No.565-2, Jan.21, 2022, 「生活に寄り添う雑貨を作る」鍛金物語ー独立編 with Ren-san

Renさんとのトーク第2話、作り手としての独立

先週(HS No.564-2)は、金工というジャンル(彫金、鋳金、鍛金)とRenさんの鍛金との出会いについてお話を伺いました。ご実家が滋賀県南部の山中、父は陶磁器、母は織物と、もの作り家庭に育ち、都市での暮らしを求めて京都の芸術系の高校へ進学、彫刻などを学びました。卒業後、東京で舞台作りなどの仕事を携わるなかで「自分サイズのもの作り」がしたくなり、たまたま応募した会社で鍛金の指輪作りを担当し、金工の技を学びました。そこからどのように独立していくのか、続きのお話です。

Part2, 独立編–Renさんの作品スタイル、金属の手触り感

Part3, 雑貨としての作品、道具や機械との付き合い方

Renさんに文章もまとめていただきました。

Kyotoの町屋で先輩と工房兼ギャリーをDIY、自分の初工房

京都の金閣寺のほどちかくにある町屋を陶芸をやっている先輩とともに改装して工房兼ギャラリーをDIYし、一角を自分の工房として独立しました(PolarSta、上下の写真)。当時これから何を作っていくかと悩み、とりあえず散々作ってきた指輪以外のものをと考え、気ままにオブジェや照明器具などを作り始めました。今も色々なモノを作っていますが、根本にあるのは独立当初の思いのままで、自分が使いたいモノや面白さを感じるような形だったり。一見無機質で冷たい印象のある金属ですが、金属を触るようになって気がついた暖かさを感じるような、表情や有機的な雰囲気など金属の多様な表情を大切にしたモノ作りをしたいなと思っています。

使い手の暮らしに寄り添う生活工芸品

美術品や美術工芸品などそのモノだけで完結するような力のある作品にも憧れはありますが、自分が作っているモノはクラフトや生活工芸品とよばれるようなモノだと思っています。簡単に言うと雑貨と呼ばれるようなモノでしょうか?一緒に並べるものや空間によって見え方が変わったりするようにも思います。使って下さる方の日常の一部になり、生活に寄り添うようなモノになればと思いながら日々手を動かしています。

物語のあるモノ作りに触れる場所

もともと工芸の世界は分業制で各工程の職人さんがいて問屋さんがあり、お店があってお客さんへと品物が届くというスタイルが一般的だったと思うのですが、僕は使って下さる方にそのモノの背景にある物語(どのような場所で誰がどのような道具や素材で作っているかなど)も含めて知ってもらうことができたらと思っています。

また逆に僕自身も作ったモノが手を離れて後に紡ぐ物語(その作品を見た人の反応やどんな方が選んで下さるのか? その方の生活の中でちゃんと役立っているか、どのよな空間でどのようなモノと 一緒に使って下さっているのか?などなど)にも興味があるので、新しい工房にもギャラリースペースを作りました(Renさんの現在の工房

今は数ヶ月に一度しか開けることができていないので、これからはもっとお客さんとのコミュニケーションができるような場所になるよう工夫していきたいなと思っています。

先人の経験と技術の積み重ね、知恵の結晶としての機械

技術の探究に終わりはなく美しさにも正解はないと思っているので、これに対しては貪欲に真摯に向き合い続けなければと思っています。最近興味があるものとしては、昔はアナログでプリミティブなモノ作りがカッコいいなと思っていました。先人は電気がなかった時代でも創意工夫で色々なもの作っていたわけで、ハイテクな機械や工業的なモノ作りに対してどこか斜に構えていたところがあったのですが…

冷静に考えると金属は素手ではほぼ加工することができず、必ず道具を使います。その道具も最初はシンプルな形状だったものが、技術の積み重ねで機械になっていると考えると、先人の知恵の結晶だと思い、一概に否定するのはナンセンスだなと思うようになりました。

人の気配がする機械

先日大阪の廃業なさる町工場のおじいちゃんから「ヘラ絞り機」と言われるロクロのような機械を譲って頂きました。僕よりももずっと歳上で鉄の塊のような機械、今はこのよな人の手が介在するヘラ絞り機は少なくなり、コンピュター制御の全自動がとって代わっているそうですが、人の気配のするものづくりのギリギリのところにあるような気がして、そこが興味深く今後はこの機械も使って何か僕が作る意味のある面白いモノが作れたらと思っています。-Ren

相棒としての道具たち

Renさんの仕事場に入るとすぐ左手に、たくさんの道具があります。金工にとって欠かせない相棒なんだと思うと、作品だけでなく、いろいろな道具にも触ってみたくなります(私だけかもしれません)。ヘラ絞り機を見せてもらった時も、やたらに重そうな機械なのですが、使い手の身体とうまくコラボできたら何ができるんだろう、とワクワクしました(実際に使えるようになるまでには長い道のりがありそう)。

場所もRenさんの作品

Mugikoは、金属を硬い、あるいは頑ななモノだと思っていました。ところが、葉脈をもうつしだす柔らかさ、肌触り感もあるということをRenさんの工房で作品にふれて知りました。展示会にゆくたびに発見があって、工房も、Renさんの生きた作品だなあと思います。

物語がつながるモノ作り

Renさんの鯨ランプがMugiko Houseに届いたときには、不思議でした。子供の頃、理科の授業の宿題のために、バナナを買ってついでにショウジョウバエももらった八百屋さんが、今はRenさんの工房になっいて、そこで作られた鯨のランプが、長屋を改築した我が家の天井で泳いでいる。物語がつながるモノ作り。来週は、町屋をDIYして工房を作るお話です。ーMugi

■John Butler「Ocean」■Julien Baker「Something

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