No.599, Sept. 16, 2022, Kyotoの街で古本屋と古材回収と地域福祉(後半) with Shinyaさん

UCIMCでWelcoming Week Event

日本はシルバーウィークの連休ですが、台風14号の影響を強く受けそうです。イリノイは、暑くてもカラッと晴れて気持ちよさそう。今週の番組収録は、9月15日、MugikoがKyotoから、RyutaさんがShizuokaから参加しました。先週(No.598-2)に続きShinyaさんのトーク後半をお届けします(Part 2 & Part 3)。

Part1, UCIMCでWelcoming Week Event、先週までのお話

9月17日(土)13:00-1500に、UCIMCではWelcoming Weekのイベントがあり、WRFUのメンバーも参加します(Part1)。

WRFUから英語とスペイン語以外の番組−日本語とカンホバル語

WRFUでは、英語とスペイン語以外の言語を用いたプログラムは、 日本語のHarukana Show / Fridays 6pm (CDT)と、Qʼanjobʼal(カンホバル語)の Be’i bal eb jich mam – Cultura Maya / Mondays 6pm (CDT)だけです。どんな言語でも番組を始めることができます。関心のある方は、WRFUに詳細を問い合わせてみてください(こちら)。

Confirmed Champaign County COVID-19 Cases

陽性者数がイリノイ大学の秋学期開始時に比べるとかなり減少してきました。

Confirmed Champaign County COVID-19 Cases,CUPHD

ホホホ座浄土寺センターのShinyaさんのトーク後半

Part2, 住まいの相談、回収古材置場と作業場用倉庫を入手!with Shinya

Part3, 心のケアと家のリノベ、声をつなぎ生業を生み出すwith Shinya

先週までのお話(詳しくはNo.598-2へ)

Shinyaさんはホホホ座浄土寺センターとその2階ホホホ座ねどこで、古書&雑貨店と宿泊&イベントスペースを運営しています。Shinyaさんはまた、ホホホ・ザ・わいわい、というボランティア団体の活動にも関わっています。暮らしの現場から自分たちで地域福祉の仕組みを作っていきたいと考え、活動の一環として、障がいがある方や高齢者からの住まいに関する相談を受けています。それにつながる仕事として大工部門もあり、リフォームや修繕、家の片付け、ゴミの廃棄なども行っています。こうした営みが、今回のトークの話題となる古材回収、家屋修理、再利用などの活動へと展開していきます。

観光地Kyotoと「住まいの問題」―縦割り行政

Kyotoの、特に風致地区では景観を維持するために、家屋の扱いにはさまざまな規制があります。また、防火規制についても厳しいルールがあります。行政はしかし、必ずしもそこに住む人々のさまざまな事情に配慮したサポートをしてくれるわけではありません。不動産業者は不良債権などリスクがある物件は扱わず、また行政は各部署が縦割りになっていて、住民がかかえる問題について総合的に相談できる窓口はなかなかに見つかりません。

傾聴と信頼関係から倉庫と作業場を入手

Shinyaさんたちは住民から寄せられる一つひとつの相談に耳を傾け、ぞれぞれの問題に対応し、信頼のネットワークを築いていきました。ある時、ゴミ処分を手伝った住民の知人から、別件の依頼を受けるなかで、借り手がなく空き家になっている倉庫についての話が出てきました。こうして、Shinyaさんたちは思いがけないことに、倉庫と作業場を手に入れることができました。これによって、古材回収、再利用、家屋修繕の活動を本格的に展開しやすくなりました。

施主のメンタルケアと住まいの修理

依頼を受けて住まいの修理をする際に、Shinyaさんたちはまずはコミュニケーションをしっかり取ることを心がけています。住民の声を聴き、ストレスを少しでも減らす。家屋を修繕、改修するときも、施工側の都合を優先させるのではなく、施主の事情に寄り添いながら、住まいの問題の解決法を探っていきます。そこに住む人たちの心と向き合う時に、福祉のプロたちが人々の声をきく、「傾聴」の姿勢とスキルが役立ちます。

人々の声をつなぎ生業を生み出す

Shinyaさんたちの活動がめざしているのは、支援する側、される側といった二分法的な関係をこえて、地域を活性化し収益もえられる仕組みを作ることです。暮らしの中でかわされる井戸端会議の声にこそ、現場から考える地域福祉のニーズやアイディアや方法のヒントがたくさんあります。多様な人が生きていく現場に関わりながら、家を整理した残留物から古材を回収、それを再利用して別の空き家を改修し、多目的スペースを作る。そこから新たな活動が始まり、収入をえる方法もうみだしていく。地域での複数の活動が絡み合いながら、人々が関わり支え合う仕組みを作り出せないか。Shinyaさんたちのクリエイティブな活動は続きます。

