No.341, Sept.29, 2017,Kanaさんと聴くPink Floyd

U-CもKyotoも、季節の変わり目、夜涼しく

猛暑が続いたU-Cも、St.Louisも数日前からストンと気温が下がりました。Kyotoも夜が涼しくなり、朝布団から抜け出しにくくなってきました。季節の変わりめ、HSのメンバーも、風邪をひいたり体調不良だったりしますが、皆さんはお元気ですか。今日の生放送には、UrbanaのStudioからはTomさん、St. LouisからRyutaさん、KyotoからはMugikoが出演しました。

屋根より高くのびた菊芋に花@秋晴れのKyoto, Sept.29, 2017

Podcastは3部構成、KanaさんとPink Flyod、Roger Waters、Radiohead

Tateishiさんの熱いPink Floydトーク(Podcast No.339)を受けて、少し若い世代のKanaさんが、長い感想を送ってくれました。今週は、曲とともにこのメールを紹介しながらゆっくりとおしゃべりしました。

Part1.季節とイベント情報

Part2.若い世代のKanaさんと聴くピンク・フロイド、レンタルビデオショップのCDコーナーで「古典」として出会う、ロジャー・ウォーターズの新譜

Part3.Radioheadの曲との接点、内省的だけでなく、現実に対する立場

秋(葉だけ庭から)@Kyoto, Sept.29, 2017

C-Uイベント情報

College of Veterinary Medicine Open House: 10/1 (日) 10:00am-4:00pm @ U of I College of Veterinary Medicine (2001 S. Lincoln Ave, Urbana – Japan Houseの向かいです) イリノイ大学獣医学部のオープンハウス。一般も入場可で、動物の展示や乳搾り、毛刈りなどの体験・デモンストレーションもあります。

Tsukimi – Moon viewing at Japan House: 10/4 (水) 7:00pm-9:00pm @ U of I Japan House (2000 S Lincoln Ave, Urbana) 日本館のお月見。Tea ceremonyを無料で見学することができます。先着100名にはお饅頭の配布も。(雨でも決行)

Urbana First Friday, Zine Workshop@ UCIMC

Urbana First Friday, Zine Workshop@ UCIMC, 10月6日(金)4:30pm-7:30pm

This UCIMC Zine Library workshop is free and for all ages. We’ll have all the materials anyone might need to create a page to contribute to a compilation zine that will capture the spirit of October (paper, pens, glue, cut-out images).

Harukana Showを放送しているコミュニティラジオ局も、UCIMCの建物内にあります。ダウンタウンUrbanaの郵便局と同じ入口から入ると右が郵便局、廊下の斜め前がWRFUのスタジオです。その廊下の奥の扉を開けるとUCIMCの広いホールになっています。そのホールの入口近くの本棚が、Zine Libraryです。→HS Podcast No.337「Zinesは時代とともに」

10月6日はZine Libraryに寄っていただければ、予約なしでワークショップに参加できます。Zine作りの道具、紙やハサミやペンや糊など、なんでも揃っていますので、手ぶらで気楽にZineを作ってみましょう。Zineとは何か、なんて考えずに、自分でやってみるのが意外と面白いです。

新物ぎんなん@Sept.29, 2017

Kanaさんと聴くPink Floyd

TateishiのLondonレポート:Pink Floyd(2017年9月15日 HS Podcast No.339))放送後すぐに、KanaさんからPink Floydについて、なが〜い、お便りをいただきました。

Londonでは、ピンク・フロイドデビュー50周年にあたる今年、ロンドンのヴィクトリア・アルバート博物館で「Pink Floyd Exhibition」が開催されています。(10月15日まで)。私は、ロンドン滞在中、2度、V&Aへ行きました。ピンク・フロイド展では、チケットは入場時間(15分刻み)で販売されており、毎回、入場待ちの列ができていました。私が行った回は、お客さんは、60~70歳代が多いという印象を受けました。ピンクフロイドがデビューして20年後に生まれたKanaさんの場合は、日本で、どんなふうに彼らの曲に出会い、聴いてきたのでしょうか。

UFO Club,Pink Floyd展から@V&A, Sept.9,2017(会場で撮影by Mugi)

レンタルビデオショップで「プログレッシブ・ロックの古典!必聴!」

立石さんのお話とてもわかりやすかったです。私は87年生まれなので、トーク中にもあったように、「洋楽名盤100」のような雑誌の特集に必ず載っている『狂気(The dark side of the moon)』を、「プログレッシブ・ロックの古典!必聴!」というキャッチコピーとともに、レンタルビデオショップのCDコーナーで借りました。そして

「よくわからないけどなんだかすごい…ようだ」

という感想を最初は持った、という、おそらくよくあるタイプのリスナーです。そのあと経験的に、きいた音楽の数と幅がふえて、「古典」とか「難解なものがプログレ」といった偏見が薄まり、音楽にも古いも難しいもないんだなと思ったあと、『ザ・ウォール』をきくことがあって、びっくりしました。

