通常の暮らしへ、少しずつ、Washington DC、U-Cも
本日は、Washington DC在住のTamakiさんから季節のお便りをいただきました。ようやく通常の暮らしに戻りつつある様子が伝わってきます(Part1)。今週のゲスト出演は、イリノイ大学のTatsuyaさんです。この1年2ヶ月あまりのイリノイ州の感染拡大の推移や行政の対策などについて、お話を伺っています(Part 2&3)。COVID-19はグローバルなパンデミックですが、住んでいる場所によって感染状況も政府、地方自治体の対応も異なります。Tatsuyaさんと話を聞いていると、改めて自分がいる場所、社会について考えさせられます。
感染拡大、抑えきれない日本
日本では、9都道府県(北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡)に出されていた非常事態宣言が、沖縄と同じく6月20日まで延長、5県(埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重)を対象とした「まん延防止重点措置」も同日までの延長を政府が決定しました。一方、アメリカ国務省は、日本の感染状況を最も厳しいレベルに引き上げ、「渡航中止の勧告」となりました。
*”US citizens warned not to travel to Japan as Tokyo Olympics near ” Forrest Brown and Michael K. Callahan, CNN” • Updated 25th May 2021
Part1, 日常生活へ、17年セミ、苺摘み with Tamaki@Washington DC
Tamakiさんからの季節のお便り、5月28日に届きました。
国会議事堂周辺の州兵も任務完了
2度目のワクチン接種から2週間経過、有効率95%に期待して普通の日常生活へ戻りつつあります。様々なビジネスが6月11日のフルオープンへ向けて再開しています。 これまでは外から眺めていたスミソニアン美術館など周辺のイベント再開状況を見るのが日課です。観光客もツアーバスもよく見かけるようになりました。議事堂周辺の州兵は5月23日で任務完了、長い間お疲れ様でした。
17年セミがすずなり
昆虫類が苦手だったらすみません。これは現在特定エリアに17年に一度だけ現れているセミです。セミは種類によって幼虫期間が違うそうで、今年は17年モノの年だそうで、しかも大量に。公園に行ったら鈴なりですぐ見つけられましたよ。ニュースにもあるように食用昆虫としてレストランのシェフがセミを集めたりしているそうです、幼虫よりも成虫の方が食べやすいとのことですが、どうなんでしょうね。一説によるとオークとメープルの木がお好みらしいです。
*”Brood X is almost here. Billions of cicadas are emerging in eastern US“, Jen Rose Smith, CNN, May23, 2021
春(初夏?)のイチゴ摘み
Strawberry Pickingへ行ってきました。メリーランド州の農家さんの苺畑、収穫後には南瓜畑になるようです。One Pound(約450g)で$4、スーパーと同じような値段ですね。隣接のお店では苺と野菜なども売ってあります、完熟苺は美味でした。
国務省からレベル4指定の日本への渡航中止勧告、状況が今以上悪化しませんように。-Tamaki
IL州内のCOVID-19感染拡大の経緯の概要 with Tatsuya
Tatsuyaさんは、イリノイ大学原子力工学専攻の教員で、リスク分析・マネージメントを専門とされています。イリノイ州でStay at Home Orderが発令された2020年3月中旬から、ZoomでUIUC JPN COVID-19 Town を開催されています。2021年5月22日(日本時間5月23日)に、Tatsuyaさん(Champaign)、Ryutaさん(Shizuoka)、Mugiko(Kyoto)とのトークを収録しました。長時間のトークを、3回に分けてお届けします。Tatsuyaさんにまとめの文章も書いていただきました。ありがとうございます。
*Tatsuyaさんのトーク(2020年):No.472(4/10), No.474-1(4/24), No.475-1(5/1), No.476-2(5/8), No.496(9/5), No.497(10/2), No.509(12/25)
Part2, ILの四季、Farmers Market、生活習慣の違いと感染拡大 with Tatsuya
Part2, ILのCOVID- 19感染拡大推移の概要、4つの波と対策 with Tatsuya
年3回の感染拡大ピーク
昨年3月中旬~現在の1年強のデータに基づくと、イリノイ州内では、(1) 3~4月、(2) 独立記念日後(7月4日)~8月、(3) 10~11月の年3回、COVID-19感染拡大のピークが出現する傾向があると推定されます。
強力な社会的感染対策-2020
2020年3~4月と同年10~11月が州内でこれまでに観測された最大級の感染ピークで、自宅滞在命令(2020年3~5月)やレストラン・バーの屋内営業の中止、集会・パーティーの禁止(2020年10~11月)など、州知事のExecutive Orderに基づく強力な社会的感染対策で乗り切りました。

UIUC JPN COVID-19 TOWN HALL, May27, 2021, by Tatsuya, p.5, データはこちら
ワクチン接種を加速化-2021春
一方、今年3~4月の感染ピークは、社会的感染対策の強化は行わず、州内でのCOVID-19ワクチン接種を加速することで抑え込むことに成功しています。2021年5月下旬現在、州内のCOVID-19感染データ(新規陽性者数、入院重傷者数など)はいずれも減少傾向が継続しており、状況は落ち着いています。
規制緩和、Bridge Phaseから、6月にはPhase5へ移行の可能性
これを受け、5月14日には、州内全域がRestore Illinois PlanのBridge Phaseへ移行し、文化・娯楽施設や屋内外のイベント等の収容人数制限が大きく緩和されました。感染データが落ち着いた状態が今後も継続すれば、最速で6月11日にPhase 5へ移行し、昨年3月来の収容人数制限が全て解除される可能性もあります。

UIUC JPN COVID-19 TOWN HALL, May27, 2021, by Tatsuya, p.6, データはこちら
U-Cの場合、UIUCの関係者による“輸入ケース”による感染拡大
Champaign-Urbana地区の状況の推移も、基本的にはイリノイ州全体の状況推移と類似していますが、先述の年3回のピークに加えて、UIUCの新学期(秋学期,春学期共に)開始後2~3週間ほどは、地区外から戻って来た関係者による“輸入ケース”に端を発したと推測される感染拡大ピークが観測されました。
教訓を活かした検査・感染対策、3月以降のワクチン接種の進捗
2021年春学期は、昨年秋学期から引き続き、キャンパスで活動するUIUC関係者(学生・教職員)全員が週2回のPCR検査(UIUC独自の唾液検査技術を用いたもの)を受けることを要求されました。春学期中の累計陽性者数は約2,000人弱で、秋学期(累計4,500人程度)と比較し大きく減少しました。秋学期中の教訓を活かした検査・感染対策の改善に加え、特に学期後半(3月下旬以降)の教職員・学生に対するワクチン接種の進捗が理由として考えられます。

UIUC JPN COVID-19 TOWN HALL, May27, 2021, by Tatsuya, p.8, データはこちら