ところで、ヨムマチヤ・ホホホ座がスタート

ホホホ座は、その名を冠する10店舗あまりのゆるやかなネットワーク、この9月には、京都市東山区泉涌寺(せんにゅうじ)町にヨムマチヤ・ホホホ座が始まりました。芸術文化活動の多目的、実験的な空間です。①表現と食にインスパイアされた図書室、②レンタルスペース、③ノマド的な一畳泊まり所。海外から来られた方にとってもKyotoで独自の町家体験ができそう。-まとめby Mugi

Yomumachiya / hohoho-za is a versatile and experimental space for arts and cultural activities. It includes ① a collection of books related to vegetarianism, Noh and others related topics, ② a shared space for workshops, dance/music/painting practice, tea parties etc. ③ temporary stay for nomad 500 yen per night. Feel free to message if you are interested.

コメントby Shinya-「自分たちで出来る」方向へもっていく

この場所で、お店を続けたり、快適に暮らしていくためには、あらゆることを「自分たちで出来る」方向へ持っていった方が良さそうだ。と、気づいたのは、この5〜6年のことです。そのためにやらなければいけないことは、意外と多いし、意外と少ない。絶対にやらなければいけないことがあるようで、特にない気もする。今だに、上手く説明することが出来ません。とにかく大風呂敷を広げないよう、小さく小さく行動することを心がけています。-Shinya

■Talking Heads「(Nothing But) Flowers」 ■Crass「 Where Next Columbus

不用品を再利用する地域の仕組み–大学町C-Uの場合-Ryuta

Champaign-Urbanaは大学町で、年に1回、必ず大規模な学生の出入りがある(=不要になった家具が大量に生まれ、新居で使う家具を必要とする学生が引っ越してくる)ので、YMCAのDump’n Runセールなど、不要品を再利用する仕組みが地域の中で出来上がっている印象です。アメリカなので個人レベルのガレージセールなどはもちろんあるわけですが、Dump’n Runのような規模の大きい継続的な試みがどのようにして始まったのか、気になるところではありますね。

「ボランティア活動」が活発に見える米国の事情-Ryuta

Shinyaさんの活動は、先日Harukana Showでも話を聞いたTomさんのPACAの活動(No.567-2, No.568-1, No.569)に通じるところもあります。一方で、PACAは歴史的建造物保存という全国的な運動をローカルに展開しているグループですが、Shinyaさんの活動は、もう少しパーソナルなところから始まっている感じですね。アメリカではhouse flipping(中古住宅を購入し、リノベートして買値より高く売却すること)が生業的なものとして成り立っていることとか、NPO団体や教会の「ボランティア活動」が活発に見える影には政府、行政が「小さい」ことがあるとか、いろいろと繋がる話がありそうです。(が、これは「大風呂敷」かな……)– Ryuta

それぞれの場所の「あたりまえ」のズレ

Kyoto市内のような、狭い路地に家が隙間なくたっている地域の話題を、コーン畑に囲まれたU-Cという町のコミュニティラジオ局からお届けするのは、それぞれの場所でのDIYや地域社会や福祉の考え方の「あたりまえ」が違っていて、面白いなあと思います。

憧れのインパクトドライバ

Mugikoはこの夏、路地奥の自宅(大正時代のもと長屋)を修理、毎日、いろいろな職人さんがこられました。とくに印象に残ったのは、その日の作業が終わってからの丁寧な片付けとさまざまな道具のしまい方。その日の終わりは、次の日の始まりにつながっている。かっこいい!見ているうちに、どうしても欲しくなったものがあります。みんながもっているあの充電式インパクトドライバ。おもいきって充電器・ケース付きをネットで購入。職人さんたちに、最初の使い方を教えてもらいました(練習用の板もお借りして)。

身近にDIYを眺めて学べたらいいのに

イリノイでは各家に山のような工具がありました。みんな子どもの頃から使い慣れているのだろうか。Shinyaさんが、「多くのDIYの方法(例えば家を建てる)はYouTubeから学ぶことができるけれど、電気工具を自分で揃えるのは大変、行政が使い方の指導も含めて工具を貸し出すサービスがあれば」と話されていました。工具を借りるほどの目的がなくても、誰かがDIYな作業をしているのを眺めていても邪魔にならない場所が近所にあれば、楽しいだろうなあ。地域の人との付き合い方も変わってきそう。

599回無事終了、時々大風呂敷を広げながら、身近なトークを

Harukana Showは、今日で599回を無事に放送・配信。これからも、時々は、大風呂敷を広げながら、さまざまな現場のDIYな話をしていきたいなと思います。-Mugi

 

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