「レンタル屋さんのCDコーナー」 Kana作

普遍性がある表現

今は『狂気』はとても綺麗な音楽だと思います。構成がすばらしく、特にギターのメロディが綺麗だと思います。同年代以外の人間がきいても、ききやすく思えるということは、バンドとしては「不在」でありながら、「集合的無意識」にうったえかける普遍性がある表現だということで、V&Aの展覧会の盛況はそういったことを示しているのかなという気がしました。

異質な場所に立つ自分自身の姿

入りのギターの綺麗な曲 ‘Brain Damage’の歌詞に「狂人が僕の頭の中にいて/君は刃をふりあげ僕を正気にさせるまで変えようとする〔…〕/でも僕を閉じ込められはしない/君も僕たちのバンドが異質な音を奏ではじめれば/気づくだろう、異質な場所に立つ自分自身の姿に」とあって、この自分を客観視する視点も普遍的に大切なことのように思います。

普通の人間のなかにある「異質」なもの

「私は普通の人間だ」と自認していても、ある日、銃を持ち、別の国籍の隣人を撃つかもしれないし、爆弾を持ってポップスターのコンサート会場に乗り込むかもしれない現在の状況にあっては、異質なものを自分のなかに認めることは、第一に必要な勇気のようにも思います。(でも上の詩も、もっと個人的な、シド・バレットへのメッセージでもあるのかもしれません。)

ベスト・アルバム・セレクション系、、 レンタルCDs by Kana

ロジャー・ウォーターズの新譜Déjà Vu (2017)

Pink Floydのベーシスト、ロジャー・ウォーターズの新譜Déjà Vu (2017)にもそういった視点があるなあと思います。「もし僕が偵察機能をそなえ外国の空を飛ぶドローンだったなら/あの家に誰もいなければいいと思うだろう/ひょっとしたら女性がひとり、ストーブでパンを焼いているだけかもしれないのに」

Radioheadの音楽との接点

ウォータースの新譜をプロデュースしたナイジェル・ゴッドリッチは、超マンモス・バンドのRadioheadのプロデューサーですが、私たちの世代にもなじみの深い現役のバンドにかかわる人が、大御所の音楽家と制作をしていたりすると、音としてもですが、なんだか身近に感じるな~ということもあります。

内省的だけでなく、現実に対する立場

Radioheadは「負け犬」の自分を対象化しつつ、それを現代的でポップな音楽にしてきた人たちですが、ピンク・フロイドと同じく、内省的なだけではなく、現実に対して自分たちの立場をしっかり歌っていたりすると思います。

たとえば去年のアルバムより。’Present tense‘ 

「この踊り/この踊りは武器のようなもの/自分を守るための/現実の/この現在の状況/この現実の緊張にあらがうための/僕は深刻になってるわけじゃないんだ/だから、そんなに重く受け取んなくったっていいよ」

この曲は、「僕のこのすべての愛がどこかへ消えてしまったこと/それは誰のでもない、僕の出来事/君の中で僕は踊っているんだ」とパーソナルに終わります(その後、ボーカリストの元パートナーが長い闘病の末に亡くなりました)。

「不在」の感覚、個人的なものと社会的なことを同時に語る

「不在」の感覚は個人個人にはたらいているもので、他人と共有しているのかどうかは定かではありませんし、きっと無理に確かめあうことでもないのですが、ひとつのロック・バンドを(かろうじて?)繋げていたり、個人的なものと社会的なことを同時に語ることで、出会ったことのないリスナーたちをも繋げたり、不思議な感覚だなあと思いました。

人がいたりいなかったりするところに電波を届けるラジオも、なんだか不思議なメディアですね。by Kana

Pink Floyd展から@V&A, Sept.9,2017(会場で撮影by Mugi)

U-Cでもレンタルビデオ店は激減

レンタルビデオ店のCDコーナーでピンク・フロイドのCDを借りたというKanaさん、U-Cもこうしたお店はあるのでしょうか。

アメリカでは専門のレンタルビデオ店、レコードショップは減りつつありますね。(特にレンタルビデオはほぼ絶滅したのでは……) 図書館で借りられるから、というより、Netflixのようなストリーミングビジネスの発展によるところが大きいです。(Netflixも元は通信レンタルDVDサービスだったんですが。) 7~8年ぐらい前は、UCにもレンタルビデオ店はたくさんありました。by Ryuta

TomさんもRyutaさんも、U-Cにレンタルビデオ店はあったけれど、そこにCDコーナーはなかったような気がする、と話してました。

■南沙織「色づく街」■高田漣「私の青空」■Pink Floyd「Brain Damage」■Roger Waters「Déjà Vu」■Radiohead「PresentTense

早生のミカン、葡萄が美味しい@Kyoto, Sept.29, 2017

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