No.224, July10, 2015 En-Zineトーク(3)「もう1つの生き方、やり方」with Sabu-san

WRFUのスタジオからTamakiさんとおしゃべり

Tamakiさんが久しぶりに、UrbanaのWRFUのスタジオに来てくれました!1年7ヶ月ぶりです。Tomさんがスタジオから、St. LouisのRyutaさんとKyotoのMugikoをインターネットでつないで、6時からいつものようにHarukana Showを開始しました。ところが、また送信機に不具合が生じたようです。WRFUのメンバー(近隣に住むボランティア)が駆けつけ、原因を確かめています。申し訳ありません。6時からのトークを収録しましたので、Podcastでお楽しみください。

Podcast 3部構成

3部構成です。第1部は、環さんの日本滞在の感想、第2部はU-Cイベント情報、そして第3部はEn-Zineトーク3回め、ZINE『未知の駅]』編集長のSabuさんのお話です。「もう一つの生き方」とZine、詳しい文章と写真も下記に添えます。

HS Podcast No.224-1, July10, 2015:クマモンは出張多し?日本で3回も地震with Tamaki

HS Podcast No.224-2, July10, 2015:U-Cイベント情報

HS Podcast No.224-3, July10, 2015:En-Zineトーク(3)SabuさんにとってZine作りとは?

もうすぐブラックベリーの収穫です@Mugiko House, Kyoto,  July10, 2015

もうすぐブラックベリーの収穫です@Mugiko House, Kyoto, July10, 2015

U-C イベント情報

Farmers Market@Urbana:毎週土曜日午前中のダウンタウンUrbanaでのファーマーズ・マーケット、Tamakiさんのお話では、フード・トラックの種類が増え(石焼ピッツアも!)、人も以前より多くなっているようです。スイカやメロンのトラックは、今シーズンはまだ登場していません。今週はどうかな。

Champaign Music Festival: 7/11(土) 6:00pm – Midnight, Downtown Champaign、夏の夜を、歩行者天国のミュージックイベントで楽しむ

Outside at the Research Park: 7/17(金) 6:30pm- U of I Research Park、夏の夜の野外音楽を芝生でピクニック風に楽しむ

UrbanaでもChampaignでも、屋外の音楽イベントが増えているようです。こうした話題に続いて、TamakiさんとRyutaさんとビール話。Tamakiさんはミクロネシアのポンペイ島では、アメリカや日本のビールも一般的なものは安く入手できたそうです。でも、イリノイに戻ると、やっぱり地ビール。その年に売り出される新しい商品もあります。イギリスのビールは常温で飲む場合もありますが、アメリカでは日本と同様、冷えたビールが一般的です。

En-Zineトーク3Sabu-sanの場合

さまざまな「もう1つの生き方」を伝える

2015年6月にOsakaで開催されたカルチュラル・タイフーンで行われた座談会、En-Zine(縁Zine):「反時代的対話醸成装置」の収録をお届けするシリーズ3回め、ZINE『未知の駅』の編集長Sabuさんのお話です。(En-Zineトーク(1) Tateishi-san:「ZINEな生き方」Podcast No.222、(2)Mugiko:「途中を形にして共有する」Podcast No.223)。

Sabu-san[1988年、福岡出身、編集者。ZINE『未知の駅』編集長

Sabu-san、1988年、福岡出身、編集者

ZINE『未知の駅』とは?

3.11と原発事故を機に、自分たちの生活のあり方を見直すためのZINE『未知の駅』を創刊しました。「もう1つの生き方」をテーマに各地の(大きなものに頼らない)インディペンデントな実践(パーマカルチャーやモバイルハウスなど)や人物たちを紹介しています。ZINEは100ページ、フルカラー、発行部数1000部、現在Vol.5まで発行し、全国各地のユニークな書店やカフェ約30店舗で取り扱っています。

『未知の駅』Vol.2-4 表紙のデザインも不思議、素敵 photo by Mugi, July10,2015

『未知の駅』Vol.2-4 表紙のデザインも不思議、素敵 photo by Mugi, July10,2015

ZINEを知ったきっかけは?

毛利嘉孝さん(東京芸大)の『はじめてのDiY』を読んだことと、タテイシナオフミさんのフリーペーパー『HOWE』に出合ったことがきっかけです。「自分でやり方をつくる」ことに関心があったのでZINEでそれを実践し始め、かれこれ4年が経ちます。 2013年3月11日には、株式会社未知の駅を設立し、大学で使われる冊子の製作や、商業誌(『SINRA』(新潮社)、『旅と鉄道』(朝日新聞出版))の編集なども手がけています。

SabuさんにとってZINEづくりとは?

