAワクチン (Pfizer/BioNTechとModerna) のBooster接種を、2回目の接種完了から8カ月経過後の人々を対象に順次開始する方針を発表しています。-Tatsuya
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*「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは新しい仕組みのワクチンということですが、どこが既存のワクチンと違うのですか。」厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」
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Pfizer/BioNTechワクチンの正式承認とワクチン義務化の流れ