Blog: NYからZine Report(2) NY とLondonの草の根のつながり@The Velvet Underground Experience, Printed Matter, Inc., Dec.4, 2018

NY訪問の理由

The Velvet Under Ground Experience @NY, Dec4, 2018

Adam Ritchieの写真

THE VELVET UNDERGROUND EXPERIENCE A NEW YORK EXHIBITIONへ行ったのは、Londonで何度か取材をさせていただいたAdam Ritchie(1940-)から連絡を受けたからです。Adamは、1962年から1966年までNYに滞在し雑誌のカメランの仕事をしていました。この時にAdamが撮影したヴェルベッツの写真が、今回展示されると聞いて楽しみにしていました。

Photos by Adam Richie, The Velvet Under Ground Experience @NY, Dec4, 2018

60年代のNYとLondonのアンダーグラウンドなつながり

Adamは、66年にLondonに戻ってからは、友人のJohn “Hoppy” Hopkins (1937-2015)に誘われて、London Free Schoolに参加しました。NY滞在中に、Central Parkでの“Art in the Park”(公園に、長大なキャンバスをたて、誰でも自由に絵を描けるなど)に触発され、LFSでは子供の遊び場プロジェクトに着手した、とAdamが私に話してくれたことがあります。Hoppyも65年にNYを訪問し、Free University of New Yorkの活動からも発想を得て、帰国後、Notting HillでLFSの設立を呼びかけました(詳細はGMZ3へ)。60年代のNYとLondonは、Undergroundで人も情報もつながっていたと思います。

展示会に『IT』や『OZ』

The Velvet Underground Experience @NY, Dec4, 2018

今回の展示会でも、1964年に結成されたThe Velvet Undergroundというバンドについてだけでなく、当時のNYの“Experience”として、同時期にLondonで発行されていたInternational Times(Arcive)やOZといったアンダーグランドな新聞やポスターが展示されていることも、ITの発行に関わったHoppyのインタビューの内容と重なって興味深かったです。(GMZ#3

小さな夢、HoppyのZineをNYへ

そんなHoppyのインタビューをまとめたGMZ3をNYのZine関連のショップはないだろうか。そんな小さな夢も持って、スーツケースの半分にGMZシリーズを詰めてNYまでやって来たのです。

Grassroots Media Zine3(2016), John ‘Hoppy’ Hopkins Interviews from 2009-2014

あれ、ここ、知っている?

12月4日午後、Printed Matter, lnc.に訪問した時に、「あれっ、ここに来たことがある」気がしました。でも、おぼろげな記憶より、広くてきれいです。

Printed Matter, Inc.@231 11th Avenue, NY, Dec.4, 2018

“Founded in 1976, Printed Matter, Inc. is the world’s leading non-profit organization dedicated to the dissemination, understanding and appreciation of artists’ books and related publications.” Mission & History, Printed Matter, Inc.

アートとZineと社会

Printed Matterでは、市販のアート系の本だけでなく、いくつもの棚にたくさんのZineがぎっしりと置かれ、販売されています。扱われているZineやその並べ方から、アートとZineへの愛情とこだわり、社会とのつながることへの意識のようなものが感じられます。この本屋さんでGMZ3を扱ってもらえたらいいなあ。

1F入り口付近は多数のZine棚、奥は展示スペース、2FにもユニークなZines@Printed Matter Inc., NY, Dec.4, 2018

GMZを扱ってもらえませんか?

半時間ほど店内をあれこれ見学して、ようやくスタッフに、GMZを扱ってもらえるか尋ねました。まずは、登録をしてサンプル1部を提出し、スタッフからなる委員会で選択されます。アメリカ国内からだけでなく、世界からも申し込みがあって、扱う作品を選んでいくのも、大変な労力かと思います。でも、審査に落ちても、行き先はありそうです。

“If your book is not accepted it will be donated to a local educational institution, currently the School of Visual Arts Library.” (What happens if my book is not accepted?@Submit Your Book)

Zine, Zines, Zi—–nes, 日本人Artist作品も(右下)Printed Matter, Inc.@NY, Dec.4, 2018

2011年にPrinted Matterを訪問

U-Cに戻ってPrinted Matterについて調べているうちに2つのことが分かりました。1つは、私は、2011年にPrinted Matterを確かに訪問していました。当時の写真を発見しました。このお店は、2015年に移転して今の場所に移り、ギャラリースペースを含め、店舗を拡大していたのです(Misson & History)。7年前にこのお店に来た時には、Harukana Showを始めたばかりで、スタッフのTateishiさんからNYに行くならオススメのお店、として教えてもらい、立ち寄ったのでした。

7年前に訪問!Printed Matter. Inc.@195Tenth Avenue, NY, June29, 2011

LondonのbookartbookshopとPrinted Matter

もう1つ気づいたのは、私が大好きなLondonのbookartbookshopを運営しているTanyaにインタビューした時に、彼女の話にPrinted Matterが重要な場所として登場していたことです。Tanyaは、1990年代の初めに、NYのこのお店を訪問しています。その頃でも、出版業界は男性が中心でしたが、ここでは、女性たちが自分の言葉で語りアート関連の本を出版していました。Tanyaは、ここでartists’ bookというジャンルを認識し、女性でもできるんだ、と大いに触発された、と話していました。(HS No.342, Oct.6, 2017,bookartbookshop、アートと本と人と場所をつなぐwith Tanya)

Bookartbookshop @ London, Sept.8, 2017

bookartbookshopは、Londonで私がGMZを持ち込んだお店の1つです。最初は、GMZ2はアート系でないからと扱いを断られ、GMZ3を持って再訪し、店頭デビューをさせてもらいました(Blog:LondonからZineレポート(9)bookartbookshopに触発され、次の夢は… Sept.8&14, 2017)。さて、NYではどうなるでしょう。このお話が、次へと続きますように。

NYとLondonの草の根のつながりをたどる

今回のNYへの旅をとおして、自分がいつの間にか、NYとLondonの草の根のつながりをたどっていたんだなあ、と感じることができました。私がZineに関心があるのは、それがさまざまな個人を触発し合うメディアだからです。小さなラジオ局も小さなZineも周囲を巻き込みながら、顔が見える関係をつないでいく。そうした他人を引き寄せ合う媒体が、どんなフィジカルな場所やデジタルなスペースを生み出しそこで何が起きるのか。そのグローカルな可能性を、自分もメディアを作り、人と人、場所、情報をつなぎ、そこから学びながら探求してみたいと思います。(Mugi)

Swiss Institute is lobby Bookstore of Printed Matter at 38 St.Marks

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