ZINEづくりとは、新しい地図をつくるようなもの。自分の興味関心から生まれたZINEが中心となり、その周りに集う読者・製作者・賛同者たちとのゆるやかなネットワークが形成される。それはお金、モノ、情報における独自の流通を構築するプロセス(=やり方をつくる)でもあります。

そこに参加する人たちはだいたい「自分の友達の友達」くらいの関係性なので、決して大きなネットワークではありませんが、大きくなりすぎないことにこそむしろ意味があると考えています。というのも、現代のライフスタイルの根源的な問題は、自分たちの生活が誰の手によって支えられているのかわからなくなってしまっている「顔の見えない関係性」にあるのではと考えているからです。

『未知の駅』Vol.2-5 裏表紙もお洒落

『未知の駅』Vol.2-5 裏表紙もお洒落

大きすぎない、顔が見える関係、意外性と関係性の織り成すアート

つまり自分にとってZINEをつくるというのは、顔が見える規模で、小さなネットワーク(地図)をつくる行為です。それは社会に対してクリティカルであると同時に、自分たちにとって「気持ちのいい繋がり」をつくるクリエイティブな実践でもあります。

そこでは自分の予想していなかった出来事が起こることがあります(編集の仕事をもらうようになる/トークイベントに呼ばれる/ZINEの講師を依頼される、など)。それは参加者にとっても同じです(ZINEへの寄稿がきっかけで書籍を出版した/卒論の題材になった/新しい友達関係から恋人関係まで生まれた、など)。こうした意外性と関係性の織り成すアートが、ZINEの魅力であると感じています。

もう1つの生き方って?

「もう1つの生き方」を探るということは、自分たちが欲しいモノを自分たちの手でつくりだしてみよう、という積極性の表明であり、また、そのために、意外な何かと何かを組み合わせるという編集作業でもあります。

雨に濡れた乾かない椎茸、どうしよう。photo by Sabu-san

雨に濡れた乾かない椎茸、どうしよう。photo by Sabu-san

まさか、椎茸を、、、

「もう1つの生き方」を象徴するある写真を一例として紹介します。今年、熊本の南阿蘇で自給自足生活を実践する知り合いの家を訪れたときに撮影した写真です。お昼時、庭で育てている椎茸を摘んでパスタをつくろうとしましたが、その週は雨が多く、椎茸は大量に水分を含んでいました。薪ストーブで乾かそうにも表面だけカリカリに乾いて芯の部分が乾かないので、このままだと使い物にはなりません。

そこで知人がとった行動は、洗濯用のネットに椎茸を入れて脱水機にかけるというものでした。「まさか」と誰もが思いましたが、結果は大成功。見事に脱水された椎茸は、ガーリックオイルと塩で味付けされた、シンプルでフレッシュなパスタへと変わりました。

脱水機にかけたらぱりっと、濃縮したお味の椎茸パスタphoto by Sabu-san

脱水機にかけたらぱりっと、濃縮したお味の椎茸パスタphoto by Sabu-san

日常のなかの小さな実験・実践から生活を見直す

「普通、洗濯機はこう使うものだ」と考えてしまいますが、何もそういう使い方しか用意されていないわけではない。にも関わらず僕たちはどこかで「これはこういうものだ」と固定的に考えてしまっているのではないでしょうか。身近にあるものをうまく使うことによって、そこに「別の道」をつくったり「別の意味・役割」を与えることができる。こうした日常的な小さな実験=実践は、まずやっていて面白いし、うまくいけば気持ちがいいし、そして「おいしい」とみんなの「ハッピー」にも繋がります。by Sabu-san

実は身近にいろいろな実践がある

Sabuさんのトークのなかで出てきたパーマカルチャーという言葉は、日本でも、アメリカでも、あまり一般的ではありません。それでも、Sabuさんのお話を聞いて、Tamakiさんは、友人が地元で自然農法、有機栽培の果樹園を経営していることを思い出しました。Ryutaさんからは、アメリカでは最近、Urban Farmingが一部では流行っていて、都市郊外での農業だけでなく、インナー・シティで近隣住民が協同で運営するCommunity Gardenもありますね、という話題も出てきました。

日本で、ZINE『未知の駅』が作られ、全国30カ所で扱っているのは、自分の生き方、暮らし方を見つめ直し、もう一つの生き方を探ろうとする動きが、Sabu-sanのような20歳代、30歳代のあいだに広がっているからかもしれません。Sabuさんがいう「顔が見える」Zineの輪は、世界のいろいろなところにできていて、これから先、それがさまざまにリンクしていくかもしれないなあと思います。Mugi

この日は、カメに出会う@Kamogawa, Kyoto, June24, 2015

この日は、カメに出会う@Kamogawa, Kyoto, June24, 2015

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